妄想小説集

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乗っ取られた部活〜体育教師晴真・無惨

生徒の指導〜上半身編

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「先生、そんな闇雲な筋トレ、意味ねえっすよ」

黒崎が、尊大に言う。

なんだと?

佐藤の顔が険しくなる。

「あんた、サッカー選手だったんだろ? サッカーで使う筋肉は発達してるけど、格闘技用の筋肉は全然だ。特にここ」

そう言い、黒崎が佐藤の脇腹を指す。

「体幹の安定性が弱い。そこを突けば、すぐに崩れる」。

黒崎の言葉は鋭く、佐藤の弱点を見抜いている。

佐藤は反論しようとするが、黒崎が続ける。

「手本を見せるよ。先生、ちょっと止めて、俺がやる」

部員達もスパーリングを止め、リングマットを離れ、佐藤と黒崎の様子を伺っている。

黒崎はパワーラックに近づき、完璧なフォームでバーベルスクワットを始める。

絞り込まれた筋肉が動き、部員たちが「すげえ…」と呟く。

佐藤は部員たちの視線を感じ、屈辱が胸を締め付ける。

黒崎が振り返り、佐藤に言う。

「先生、服着てると動きが分からねえ。上裸になれよ」

なぜ、俺は、生徒に命令を、、、

佐藤の胸に屈辱が広がる。

部員たちの視線と黒崎の不敵な微笑みに押される。

「教師だから気取ってんのか?」

黒崎が嘲ける。

ここで、拒んだら、偉そうな教師という烙印を押されてしまう、、、

佐藤はジャージの上着を脱ぐ。

鍛えた胸板と腹筋、大胸筋や広背筋が露わになり、汗で光る。

隆々と盛り上がる三角筋から、胸板を覆う大胸筋、そして脇から背中へと広がる広大な広背筋まで、どこをとっても完璧な肉体だった。

が、青年神の彫刻を思わせるその肉体を見る生徒の目に、かつての憧れはもう無い。

惨めな肉塊、、、

だが、佐藤は黒崎の指示を完璧にこなしてみれば、生徒達の尊敬も帰ってくるとわずかな望みに縋っている。

黒崎はそんな佐藤の様子など気にも留めず、淡々と説明を始めた。

「じゃあ、まずはダンベルカールだ。肘、しっかり固定しろよ。テメエの上腕二頭筋、力こぶにちゃんと意識集中させろ。反動なんざ使うんじゃねえ。ゆっくり、ジワジワ上げんだよ」

佐藤は言われた通りにダンベルを手に取り、ゆっくりと肘を曲げていく。

上腕二頭筋がギュッと収縮し、まるで小さな球体が腕の中でせり上がってくるようだ。

同時に前腕筋群もパンパンに張る。

血管が青筋を立てて浮き出、汗が腕を伝う。

屈辱に耐えながらも、彼の体は言われた通りの動きを忠実に再現しようとする。

「次はクランチだ。腹筋の上っかわを鍛えるやつな。膝立てて寝て、おへそ見るように体を起こせ。腰、浮かすんじゃねえぞ。あと、楽して首だけで上げんなよ、、、」

佐藤は仰向けになり、ゆっくりと体を起こす。

腹直筋が波打ち、上部から下部へと徐々に収縮していくのがわかる。

腹部に熱がこもるのを感じる。恥ずかしさよりも、指導されることへの悔しさが佐藤の心を支配している。

彼の顔は紅潮し、奥歯を食いしばる音が聞こえそうだ。

「はい、次はシットアップだ。これは腹筋全体な。足は固定して、体全部起こせ。これも反動使うんじゃねえぞ。腹筋で引き上げんだよ、分かったか?」

クランチよりもさらに負荷の高いシットアップ。

佐藤の腹直筋は悲鳴を上げ始める。

一人でやっていれば、筋肉に軽く休息を与えるところだったが、黒崎の冷徹な視線がそれを許さない。

そして、佐藤の意地もまた、自身に弱音を許さない。

彼の腹筋は限界まで引き伸ばされ、そして力強く縮んでいく。

その度に、腹部の筋肉の繊維が一本一本浮き上がるように見える。

「最後はスーパーマンだ。これは背筋な。うつ伏せになって、手足、同時に上げろ。背中の脊柱起立筋をしっかり意識しろよ。地面と平行になるくらいでキープな」

全身の力を振り絞り、佐藤は手足をゆっくりと持ち上げる。

脊柱起立筋がまるで太いロープのように隆起し、背中全体が硬く盛り上がる。

肩の三角筋後部や臀部の大殿筋も同時に収縮し、体幹が小刻みに震える。

この一連の動作を通して、黒崎はぶっきらぼうながらも、的確なアドバイスを佐藤に与え続けた。

その説明はまるで、筋肉の構造を熟知したベテラントレーナーのようだった。

佐藤もその指導のうまさは認めざるを得ない。

例え、部員達の憧れの視線が、必死で筋トレをする自分よりも、傍らで偉そうにしている黒崎に向けられていたとしても、、、

必死に背筋を使う佐藤の背中に大粒の汗が溜まっていく。
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