聖職より堕ちた教師 純一の場合

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リライト14 猛者の自立 SIDE:浜田

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首輪を嵌められた体育教師は、震える手でハンドルを操作する。

神社が近づくにつれ、車内には教師の荒く、湿った呼吸音が充満していく。

バックミラーに映るその瞳は、主人に褒美をねだるペットのような光と肉欲へのギラツキが混じる。

浜田もまた、久々に身体の芯が熱くなるのを感じていた。

それは肉欲ではなく、獲得して飽きた大きな獲物を奈落へ突き落とす直前の残酷な支配者としての自分を実感する精神的昂ぶりだった。

駐車場に着く頃には、夜の帳が下り、辺りは濃密な闇に包まれていた。

まばらに停まった車は、どれもエンジンを切り、死んだように沈黙している。

こんな時間に、周囲には神社を除いて何もないこの駐車場に停まっている車。

それを操ってこの駐車場にやってきた運転手達は、欲望の火を燻らせて神社の裏に身を消したのだろう。

「脱げ」

「こ、、、ここでか? 車内でやるのならなら、もっと山の上の脇道にしないか?」

「ガタガタ抜かすな。俺様の言うことが聞けねえのか」

浜田が手にした鎖を、教師の鼻先でジャラリと鳴らす。

ま、まさか、この駐車場から素っ裸で歩けというのか、、、

一瞬、脂の乗った体育教師の顔に唖然とした表情が浮かび、頬がビクッと痙攣する。

が、口答えはしない。

それどころか、鼻息の荒さが増す。

サラ、、、シュッ、、、という、布が肌を滑る猥雑な音が車内に響く。

首輪だけを残し、教師の重厚な裸体が車中の闇に浮かび上がった。

浜田は車のドアを荒く開けると、鎖の端を握りしめて駐車場に降り立つ。

「行くぞ、来い」

グイと鎖を引くと、全裸のまま、屈強な肉塊が這い出すように後に従った。

浜田はカツカツと駐車場のアスファルトを鳴らし、神社の境内への階段を上る。

背後では、素っ裸の筋骨隆々の巨漢が、首を鎖に繋がれ、ハァハァと野太い息を漏らしながら、着いてくる。

その股間のイチモツはすでにギンギンに反り立っている。

神社の裏手に回った瞬間、浜田は冷たく言い放った。

「這えよ、犬らしくな」

教師は、口答えせず、湿り気を帯びた土の上に、無様に四つん這いになった。

木立の陰に潜んでいた男たちの獲物を射抜くような、、、刺すような、、、視線が一斉に二人へ注がれる。

無理もない。

端正な男らしい顔立ちの若者が、自分よりも明らかに年長の男、しかも、脂の乗った全裸姿の筋肉に覆われた巨漢を、鎖一本で散歩させるように引き連れて現れたのだ。

浜田はその視線を全身に浴びながら木立の中へと踏み入る。

極上の見世物を披露する絶対王者の風格を漂わせて、、、

適当な大樹を見つけると、鎖の端を太い枝にギリギリと括り付けた。

繋がれたまま四つん這いで喘ぐ教師を残し、浜田は数歩下がり、別の木の幹に背を預けて腕を組んだ。

取り巻いていた男たちが、じりじりと距離を詰めてくる。

暗闇の中から、一人の男が歩み寄り、木に繋がれた教師の、はち切れんばかりの尻を執拗に撫で回した。

「あぁぁッ、んんっ!」

その男らしく逞しい見た目とは裏腹な、高すぎる嬌声が森の静寂を切り裂く。

浜田は助ける素振りも見せず、ただ冷徹に、自らのペットが他人に陵辱されるかわいがられるのを鑑賞する。

尻を弄っていた手が、背後から教師の硬く猛った竿を掴み取る。

一人、、、

また一人、、、

闇から這い出してきた男たちの手が、教師の鍛え抜かれた身体に群がり、肉を食らう蟻のように這い回る。

ふと、浜田は強い視線を感じて顔を上げた。

そこに立っていたのは、上背のある、スーツ姿の男だった。

広い肩幅、鍛えられた胸板。

爽やかな風貌。

だが、眼の奥には粘つく欲情の炎が燃えている。

二人の視線が、火花を散らすようにぶつかり合う。

男は目を逸らさず、ゆっくりと浜田に近づくと、その逞しい腕で浜田の腕をそっと、だが力強く撫で上げた。

浜田は拒まない。

男はさらに踏み込み、浜田の顔を覗き込むようにして唇を近づけてきた。

浜田は微かに眉を顰め、無言のまま、キスを求めてきた男の整えられた髪を掴み、グイッと下へと押し下げた。

ッ、、、

男は抵抗せず、陶酔したように膝を突き、地べたに跪き、浜田のズボンのジッパーに指をかけた。

見上げてくる、飢えた男の目。

浜田は顎を微かにしゃくり、やれ、、、という無言の命令を出す。

男は慣れた手つきで浜田のチャックを下げ、中身を導き出すと、最上の獲物を味わうように口に含んだ。

卓越した舌使いが、浜田の脊髄をゾクゾクと震わせる。

浜田はポーカーフェイスを貫きながらも、肉体の悦びと、大人の男たちを手の平で転がしているという支配感に震えていた。

目の前では、首を繋がれた体育教師が、群がる男たちに身体を弄られ、突き出された幾本もの見知らぬ男たちの獣を、必死に、卑屈にしゃぶり尽くしている。

そして足元では、エリート然としたリーマンが、自分に傅いて奉仕している。

大人の男を“狩る”のは、こういう気分か、、、

浜田は肉体の快楽よりも、精神的な絶頂を知る。

それが、体育教師が浜田に教えた、最後の、そして最高の授業だった。

浜田はリーマンの口の中に己を迸らせると、満足感と共になおも縋り付こうとするリーマンを冷たく振り払った。

背後では、いまだ男たちに囲まれ、情けない嬌声を上げ続けている教師がいる。

浜田は、鎖を解くことすらなく、そのまま神社を後にした。

もはや、あの教師は用済みだった。

もはや、利用価値は無い。

完全に、興味を無くしていた。

「待ってぇぇ、、、置いて、いかないでぇぇ~~ッ!おねがい~~~ィィィっ!」

背後から、体育教師の惨めな絶叫が聞こえるが、浜田は一度も振り返らなかった。

夜風に当たりながら、山道を徒歩で下る。

高揚感の余韻に浸っていると、前方から白いジョギングウェアに身を包んだ若い男が、坂を駆け上がってきた。

額に汗を浮かべ、規則正しい、ストイックな呼吸を保っている。

鍛えられた四肢が、無駄のない動きでアスファルトを蹴る。

ん?あれは、たしか、、、体育教師の来生か?

浜田の目が止まる。

確かに、直接、授業を受け持たれたことはないが、その顔に見覚えがある。

だが、トレーニングに没頭する来生純一は、暗闇の中に佇む生徒には気付いていない。

真摯にランニングに取り組んでいる。

そのフォーム、息遣い、、、

この教師、なかなかのもんじゃないか、、、

浜田は、来生のトレーニングに取り組むストイックさを一瞬で見抜く。

真面目な横顔、清潔な汗。

浜田は道の反対側に移り、上がってくる教師を横目で見る。

純一は、正面を向いたままだ。

ほんの数センチの距離で、二人はすれ違った。

この二人が、再び至近距離で対峙することになるのは、一年半後のことである。

まさか、あいつも“お仲間”なのか?

この白いウェアを纏った欲望や煩悩と無縁そうな教師が、そのオーラとは真逆なドロリとした淫靡な空気が漂う神社裏に向かうのではないかと浜田は気になる。

立ち止まり、坂道を遠ざかっていく抜群のスタイルの教師を、しばらく目で追う。

浜田が他人に興味を持つのは珍しいことだった。

だがその白い後ろ姿は、ペースを崩すことなく、神社を通り過ぎる。

浜田は、なぜか安堵し、坂道を降り始める。

純一は、自分が通り過ぎた神社の裏で、同僚が無様に陵辱されていることなど露ほども知らず、ランニングコースを走る。

その後の出来事、、、

その夜、神社裏のハッテン場に、かつてその横暴な体育教師から理不尽な扱いを受け、それを恨みに思っている学園のOBが居合わせたこと、、、

そのOBが、教師の鎖で木に繋がれたみっともない姿、、、そして、複数の男達に身体を弄ばれる痴態をスマホで撮影したこと。

それがSNSにアップされると同時に、学園のホームページにも送られ、夏休みの間に教師が学園を追われたこと。

そして、その後、その神社を始めとして近場のハッテン場に、自ら首輪と鎖を付けたガタイのいい肉便器が現れると評判になったこと、、、

そんな瑣末なことは、浜田の関心の外だった。

彼の興味はすでに、次なる、より手強い“大人の獲物”を堕とすことへと向いていた。
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