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四月:ソファ
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サウナ室で衝動的に互いの愛を確かめ合った純一と和彦は、まるで他愛の無いイタズラを見つからないようにしている少年達のように、サウナ室の外を伺い、互いの股間の猛りを抑えながら、二人きりの脱衣場へと向かった。
流石に二人とも、この場でさらに愛を交わすということは出来ない。
互いに、急いで服を纏い、二人ともスラックスのズボンのチャックをあげるのに苦労していることを確認し、吹き出し、足早にジムを飛び出した。
純一の住む部屋までは徒歩で行ける。
純一は、敢えて人通りの多い近道の大通りを避け、暗い裏道を進む。
和彦が、純一の掌に触れる。
「おいおい、この辺りに住んでいる生徒もいるぞ、、、」
純一が言う。
ハッとして手を引っ込みかけた和彦の手を純一が握る。
「少しの間だけだぞ、、、」
そう囁く。
和彦は幸せそうに顔を輝かせる。
二人はゆっくりと肩をくっつてけ歩く。
純一の部屋は、単身者用のマンション。
防犯面でも行き届いており、エレベータ内の画像が扉の上のモニターに映っている。
それを指差し、気を付けろよ、、、と純一はニヤリと笑いながら言う。
二人きりの空間になったら、すぐに純一と愛を交わしたいと考えていた和彦の頬が赤くなる。
“気を付けろよ”と言われなかったら、エレベーターの扉が閉まった瞬間に、純一に抱きつくところだった。
和彦の胸に生まれたトキメキは、もう心臓を締め付けるほど大きくなり、頭がクラクラとしてくる。
純一の部屋を訪ねるのは初めてだ。
そのプライベートな空間に足を踏み入れることだけでも、和彦にとっては望外の喜びなのだ。
そして、そこでこれから僕と純一先輩は、、、
想像したくても想像できない、、、
二人きりになってからの時間への期待に和彦は押し潰されそうだ。
ドアを開けると、和彦の想像していた「独身男性の部屋」とは少し違う、シンプルだが清潔で、どこか無骨な“先輩の聖域”が広がっていた。
白を基調にした内装。
壁には、シンプルな木製のフックが取り付けられ、普段使いの着崩れたジャージと清潔なスポーツタオルが掛けられている。
正面にはダークブラウンの革製ソファが置かれている。
少し凹んでいるところは普段、先輩が座っているところだろうか。
対面に置かれた木製のローテーブルの上には、スポーツ雑誌と専門書が数冊、きっちりと積まれている。
余計な装飾は一切なく、唯一飾られているのは、引退試合の時にチームメイトたちが感謝の言葉とサインを入れたサッカーユニフォームだけだ。
そして、リビングスペースの奥、窓際に寄せて置かれているのは、シングルベッドよりも一回り大きいセミダブルベッド。
濃いグレーのシンプルな無地の掛け布団とクリーム色の枕、、、
あそこで先輩が寝ている、、、
そして、ここが来生先輩のプライベートな空間で、僕は、今、そこで息をしている。
空気さえも特別に思えた。
しばらく二人は無言で立つ。
年長の純一は、初めての状況に、何をどうしたものか戸惑っている。
ストイックでな彼は、自分の性壁が知られてはいけないと、己を律していた。
だから、キスもサウナでのものがファーストキスだった。
急に和彦を抱きしめていいものかどうか、頭の中でフル回転している。
和彦も同様だ。
まだ、未経験であり、キスも先程が初めてだ。
純一が抱きしめてくれるのを待っている。
自分からは、緊張して抱きつくことができない。
二人の鼓動だけが部屋で聞こえる。
そして、、、
「何か飲むか? トレーニングで喉が乾いただろう。座ってろ、和彦」
上ずる声で純一が言う。
そして、スーツのジャケットを脱ぎ、冷蔵庫へと向かう。
純一の鍛え抜かれた逞しい背中が、目の前で遠ざかる。
と言っても、ワンルームの部屋なので、そんなに距離はないが、先輩の温もりが離れていくのが和彦には寂しかった。
だが、ホッと心の余裕ができたのも事実だ。
和彦は、純一が普段座っているであろう、ダークブラウンの革製ソファに静かに腰を下ろした。
このソファが、純一先輩の定位置、、、
そして、あれが、いつも先輩が眠るベッド、、、
純一は、スポーツドリンクのペットボトルを二本持って戻ってくる。
内心で、もっと気の利いたことを言えないのか、俺、、、、年上なんだから、リードしなきゃ、、、と自分を叱咤している。
和彦の隣、身体が密着するほどの距離に腰を下ろす。
「ほら」
差し出されたペットボトルを受け取り、喉がカラカラだった和彦は一気に口に含む。
純一も黙って自分のペットボトルを傾けている。
和彦は抑えようとしても息が荒くなる自分に困惑する。
荒い鼻息が、さっきからフンフンと音を立て、自分でも恥ずかしい。
先輩に変に思われたくない、、、
けれど、隣に純一の力強く熱い身体が密着している。
その温もりに、和彦の胸は再び激しくドキドキし始め、息を抑えることができない。
恥ずかしい、、、
和彦が下を向いた一拍の後、、、
純一はペットボトルをローテーブルに置き、その黒い瞳を真っ直ぐに和彦に向けた。
「和彦、好きだ」
その簡潔で、しかし純粋な告白に、和彦は全身の血が熱くなるのを感じた。
次の瞬間、純一の大きく逞しい上半身が、和彦の身体に覆いかぶさるようにのしかかってきた。
和彦の背中がソファの背もたれに押し付けられる。
「っ! 純一先輩っ!」
和彦は、純一の男らしい胸板の重みと、太い腕の力に、先輩の強烈な愛を感じ、燃え上がる。
「嬉しいっ!」
思わず叫ぶ
和彦は抵抗することなく、両腕を純一の首に回し、その愛を全力で受け入れた。
二人の初めての、そして、初々しくぎこちないが真摯な情熱に満ちた夜は、ソファから始まった。
流石に二人とも、この場でさらに愛を交わすということは出来ない。
互いに、急いで服を纏い、二人ともスラックスのズボンのチャックをあげるのに苦労していることを確認し、吹き出し、足早にジムを飛び出した。
純一の住む部屋までは徒歩で行ける。
純一は、敢えて人通りの多い近道の大通りを避け、暗い裏道を進む。
和彦が、純一の掌に触れる。
「おいおい、この辺りに住んでいる生徒もいるぞ、、、」
純一が言う。
ハッとして手を引っ込みかけた和彦の手を純一が握る。
「少しの間だけだぞ、、、」
そう囁く。
和彦は幸せそうに顔を輝かせる。
二人はゆっくりと肩をくっつてけ歩く。
純一の部屋は、単身者用のマンション。
防犯面でも行き届いており、エレベータ内の画像が扉の上のモニターに映っている。
それを指差し、気を付けろよ、、、と純一はニヤリと笑いながら言う。
二人きりの空間になったら、すぐに純一と愛を交わしたいと考えていた和彦の頬が赤くなる。
“気を付けろよ”と言われなかったら、エレベーターの扉が閉まった瞬間に、純一に抱きつくところだった。
和彦の胸に生まれたトキメキは、もう心臓を締め付けるほど大きくなり、頭がクラクラとしてくる。
純一の部屋を訪ねるのは初めてだ。
そのプライベートな空間に足を踏み入れることだけでも、和彦にとっては望外の喜びなのだ。
そして、そこでこれから僕と純一先輩は、、、
想像したくても想像できない、、、
二人きりになってからの時間への期待に和彦は押し潰されそうだ。
ドアを開けると、和彦の想像していた「独身男性の部屋」とは少し違う、シンプルだが清潔で、どこか無骨な“先輩の聖域”が広がっていた。
白を基調にした内装。
壁には、シンプルな木製のフックが取り付けられ、普段使いの着崩れたジャージと清潔なスポーツタオルが掛けられている。
正面にはダークブラウンの革製ソファが置かれている。
少し凹んでいるところは普段、先輩が座っているところだろうか。
対面に置かれた木製のローテーブルの上には、スポーツ雑誌と専門書が数冊、きっちりと積まれている。
余計な装飾は一切なく、唯一飾られているのは、引退試合の時にチームメイトたちが感謝の言葉とサインを入れたサッカーユニフォームだけだ。
そして、リビングスペースの奥、窓際に寄せて置かれているのは、シングルベッドよりも一回り大きいセミダブルベッド。
濃いグレーのシンプルな無地の掛け布団とクリーム色の枕、、、
あそこで先輩が寝ている、、、
そして、ここが来生先輩のプライベートな空間で、僕は、今、そこで息をしている。
空気さえも特別に思えた。
しばらく二人は無言で立つ。
年長の純一は、初めての状況に、何をどうしたものか戸惑っている。
ストイックでな彼は、自分の性壁が知られてはいけないと、己を律していた。
だから、キスもサウナでのものがファーストキスだった。
急に和彦を抱きしめていいものかどうか、頭の中でフル回転している。
和彦も同様だ。
まだ、未経験であり、キスも先程が初めてだ。
純一が抱きしめてくれるのを待っている。
自分からは、緊張して抱きつくことができない。
二人の鼓動だけが部屋で聞こえる。
そして、、、
「何か飲むか? トレーニングで喉が乾いただろう。座ってろ、和彦」
上ずる声で純一が言う。
そして、スーツのジャケットを脱ぎ、冷蔵庫へと向かう。
純一の鍛え抜かれた逞しい背中が、目の前で遠ざかる。
と言っても、ワンルームの部屋なので、そんなに距離はないが、先輩の温もりが離れていくのが和彦には寂しかった。
だが、ホッと心の余裕ができたのも事実だ。
和彦は、純一が普段座っているであろう、ダークブラウンの革製ソファに静かに腰を下ろした。
このソファが、純一先輩の定位置、、、
そして、あれが、いつも先輩が眠るベッド、、、
純一は、スポーツドリンクのペットボトルを二本持って戻ってくる。
内心で、もっと気の利いたことを言えないのか、俺、、、、年上なんだから、リードしなきゃ、、、と自分を叱咤している。
和彦の隣、身体が密着するほどの距離に腰を下ろす。
「ほら」
差し出されたペットボトルを受け取り、喉がカラカラだった和彦は一気に口に含む。
純一も黙って自分のペットボトルを傾けている。
和彦は抑えようとしても息が荒くなる自分に困惑する。
荒い鼻息が、さっきからフンフンと音を立て、自分でも恥ずかしい。
先輩に変に思われたくない、、、
けれど、隣に純一の力強く熱い身体が密着している。
その温もりに、和彦の胸は再び激しくドキドキし始め、息を抑えることができない。
恥ずかしい、、、
和彦が下を向いた一拍の後、、、
純一はペットボトルをローテーブルに置き、その黒い瞳を真っ直ぐに和彦に向けた。
「和彦、好きだ」
その簡潔で、しかし純粋な告白に、和彦は全身の血が熱くなるのを感じた。
次の瞬間、純一の大きく逞しい上半身が、和彦の身体に覆いかぶさるようにのしかかってきた。
和彦の背中がソファの背もたれに押し付けられる。
「っ! 純一先輩っ!」
和彦は、純一の男らしい胸板の重みと、太い腕の力に、先輩の強烈な愛を感じ、燃え上がる。
「嬉しいっ!」
思わず叫ぶ
和彦は抵抗することなく、両腕を純一の首に回し、その愛を全力で受け入れた。
二人の初めての、そして、初々しくぎこちないが真摯な情熱に満ちた夜は、ソファから始まった。
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