幸せのテーブル〜限界集落でクールな社長に溺愛されて楽しく暮しています〜

ろあ

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恋人?

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 一週間後。助けてもらったお礼をするために聖さんの家に訪ねた。

 再会して喜んでくれた。でも、話していくうちに困ったような表情を見せる。


「悩んでいることでもあるんですか?」

「実は、事務作業と畑を手伝ってくれるおばちゃんが老人ホームに行くことになってな。
 人手が足りないから、もうひとつの畑を放すしかないか悩んでいたところだった」


「それなら、私を雇ってくれませんか!?」

「なっ……!? 大変だぞ?」


「もちろん、噂で大変だと聞いたことがあります。
 でも、自然に囲まれた場所で暮らすのもいいなって思いまして」

「どう考えても都会の方が便利で暮らしやすいだろ」


「便利ですけど……。戻りたくなくて……。
 それに今の私は職がないので、すぐに働くことができます。
 パソコンも使えるので事務作業も任せてください」

 農業の知識はまったくないけどやる気と興味がある。

 何より、命を助けてもらったから、今度は私が力になりたかった。


「…………」

 聖さんは腕を組んでから目を閉じた。

 少しだけ沈黙が流れたあと、私をじっと見つめて口を開く。


「分かった。これからよろしく頼む」

「ありがとうございます! 
 迷惑を掛けないように、住む家が見つかるまでテントを張って生活しますから」


「うちに空いている部屋がいっぱいあるから使っていいぞ」

「助かります。聖さんの住んでる家って大きいですよね」

「昔は大家族だったみたいだからな」



 就職先と住む家が決まってから、私はすぐに引っ越した。

 遠く離れた場所で住み込みで働くことを両親は反対していたけれど、限界集落で楽しく暮らしてみせる。

 いつか、納得してもらえるように……。


 聖さんと同じご飯一緒に食べて、共に仕事をする。

 毎日楽しく話をしているうちに仲が深まっていった。


 秋の終わりが近づいてきた頃に更に距離が縮まる。

「蒔菜、ちょっといいか」

「なんでしょう?」


「……付き合って欲しい」

「はい! もちろんです」

 ふたりで笑顔で向き合ったあと、畑に行って野菜を収穫していたけど……。

「収穫作業に行くから付き合って欲しい」という意味だったんだろうか。

 仲はいいけど、夜に手を出してこないから、本当に恋人になったのか疑ってしまう。



 そして、大事なことを確認できないまま次の年の春がやってきて、今に至るわけだ。


「タラの芽の天ぷら好きなんですよね」

「俺が揚げる。蒔菜がやけどをしたら大変だからな」

「そこまでドジじゃないですけど……。お願いします」

 笑い合っていると、庭に黒色の高級車が入ってきた。

 いつもうちに来る人は、軽トラックか軽自動車に乗っている。


 家を間違えたのだろうか。

 疑問に思いながら見ていると、高級車から華やかな服を着た若い女性が降りた。

 艶のある美しい金髪、小顔でつり目、赤い口紅をしている。


「聖くん、久しぶりね」
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