『星屑の狭間で』

トーマス・ライカー

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…『集結』…

帰路 2

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そう言い終えて私達に向けて一礼すると、常務は足早に歩き出す・・。

チーフ・カンデルは別れ際に左手でサムズアップをキメて観せる・・。

エスター・アーヴ総務部長は歩み寄って来て、最後に握手を交わす・・。

「・・ご苦労様でした・・ありがとうございました・・何かあったら、何時でも相談してね・・」

と、そう言ってくれる・・。

グレイス・カーライル艦長とも最後に握手を交わす・・。

「・・アドル艦長・・今日は本当にありがとう・・またお話させて下さいね・・相談したい事もこれから出て来ると思いますから・・宜しくお願いします・・」

「・・こちらこそ、宜しくお願いします・・グレイス艦長・・両艦だけで通用する暗号も決めなければなりませんから、頻繁に連絡すると思います・・何か訊きたい事が出てきた場合にも、何時でも連絡して下さい・・」

カーネル・ワイズ・フリードマン副長はシエナ・ミュラー副長と・・フローレンス・スタンハーゲン参謀はハル・ハートリー参謀と・・ベアトリス・アードランドウンセラーはハンナ・ウェアーカウンセラーと、それぞれ握手を交わして二言三言言葉を交わし、私にも会釈してから別れを告げた・・。

来賓のお客さん方は既にエスコートされて引き揚げたし、同僚達も自分の職場に戻って行く・・彼等には午後も仕事がある・・少し引け目を感じないでもないが、まあ仕方ない・・今日のご褒美として受け取ろう・・報道陣も片付けて引き揚げつつある・・モリー・イーノス女史を眼で探したがもういない・・早々に帰ったか・・リサさんと顔を見合わせて笑う・・期せずして時間が出来た・・さて、どうするかな・・?・・。

「・・ねえ?・せっかくだし、ここでお茶を頂いてから帰らない・・?・・どうせこのメンバー全員で入れるお店は無いし、入れたとしても滅茶苦茶騒がれるから・・?・・」

と、エマ・ラトナーが提案する・・うん・・好い考えだ・・。

「・・よし、時間のある人全員でここのスタッフを手伝って元通りの状態に戻したら、お茶を頂こう・・リサさん、ラウンジマネージャーにそう伝えて下さい・・」

「・・分かりました・・」そう言って携帯端末を取り出すと通話を繋ぐ・・。

ラウンジスタッフに協力して一緒に進めた復元作業は、最後の清掃も含めて一時間と少しで終わった・・やはり人数が多いと違う・・一番大きい丸テーブル二つに椅子を追加して全員で座る・・直ぐに来たウェイターにそれぞれ好みのお茶を告げる・・。

持って来たマンデリンを一口飲んで置き、ふぅっと息を吐く・・。

「・・うん・・やっぱり一仕事終えた気分だね・・今更オフィスには入れないや・・スコット達には悪いけど・・」

そう言いながらリサさんを見遣ると、彼女もローズ・ロシアンティーを一口飲んで笑顔で頷く・・。

(・・一本喫いたい気分だけど、ここではダメだな・・)

「・・アドルさんって、ギターも歌もすごくお上手なんですね・・1曲目も好かったですけど2曲目もすごく感動しました・・作曲もされるんですね・・本当に素敵です・・」

機関部に配属予定のキム・キャトラルが目を輝かせる・・。

「・・それだけじゃないのよ・・お料理をされても、スイーツを作られてもプロも顔負けの出来映えで、しかもとっても美味しいの・!・・」

副補給支援部長に就任する予定のナレン・シャンカーがそう言うと、驚きの環が拡がる・・。

「・・ああ・・社宅で男1人所帯の賄い料理でも好ければ、事前に連絡を貰えるなら準備するから何時でも来て好いよ・・」

若干自虐気味に言ったのだが、これも化学反応を起こしたようで・・私を観る視線の圧力がほぼ倍増する・・自分でも大概喋りが上手くないと思うが・・喫っていないと言う事も15%くらいは影響しているだろう・・。

「・・このように外で、全クルーが集まる機会と言うのもこれからはあまり無いので・・先ず情報を共有しよう・・私の事なんだけれども、今日は自宅に帰ります・・そしておそらくは日曜日の午後か夜に社宅に戻るだろうと思います・・何かあれば携帯端末に連絡を下さい・・・リサさんとハルさんで・・暗号作成構築ツールソフトを吟味して貰えますか・・?・・一つだけではなくて、複数のツールソフトで複合・複層した解析されにくい暗号が構築できるようにお願いします・・来週一杯でそのシステムの設定を終えて、グレイス艦長と共有して下さい・・」

「・・分かりました・・」「・・了解しました・・」

「・・それと・・今日の壮行会で感じた事・・感想・・気付いた事で、共有して置いた方が良いと思う情報はありますか・・?・・」

「・・エリック・カンデルさんて、今日までは掴み処が無くて警戒すべき人だと思っていたんですけれども・・壮行会の間にシエナと一緒に話す機会があって・・話を聞いてみると、結構好い人なんですね・・」

「・・うん・・どんな話をしたのかは訊かないけど、チーフは好い人だよ・・まあ、ぶっきら棒でつっけんどんな処があって、一部には好かれない側面もあるんだけど・・まあ真面目だし熱意があって切れるし、先も読めるし面倒見も好い・・男女を問わず本社の中でもチーフのファンは多いよ・・ただ、やる気の無い姿勢・態度・言動への対応は部長職の中では一番厳しいね・・そこが信頼されて好かれる側面の一つでもある・・そうでければ営業本部の中で部長を務めるのは難しいだろうね・・奥さんを亡くしてからは若干厳しさが増したかな・・?・・」

「・・奥様・・亡くなられたのですか・・?・・」と、ハル・ハートリー・・。

「・・うん・・急な心臓発作で3年前にね・・子供もまだ授かっていなかったから、まだ引き摺っているかな・?・」

ハンナ・ウェアーとシエナ・ミュラーが顔を見合わせる・・。

「・・でもハーマン・パーカー常務と一緒で、あまり無警戒で気を許していると意表を突いて何を言い出して来るか分からない処もある・・『ロイヤル・ロード・クライトン』の話を初めて聞かされた時、ふたりとも一緒にいたんだけど・・あの時はさすがに不信感が募ったね・・今では了解しているけどさ・・」

「・・『ロイヤル・ロード・クライトン』は、本当にベタベタくっ付いて来ないでしょうか・・?・・」

と、エマ・ラトナーがメロンソーダを飲んで訊く・・。

「・・うん・・グレイス・カーライル副社長を観る限り、その心配はあまりしなくても良いだろうとは思うけどね・・妙に付いて来るようなら、警告を与えれば良いでしょう・・」

「・・最後のインタビューで話した事・・本当に発表するんですか・・?・・」と、リーア・ミスタンテ・・。

「・・するよ・・しないと始まらない・・20隻全艦でファーストシーズンを生き延びるにはこれしかない・・これがベストなんだ・・」

「・・どうして20隻全艦でファーストシーズンを生き延びようと考えているんですか・・?・・」

と、そう訊いてエドナ・ラティスはシナモン・ティーを飲み干した・・。

「・・全艦で生き延びればセカンドシーズンの制作は当然、サードシーズンの制作も決まるでしょう・・このリアリティショウが長く続けば続く程に、私達にとっては好都合になるでしょう・・?・・」

そう言ってマンデリンを飲み干してカップを置く・・ぐるっと見渡せば1人1人と眼は合うが発言は無い・・。

「・・よし・・じゃあ帰ろう・・何か思い出したら副長経由で連絡網に乗せて下さい・・お疲れ様でした!・・」

そう言って立ち上がると、皆も立ち上がった・・。

オフィスフロアで皆に挨拶し、バッグを携えてリサさんと一緒に一階に降りる・・一本喫ってから帰るからとリサさんに言うと、彼女も一緒にカフェラウンジに入る・・午後の業務が始まっているのでほぼ人はいない・・水だけ飲むつもりでいたが、サービスでコーヒーを持って来てくれる・・。

「・・ギターも歌もお上手ですね・・感動しました・・応援しています・・」

「・・ありがとう・・」

コーヒーを持って来てくれたウェイトレスが笑顔で言ってくれるので、私も笑顔で応じる・・。

一本を咥えて点け、少し深めに喫う・・久し振りの一服はやはり効く・・。

ここでシエナ・ミュラーさんとハンナ・ウェアーさんとエマ・ラトナーさんがラウンジに入って来て同じテーブルに座る・・おっ?、っとして顔を観るが笑顔なので機嫌は良さそうだ・・。

「・・どうしたの・?・帰らないの・?・ここのラウンジが気に入ったかな・・?・・」

そう言ってもう一服喫う・・。

「・・それもありますけど、アドルさんとリサさんを2人にして置くとキスしちゃいそうだから、邪魔しに来たんです(笑笑)・・」と、ハンナさんが悪戯っぽく笑いながら言う・・彼女のそう言う開けっ広げで率直な明るさは好い・・。

「・・失礼して、一服やっているよ・・?・・」

「・・どうぞ、大丈夫です・・」と、エマ・ラトナー・・。

「・・何にしても早く帰れるのは良いよね・?・皆、お昼はちゃんと食べたの・・?・・」

そう言ってまた薫らせる・・。

「・・食べましたよ・・お気遣い、ありがとうございます・・」と、シエナ・ミュラー・・。

ウェイトレスがお冷を持って来たが、3人ともそれだけで良いからと伝えた・・。

「・・リサさん・・やっぱり事前に君に伝えておいて・・喋って貰うべきだったね・・困らせてしまってごめん・・」

そう言ってもう一服喫う・・。

「・・いいえ・・ちょっと驚きましたけど、それ程ストレスにはなりませんでしたし・・嫌な思いもしませんでした・・大丈夫です・・」

「・・僕が社長と話していた時・・緊張した・・?・・」そう言ってまたもう一服喫う・・。

「・・ええ・・少し緊張しました・・何を言い出すか、予測が付かなかったので・・」

「・・それで・?・シエナさん・・エリック・カンデルチーフの事が気になるのかな・・?・・」

彼女の顔に驚きの表情が拡がったが、抑え込むように首を振る・・。

「・・いいえ、そんなことは・・」

「・・カンデルさんは私達に、アドルさんを怖がらないでやって欲しいと言いました・・でも大丈夫です・・私達は皆、アドルさんより怖い人をもう知っています・・」と、ハンナ・ウェアー・・。

「・・ウチの奥さん・・?・・」と、そう訊いて最後の一服を喫い、揉み消す・・。

「・・ええ・・アドルさんの怖い面を私達はこれから観る事があるのかも知れませんが、見せられたとしても私達は大丈夫です・・信じて付いて行きますよ・・」

「・・それは本当にどうも有難う・・」

そう言ってコーヒーを半分まで飲み、次の一本を取り出して咥えようとしたがその時、私の携帯端末に通話が繋がる・・応答すると、マルセル・ラッチェンス・マスター・プロデューサーだ・・スピーカーに切り換えて皆にも聞いて貰う・・。

お互いに型通りの挨拶を交わした後で彼は、アイソレーション・タンク・ベッドのメーカーが選定され、契約交渉も順調に進んでつい先程に、正式に契約が締結された事を私に伝えた・・。

私は祝辞を述べて何処のメーカーと契約を締結したのかと訊くと、彼は契約内容の詳細をテキストデータで私の携帯端末に送信した・・。

更に祝意を述べて謝意を伝え、ではこちらでも早急にそのメーカーと接触して交渉に入りますと伝えると、アドルさんの発案のおかげで大きい契約を締結出来ましたし、大きい事業利益が見込めるようにもなりましたと言われ、重ねて謝意を述べられたのだが、私は只、番組を盛り上げて長く続いて欲しいと思っているだけですからと応え、一緒に盛り上げていきましょうと締め括って通話を終えた・・。

4人とも驚きのような尊敬のような表情を浮かべている・・受信したテキストデータをモニターに出して、そのまま携帯端末をリサさんに手渡す・・。

「・・アイソレーション・タンク・ベッドの市場シェア率では4位のメーカーだね・・これでこっちもプロジェクトを始動できる・・新しい交渉の仕事が始まって、来週からまた忙しくなるだろうけど・・宜しく頼むね、リサさん・・?・・」

「・・分かりました・・大丈夫です・・やり甲斐がありますね・・一緒に頑張りましょう・・」

そう言ってリサさんは携帯端末を私に返す・・私はテキストデータに、たった今通話で報告を受けて受け取ったものです・・こちらとしてもこれでプロジェクトを始動できます・・との一文を添えて、チーフと常務に宛てて同時に送信した・・。

「・・ここまで辿り着けたのは良かったよ・・これで20隻全艦の全個室にアイソレーション・タンク・ベッドを配備できる・・そうなれば睡眠時間を3時間に抑えて、その分活動時間を増やせるからそれだけでも他の参加艦に対して一歩を先んじる事が出来るようになる・・」

「・・アドルさんは本当にすごいですね・・言葉が見付からなくてすみませんが・・」と、エマ・ラトナー・・。

「・・何か・・明日にでも課長さんに昇格しそうです・・」と、ハンナ・ウェアー・・。

「・・私達の中で、日1日ごとに存在が大きくなっていきます・・」と、シエナ・ミュラー・・。

私は取り出していた2本目をボックスに戻してライターと一緒に仕舞い込むと、残りのコーヒーを飲み干した・・。

「・・よし、じゃあ帰ろう・・4人とも近くのステーション迄で良いね・・?・・」

そう訊いて立ち上がると、4人とも笑顔で頷いて立ち上がった・・。

ラウンジを出て駐車スペースに入り、私のエレカーの前まで来ると・・手紙が6通・・チョコレートらしき小箱が4個、ワイパーに挟まっている・・。

「・・ちょっと待ってて・・取り敢えずこれを全部袋に入れて、ラウンジ厨房の冷蔵庫で保管して貰えるように頼んで来るから・・」

そうリサさんに言ってバッグを預けようとしたが、リサさんは受け取らずにそれらを全部取り上げた・・。

「・・私が頼んで預かって貰って来ます・・待っていて下さい・・」

それだけ言うと踵を反して足早に歩き去る・・私も含めて4人でその後姿を見送る・・。

「・・彼女、結構キてるね・・」と、ハンナ・ウェアー・・。

「・・うん・・かなり怒ってる・・」と、エマ・ラトナー・・。

5分程度で戻って来た・・心なしかスッキリしたように観える表情だ・・。

「・・お待たせしました・・じゃあ行きましょう・・」

そう言ってすぐ助手席に乗り込む・・口許を綻ばせて私は後部座席のドアを開けてから運転席に乗り込み、3人が乗り込んでドアが閉じられシートベルトの着用を確認してからエレカーをスタートさせた・・。

第二部  ・・・『集結』・・・完・・・

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