『星屑の狭間で』(トライアル・ミッション編)

トーマス・ライカー

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ファースト・トライアルミッション

『サード・ゲーム』開始(3月14日・土曜日)

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…3月14日(土)…09:30…

 副長席のシエナ・ミュラーが私の顔と自分のPADを交互に観ながら報告する。

「……艦長、出航完了しました……エンジン停止して取舵2°……微速0.6で前進中……第5戦闘距離の範囲内にパワーサインはありません……エネルギー反応もありません……ゲームフィールド・データをアップデート……セカンド・ゲームでのフィールドに比較しての表現ですが……ちょうど3倍です……」

「…そうか……多分来週のフォース・ゲームで、チャレンジ・ミッションが発表されると思うから……今回は通常のバトルゲームだと思うんだけどね……まあ良いか……エンジン始動だ……コースこのままでファースト・スピードに着けてくれ……センサーは第5戦闘距離の30倍までの範囲内を監視……」

「……了解! 」

 ここでカリーナ・ソリンスキーが反応したのだが…ちょっといぶかしげに報告を始めた。

「……アドル艦長……たった今…『運営推進本部』からの通達を、受信して記録したのですが……新しいメッセージ・カテゴリー・サインです……」

「……全参加艦に向けての通達か? 」

「…はい…そうです……『トライアル・ミッションに関しての通達』…と、されています……」

「……新しいタイプの……ミッション・アップワード・システム…と言う事だな? 」

「…はい…そのようです……」

「…分かった……読んでくれ……」

「……読みます……このミッションへの参加申請を『運営推進本部』に返信した艦は30秒以内に、攻撃力・防御力・機動力・経験値が同程度と判定される、もう1隻と共に併せて2隻がランダムで選抜され、とある複数の条件で設定・構築された『トライアル・ミッション・ゲームフィールド』へと転送されて、それと同時にバトル・ゲームがスタートとなります……」

「……『トライアル・ミッション』のゲームフィールドは……約6万種類が用意されています……」

「……それぞれに於いて…フィールドの設定・構築条件は異なり、重複するものも同じものもありません……」

「……転送された2隻は、その中で艦対艦戦闘を行います……」

「……一方が撃沈されるか降伏した場合で、勝敗の判定が為され……ファースト・ステージが終了します……」

「……休み時間の間に、経験値の付与と一定度の修理を行い……休み時間の終了5分前に、また類似の2隻が選抜されて別の『トライアル・ミッション・ゲームフィールド』へと転送され……セカンド・ステージの開始となります……以上です……」

「……参加申請の締め切りまでは? 」

「…20分です…」

「……急かせるな……申請しないのなら…このままのゲーム・フィールドでやれ、と言う訳だ……降伏した場合にはどうなる? 」

「……艦籍は剥奪されませんし、賞金も没収はされませんが……これまでの経験値はリセットされます……」

「……ちょっと厳しい措置だが……意図的な降伏を防止する為だろう………類似するレベルの2隻がランダムに選抜されて放り込まれるって訳だ……条件は同じなんだから、頭を使えばやり様はある……勝てる算段も、敗けない算段もできるだろう……? カリーナ…シークレット・チャンネルは通じるか? 」

「……今ならまだ通じますが……トライアル・フィールドは、それぞれが全く違う空間として設定されますので……申請後に回線は繋がりません……」

「……会議室はどうだ? 申請後でも、タイムライン・フィードは共有できるか? 」

「……そちらは………できますね……」

「……分かった……シークレット・チャンネルを通じ『同盟』主宰として、加盟各艦に通達……主宰としては参加を推奨するが、判断・決定は各艦司令部に一任する……参加して旗色が悪くなった場合には…徹底的に逃げ回り、隠れ続けてダメージの回復を図るように……あらゆる行動・操艦は貴重な経験となるのだから、恥じる事など何もない……艦とスタッフ・クルーを守るために尽力せよ……以上だ……」

「…了解…」

「……シエナ副長……『トライアル・ミッション』への参加申請を『運営推進本部』に送信……」

「……分かりました……」

 15秒後に『ディファイアント』は『トライアル・ミッション・フィールド』へと転送された。

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