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ファースト・トライアルミッション
ファースト・トライアルミッション・ファースト・ステージ・ゲームフィールド
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「……トライアル・ミッションフィールドに、転送されました……」
「…エンジン停止…アポジ・モーターで取舵2° …光学迷彩レベル5…アンチ・センサー・ジェル …も、レベル5で展開……センサーは第5戦闘距離の範囲内をパッシブ・スキャン……タイプB の機動中継発信ビーコン5基に、光学迷彩システムとアンチ・センサー・ジェルシステムを内蔵させて……それらが出来次第、ファイブ・ベクトルの方位に向けて放出し、同時に起動……総員第一警戒配置……ゲームフィールド・データをアップデート……保安部員は目視で周辺を警戒……」
「……すごい警戒レベルですね……」
あまり意識していないような様子で、そう言ったマレット・フェントンを横目で微笑みながら見遣り、カリーナ・ソリンスキーに言う。
「……全スタッフ・クルーに通達だ……ここに放り込まれたもう1隻は、本艦と同じレベルだ……最大限に警戒してくれ……」
「…了解…」
「……光学迷彩とアンチ・センサージェルも内蔵させた…中継発信デコイも5基用意して、出来次第放出してくれ……」
「…了解…」
「…範囲内に感知無し…」
「…ビーコン準備よし…5方位に放出します…」
「…デコイも準備よし…放出します…」
「……フィールド・アップデート完了……範囲はこの太陽系の1.6倍です……制限条項と言いますか、条件が設定されています……」
「…読んでくれ……」
「……ビーム砲とレーザー・ヴァルカンは使えません……既に『運営本部』からのアクセスでロックされています……ハイパー・ヴァリアントは使えますが……有効射程距離が1000mとされています……各種ミサイルは、そのまま使用できますが…破壊力が通常の100倍に設定されています……防御機能・防御力に条件はありません……機動性能・機動力にも条件はありません……有効視界範囲と言いますか……視程範囲についてですが……通常の65%程です……以上です……」
「……メインビューワで前方を映してくれ……」
直ぐに映し出されたが…遠方の対象物に於いては、解像度が低く抑えられているようだ。
「……15倍に拡大……」
拡大されて映し出された前方の風景も、同じように観えた。
「……エドナ……光学兵装の動作確認を頼む……」
「……既に確認しましたが…反応しません……」
「……ヴァリアントを使うのなら、旋回狙撃でないと無理だな……カリーナ…岩塊デプリの分布密度は同じくらいかな? 」
「……ほぼ同程度と思われます……」
「……潜水艦の戦術・戦法になる訳だな……ミサイルの破壊力を確認したい処だけど…居場所がバレるか……安全距離は、80m~100mってところかな……ビーコンとデコイは拡散移動しているのかな? 」
「……はい…アポジ・モーターで拡散移動中です……」
「……アリシア…通常の対艦ミサイル1基を放出して、アポジ・モーターで直線航行5分……停止して以降は慣性航行……」
「……了解…放出します……」
「……本艦も同時にアポジ・モーターで微速後退……」
「……了解…後退開始します……」
「……多分…向こうの艦長も、同じ事を考えているだろうな……カリーナ…何処かで爆発が起きたら、センサーがそれをどう捉えたか観てくれ……」
「…分かりました…」
「……居場所が判らないんじゃ、作戦の立てようもないからな……」
それから10分間が静かに流れた。
「……コンピューター…第5戦闘距離の範囲内を3D投影……」
【…コンプリート…】
キャプテン・シートに座ったまま、右手で投影された3D映像の複製を近くにまで呼び寄せ、指で幾つかのグリッドを拡大して観ていたが……ある岩塊デプリを指でマークした。
「…コンピューター…今マークした岩塊の質量は、軽巡宙艦の何%だ? 」
【…25%です…】
「……アリシア…この岩塊デプリを照準ロック……慣性航行中のミサイルを起動して、ぶつけて観る……」
「……了解…ロックしました……」
「……スラスター起動、発進…」
「…発進しました…着弾まで、22秒……」
「…センサーはオールレンジで監視…」
「…監視中…」
対艦ミサイルは宙空を走り、岩塊に命中・起爆して…粉々に爆散させた。
「…1基でか……シールドを張っていても、4基が命中したら……撃沈だな……」
その時…長距離センサーがかなり遠方での爆発を捉えた。
「…(笑)…あちらさんも、やったようだね……エンジン始動…発進してハーフスピードへ……取り敢えず爆発ポイントをロックして、インターセプト・コースで30秒だけ走れ……」
「…了解…」
「……カリーナ…ふたつの爆発を、センサーはどう捉えたかな? 」
「…はい……現状でのスイープ・スキャニング・レベルで、ですが……通常との比較で言うと……長距離でのスキャニングでは、16%程……解析結果が粗く表示されます……つまり今、主砲が使えるとして……第1戦闘距離の170%で狙撃を敢行した場合……命中率は70%前後でしょう……」
「……そうか……スイープ・ターゲット・スキャナーを手動で3回絞り込んで……幾らかでも解析精度を上げてくれ……」
「…分かりました……! 艦長! 軽巡宙艦のエンジン始動をキャッチしましたが……10秒で消えました……ロストです……最初のロックポイントからの距離は9700m……」
「…そのポイントにロックを変更してインターセプト……10秒走ってエンジン停止……動き出したな……総員、第1戦闘配置……30秒でアラート停止……10秒間で動いた距離・方位・スピードから…敵艦の推進方位…コースを予測して重ねて表示……」
それがブリッジの宙空に、黄色のラインで浮かび上がる。
「…パワーサインは採った? 」
「……記録しましたが、ダウンロードはまだ……」
「……良いよ…それはいずれ判る……向こうも採ったな……艦首・艦尾対艦ミサイル全管装填……対空ミサイル・長距離ミサイルも全管装填……アリシア…20秒後に放出デコイの1基を、方位521マーク974に向けて発進……」
「…了解…」
「……もう一度…状況認識を確認して共有しよう……今から言う事は、頭にも身体にも叩き込んでくれ……対艦ミサイルは絶対に避ける……フル・パワーでディフレクター・シールドを展開していても……4基くらえば沈む……特にパイロット・チームは頼む……」
「…分かりました…」
「……頭と身体を解して…反応は俊敏に……瞬発力も上げていこう……あの敵艦を無力化するまで……休み時間は無しだ……」
「…ファースト・デコイ、発進しました…」
「…アポジ・モーターで取舵2° …総てのロケット・アンカーを即時に発射できるように用意……」
「…用意よし……」
「……向こうもロケット・アンカー戦術を知っている可能性が高い……パイロットチームは、即時反転ダッシュも頭に入れてくれよ……」
「…分かりました……」
「…エンジン停止…アポジ・モーターで取舵2° …光学迷彩レベル5…アンチ・センサー・ジェル …も、レベル5で展開……センサーは第5戦闘距離の範囲内をパッシブ・スキャン……タイプB の機動中継発信ビーコン5基に、光学迷彩システムとアンチ・センサー・ジェルシステムを内蔵させて……それらが出来次第、ファイブ・ベクトルの方位に向けて放出し、同時に起動……総員第一警戒配置……ゲームフィールド・データをアップデート……保安部員は目視で周辺を警戒……」
「……すごい警戒レベルですね……」
あまり意識していないような様子で、そう言ったマレット・フェントンを横目で微笑みながら見遣り、カリーナ・ソリンスキーに言う。
「……全スタッフ・クルーに通達だ……ここに放り込まれたもう1隻は、本艦と同じレベルだ……最大限に警戒してくれ……」
「…了解…」
「……光学迷彩とアンチ・センサージェルも内蔵させた…中継発信デコイも5基用意して、出来次第放出してくれ……」
「…了解…」
「…範囲内に感知無し…」
「…ビーコン準備よし…5方位に放出します…」
「…デコイも準備よし…放出します…」
「……フィールド・アップデート完了……範囲はこの太陽系の1.6倍です……制限条項と言いますか、条件が設定されています……」
「…読んでくれ……」
「……ビーム砲とレーザー・ヴァルカンは使えません……既に『運営本部』からのアクセスでロックされています……ハイパー・ヴァリアントは使えますが……有効射程距離が1000mとされています……各種ミサイルは、そのまま使用できますが…破壊力が通常の100倍に設定されています……防御機能・防御力に条件はありません……機動性能・機動力にも条件はありません……有効視界範囲と言いますか……視程範囲についてですが……通常の65%程です……以上です……」
「……メインビューワで前方を映してくれ……」
直ぐに映し出されたが…遠方の対象物に於いては、解像度が低く抑えられているようだ。
「……15倍に拡大……」
拡大されて映し出された前方の風景も、同じように観えた。
「……エドナ……光学兵装の動作確認を頼む……」
「……既に確認しましたが…反応しません……」
「……ヴァリアントを使うのなら、旋回狙撃でないと無理だな……カリーナ…岩塊デプリの分布密度は同じくらいかな? 」
「……ほぼ同程度と思われます……」
「……潜水艦の戦術・戦法になる訳だな……ミサイルの破壊力を確認したい処だけど…居場所がバレるか……安全距離は、80m~100mってところかな……ビーコンとデコイは拡散移動しているのかな? 」
「……はい…アポジ・モーターで拡散移動中です……」
「……アリシア…通常の対艦ミサイル1基を放出して、アポジ・モーターで直線航行5分……停止して以降は慣性航行……」
「……了解…放出します……」
「……本艦も同時にアポジ・モーターで微速後退……」
「……了解…後退開始します……」
「……多分…向こうの艦長も、同じ事を考えているだろうな……カリーナ…何処かで爆発が起きたら、センサーがそれをどう捉えたか観てくれ……」
「…分かりました…」
「……居場所が判らないんじゃ、作戦の立てようもないからな……」
それから10分間が静かに流れた。
「……コンピューター…第5戦闘距離の範囲内を3D投影……」
【…コンプリート…】
キャプテン・シートに座ったまま、右手で投影された3D映像の複製を近くにまで呼び寄せ、指で幾つかのグリッドを拡大して観ていたが……ある岩塊デプリを指でマークした。
「…コンピューター…今マークした岩塊の質量は、軽巡宙艦の何%だ? 」
【…25%です…】
「……アリシア…この岩塊デプリを照準ロック……慣性航行中のミサイルを起動して、ぶつけて観る……」
「……了解…ロックしました……」
「……スラスター起動、発進…」
「…発進しました…着弾まで、22秒……」
「…センサーはオールレンジで監視…」
「…監視中…」
対艦ミサイルは宙空を走り、岩塊に命中・起爆して…粉々に爆散させた。
「…1基でか……シールドを張っていても、4基が命中したら……撃沈だな……」
その時…長距離センサーがかなり遠方での爆発を捉えた。
「…(笑)…あちらさんも、やったようだね……エンジン始動…発進してハーフスピードへ……取り敢えず爆発ポイントをロックして、インターセプト・コースで30秒だけ走れ……」
「…了解…」
「……カリーナ…ふたつの爆発を、センサーはどう捉えたかな? 」
「…はい……現状でのスイープ・スキャニング・レベルで、ですが……通常との比較で言うと……長距離でのスキャニングでは、16%程……解析結果が粗く表示されます……つまり今、主砲が使えるとして……第1戦闘距離の170%で狙撃を敢行した場合……命中率は70%前後でしょう……」
「……そうか……スイープ・ターゲット・スキャナーを手動で3回絞り込んで……幾らかでも解析精度を上げてくれ……」
「…分かりました……! 艦長! 軽巡宙艦のエンジン始動をキャッチしましたが……10秒で消えました……ロストです……最初のロックポイントからの距離は9700m……」
「…そのポイントにロックを変更してインターセプト……10秒走ってエンジン停止……動き出したな……総員、第1戦闘配置……30秒でアラート停止……10秒間で動いた距離・方位・スピードから…敵艦の推進方位…コースを予測して重ねて表示……」
それがブリッジの宙空に、黄色のラインで浮かび上がる。
「…パワーサインは採った? 」
「……記録しましたが、ダウンロードはまだ……」
「……良いよ…それはいずれ判る……向こうも採ったな……艦首・艦尾対艦ミサイル全管装填……対空ミサイル・長距離ミサイルも全管装填……アリシア…20秒後に放出デコイの1基を、方位521マーク974に向けて発進……」
「…了解…」
「……もう一度…状況認識を確認して共有しよう……今から言う事は、頭にも身体にも叩き込んでくれ……対艦ミサイルは絶対に避ける……フル・パワーでディフレクター・シールドを展開していても……4基くらえば沈む……特にパイロット・チームは頼む……」
「…分かりました…」
「……頭と身体を解して…反応は俊敏に……瞬発力も上げていこう……あの敵艦を無力化するまで……休み時間は無しだ……」
「…ファースト・デコイ、発進しました…」
「…アポジ・モーターで取舵2° …総てのロケット・アンカーを即時に発射できるように用意……」
「…用意よし……」
「……向こうもロケット・アンカー戦術を知っている可能性が高い……パイロットチームは、即時反転ダッシュも頭に入れてくれよ……」
「…分かりました……」
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