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第二章
半妖精の秘密と聖女の力
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「この部屋を使ってちょうだい。今日はゆっくり休んでね」
お風呂をいただいた後、クリスティーナさんに案内されたのは、王宮で暮らしていた頃と同じくらい広い部屋だった。
「ありがとうございます。こんな素敵なお部屋を貸していただけるなんて、夢のようです」
「リディアちゃんは褒めるのが上手いわね。さぁ髪を乾かしてあげる。ほら、座って座って」
クリスティーナさんが手を軽く振ると、温かく柔らかい風が私の髪撫でた。風の流れに沿ってクリスティーナさんが私の髪を優しく梳かしてくれた。
(気持ち良い……眠くなってきた。半妖精の力ってこんな風にも使えるんだ……)
「はい、乾いたわ。今日はゴーシュラン王国から一人で歩いて来たのでしょう? よく眠れると良いのだけれど……。じゃあ、おやすみなさいね」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
荷物を少し整理してベッドに横になると、急激に眠気が襲ってきた。
(最近はずっと牢屋の中で寝ていたから、ベッドの柔らかさが心地よい……)
緊張して眠れないかも、という心配をする間もなく眠りに落ちた。
翌日、柔らかな日差しで目が覚めた。二週間の獄中生活で凝り固まった身体が、嘘のように軽くなっていた。
(すっかり疲れがとれたみたい。身体が軽いと心まで軽くなったようだわ)
リビングに顔を出すと、クリスティーナさんが朝食の準備をしているところだった。テーブルには見た目からして美味しそうな料理が所狭しと並んでいた。
「おはようございます、クリスティーナさん」
「リディアちゃん、おはよう。よく眠れた? リディアちゃんがいるから張り切っちゃったわ。たくさん食べてね」
「はい、とても美味しそうです! あ、お手伝いします」
お茶を淹れるのを手伝いながら料理の作り方についてお話をしていると、ヘルマンさんとクラウスも起きてきた。
「おはよう、リディア。よく眠れた?」
「おはよう、リディアさん。よく眠れたかい?」
「おはようございます、とても良く眠れましたわ」
ほぼ同時に同じことを言われたのが面白くて、クリスティーナさんと顔を見合わせて笑ってしまった。ヘルマンさんとクラウスは、本当によく似ている親子だと思った。
「さて、我々半妖精についてだが……先に妖精の力について説明しようか」
四人で朝食を食べ終えた後、ヘルマンさんが妖精の力について説明をしてくれた。
ヘルマンさん曰く妖精の力とは、自然のエネルギーそのものらしい。妖精自体がエネルギーの塊のような存在とのことだ。
その妖精に別の血が混ざると、エネルギーが増大するらしい。それを狙って血を混ぜる種族もいるのだとか。ただし、代償として寿命が短くなるそうだ。
(そんな……じゃあエルナンデス一族は短命の家系なの?)
私の悲しそうな顔に気がついたヘルマンさんは、慌てて言葉を付け足した。
「妖精の寿命はとてつもなく長いから。私達半妖精は、人間と同等の寿命だよ。そんな顔をしないで」
「そうですか、良かった」
人間と同等、と聞いてホッとしたのも束の間のことだった。
「ただ……私の推測だが、聖女の力が半妖精の力に似ているのは、寿命の代償という点ではないかと思う。妖精たちが心地良いと感じたのは、寿命がエネルギーとなって放出されているからかもしれない」
(え……? 私の寿命が?)
「まだ推測の域だから何とも言えないが、少し力の使用を抑えたほうが良いかもしれない。力を使うと、余計に寿命を消費してしまう可能性がある。聖女の力でクラウスを助けてもらったのに、こんなことを言うのは酷だが……」
ヘルマンさんは言葉を選びながら丁寧に伝えてくれた。昨日の話を聞いてから、ずっと考えてくれていたのかもしれない。
「わかりました、教えてくださってありがとうございます。聖女の力は、もう使う必要もありませんので大丈夫です。しばらくは気をつけます」
ヘルマンさんに頭を下げると、それまでじっと聞いていたクラウスが口を開いた。
「そういえば、どうして聖女をやめて帝国に? ……ごめん、踏み入ったことを聞いたね」
私の顔が少し強張ったのを見て、クラウスは慌てて付け足した。
お風呂をいただいた後、クリスティーナさんに案内されたのは、王宮で暮らしていた頃と同じくらい広い部屋だった。
「ありがとうございます。こんな素敵なお部屋を貸していただけるなんて、夢のようです」
「リディアちゃんは褒めるのが上手いわね。さぁ髪を乾かしてあげる。ほら、座って座って」
クリスティーナさんが手を軽く振ると、温かく柔らかい風が私の髪撫でた。風の流れに沿ってクリスティーナさんが私の髪を優しく梳かしてくれた。
(気持ち良い……眠くなってきた。半妖精の力ってこんな風にも使えるんだ……)
「はい、乾いたわ。今日はゴーシュラン王国から一人で歩いて来たのでしょう? よく眠れると良いのだけれど……。じゃあ、おやすみなさいね」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
荷物を少し整理してベッドに横になると、急激に眠気が襲ってきた。
(最近はずっと牢屋の中で寝ていたから、ベッドの柔らかさが心地よい……)
緊張して眠れないかも、という心配をする間もなく眠りに落ちた。
翌日、柔らかな日差しで目が覚めた。二週間の獄中生活で凝り固まった身体が、嘘のように軽くなっていた。
(すっかり疲れがとれたみたい。身体が軽いと心まで軽くなったようだわ)
リビングに顔を出すと、クリスティーナさんが朝食の準備をしているところだった。テーブルには見た目からして美味しそうな料理が所狭しと並んでいた。
「おはようございます、クリスティーナさん」
「リディアちゃん、おはよう。よく眠れた? リディアちゃんがいるから張り切っちゃったわ。たくさん食べてね」
「はい、とても美味しそうです! あ、お手伝いします」
お茶を淹れるのを手伝いながら料理の作り方についてお話をしていると、ヘルマンさんとクラウスも起きてきた。
「おはよう、リディア。よく眠れた?」
「おはよう、リディアさん。よく眠れたかい?」
「おはようございます、とても良く眠れましたわ」
ほぼ同時に同じことを言われたのが面白くて、クリスティーナさんと顔を見合わせて笑ってしまった。ヘルマンさんとクラウスは、本当によく似ている親子だと思った。
「さて、我々半妖精についてだが……先に妖精の力について説明しようか」
四人で朝食を食べ終えた後、ヘルマンさんが妖精の力について説明をしてくれた。
ヘルマンさん曰く妖精の力とは、自然のエネルギーそのものらしい。妖精自体がエネルギーの塊のような存在とのことだ。
その妖精に別の血が混ざると、エネルギーが増大するらしい。それを狙って血を混ぜる種族もいるのだとか。ただし、代償として寿命が短くなるそうだ。
(そんな……じゃあエルナンデス一族は短命の家系なの?)
私の悲しそうな顔に気がついたヘルマンさんは、慌てて言葉を付け足した。
「妖精の寿命はとてつもなく長いから。私達半妖精は、人間と同等の寿命だよ。そんな顔をしないで」
「そうですか、良かった」
人間と同等、と聞いてホッとしたのも束の間のことだった。
「ただ……私の推測だが、聖女の力が半妖精の力に似ているのは、寿命の代償という点ではないかと思う。妖精たちが心地良いと感じたのは、寿命がエネルギーとなって放出されているからかもしれない」
(え……? 私の寿命が?)
「まだ推測の域だから何とも言えないが、少し力の使用を抑えたほうが良いかもしれない。力を使うと、余計に寿命を消費してしまう可能性がある。聖女の力でクラウスを助けてもらったのに、こんなことを言うのは酷だが……」
ヘルマンさんは言葉を選びながら丁寧に伝えてくれた。昨日の話を聞いてから、ずっと考えてくれていたのかもしれない。
「わかりました、教えてくださってありがとうございます。聖女の力は、もう使う必要もありませんので大丈夫です。しばらくは気をつけます」
ヘルマンさんに頭を下げると、それまでじっと聞いていたクラウスが口を開いた。
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私の顔が少し強張ったのを見て、クラウスは慌てて付け足した。
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