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迷惑な客人
クロードの声はナタリアが聞いたこともない冷たい声だった。
「ナタリアはこれからアルバース家に嫁ぐのですから、その直前に養子に出ようとあなた方には関係ないことでは?」
「そ、それは……」
「そうだけれど……」
クロードの冷たい視線を浴びた義母とエマは、先程までの勢いが嘘のように言葉を詰まらせた。
「それとも、何か理由がおありですか? ナタリアがグラミリアン家から結婚したという事実がほしいのですか?」
クロードが更に続けると、義母が絞り出すように言葉を紡いだ。
「私達は……グラミリアン家は、アルバース家に協力しようとナタリアを差し出したのです。それを無下にされるのは、気持ちの良いものではありません」
「そうよ! それに国王からの褒美だってもらえなくなっちゃう……!」
「エマ! 余計なことを言うんじゃありません!」
エマはしまったという顔をしたが、発した言葉は取り消せない。
エマと義母のやり取りを見ていたクロードは、嘲笑の色を浮かべた。
「あぁ……なるほど、お二人は噂を信じていたのですね。アルバース家に誰か嫁がせれば国王から褒美が出るという噂を……。あんなものデタラメですよ。この結婚に国王は関与していませんから」
「そんな……」
「嘘だったなんて……」
二人はガックリと肩を落とした。
クロードはそんな二人を一瞥すると、深いため息をついた。
「はぁ……あなた方のような愚かな人達がナタリアの家族だなんて耐え難い。既に養子縁組の手続きは完了しています。他に用がなければお引き取りください」
クロードがそう言い放ったと同時に、使用人達が二人を外へと案内した。
「……お姉様だけに良い思いをさせるもんですか!」
去り際にエマはナタリアを睨みつけて吐き捨てるように言い放った。
(一体何だったの……? まるで嵐のようだったわ。クロード様にはものすごく迷惑をかけてしまったわね)
ナタリアはクロードに深々と頭を下げた。
「クロード様、義母と義妹が大変失礼しました」
「君が謝ることじゃない。気にしないで」
クロードは先程とは違う優しい声でナタリアを慰めた。
「どうしてあの二人とご一緒だったのですか?」
「ヴィルト男爵に養子縁組の話を受けてもらった後、グラミリアン家にも承諾書にサインをもらいに行ったんだ。そこで君の父上と話し合いをしていたら、あの二人が騒ぎ出したんだよ。まさか屋敷までついてくるとは思わなかった」
クロードの表情は読みにくかったが、疲労の色が窺えた。
(あの二人がそこまでするなんて……。もう私のことは放っておいてほしいのに。この調子じゃクロード様に愛想を尽かされてしまうかも)
ナタリアは必死にクロードを説得しようとした。
「あのっクロード様、昨日お話した通り我が家は少しおかしくて、これからも家族がご迷惑をかけるかもしれません。でも……それ以外でご迷惑をかけることはいたしませんので、どうか結婚してください!」
「何言っているんだ?」
「ナタリアはこれからアルバース家に嫁ぐのですから、その直前に養子に出ようとあなた方には関係ないことでは?」
「そ、それは……」
「そうだけれど……」
クロードの冷たい視線を浴びた義母とエマは、先程までの勢いが嘘のように言葉を詰まらせた。
「それとも、何か理由がおありですか? ナタリアがグラミリアン家から結婚したという事実がほしいのですか?」
クロードが更に続けると、義母が絞り出すように言葉を紡いだ。
「私達は……グラミリアン家は、アルバース家に協力しようとナタリアを差し出したのです。それを無下にされるのは、気持ちの良いものではありません」
「そうよ! それに国王からの褒美だってもらえなくなっちゃう……!」
「エマ! 余計なことを言うんじゃありません!」
エマはしまったという顔をしたが、発した言葉は取り消せない。
エマと義母のやり取りを見ていたクロードは、嘲笑の色を浮かべた。
「あぁ……なるほど、お二人は噂を信じていたのですね。アルバース家に誰か嫁がせれば国王から褒美が出るという噂を……。あんなものデタラメですよ。この結婚に国王は関与していませんから」
「そんな……」
「嘘だったなんて……」
二人はガックリと肩を落とした。
クロードはそんな二人を一瞥すると、深いため息をついた。
「はぁ……あなた方のような愚かな人達がナタリアの家族だなんて耐え難い。既に養子縁組の手続きは完了しています。他に用がなければお引き取りください」
クロードがそう言い放ったと同時に、使用人達が二人を外へと案内した。
「……お姉様だけに良い思いをさせるもんですか!」
去り際にエマはナタリアを睨みつけて吐き捨てるように言い放った。
(一体何だったの……? まるで嵐のようだったわ。クロード様にはものすごく迷惑をかけてしまったわね)
ナタリアはクロードに深々と頭を下げた。
「クロード様、義母と義妹が大変失礼しました」
「君が謝ることじゃない。気にしないで」
クロードは先程とは違う優しい声でナタリアを慰めた。
「どうしてあの二人とご一緒だったのですか?」
「ヴィルト男爵に養子縁組の話を受けてもらった後、グラミリアン家にも承諾書にサインをもらいに行ったんだ。そこで君の父上と話し合いをしていたら、あの二人が騒ぎ出したんだよ。まさか屋敷までついてくるとは思わなかった」
クロードの表情は読みにくかったが、疲労の色が窺えた。
(あの二人がそこまでするなんて……。もう私のことは放っておいてほしいのに。この調子じゃクロード様に愛想を尽かされてしまうかも)
ナタリアは必死にクロードを説得しようとした。
「あのっクロード様、昨日お話した通り我が家は少しおかしくて、これからも家族がご迷惑をかけるかもしれません。でも……それ以外でご迷惑をかけることはいたしませんので、どうか結婚してください!」
「何言っているんだ?」
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