無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

文字の大きさ
10 / 159
冒険者Dとダドンの街

塩漬け案件2-覇王龍ズァーク

しおりを挟む
高級料理店マンティアのその後なんて野暮な言うべき事じゃない。
アンナとは気分を直して飲み直し、そのままベッドへダイブさ。
男と女、好意があれば何でも出来る!

数日アンナと爛れた生活を続けたが馴れが出る前に仕事をしよう。
と言うか、アンナに要求されたわ!

『覇王龍ズァークの鱗 1枚当たり金貨2枚』の依頼を受ける事にした。

対人の依頼でないので余り乗り気では無いがアンナの頼みだし、仕方無し!
冒険者ギルドで受付嬢アンナから依頼の説明を受ける。澄まして説明をするアンナの顔を見てホケッとしていたらしい。
アンナに怒られた。

「真面目に聞いてください!
覇王龍ズァークはこの街から東に最短で3日行ったアラハラ高原を生息域にしています。特に見つかるのはザラエラ渓谷付近です。
渓谷には地竜や赤竜が複数いるようです。渓谷の崖には飛竜《ワイバーン》の巣が複数あるのが知られています。
覇王龍ズァークはその竜達の王です。
大きさは全高5メートル位全長は10メートルを越えるようです。翼長になると20メートルと言われています。
その鱗は小さい所で10センチ程度、大きいのは30センチ位ですね。今回必要とされるのはこの鱗です。大きさに拘わらず1枚金貨2枚ですから。
覇王龍ズァークが飛んでいるのは良く見られるようですけどその巣が何処にあるのかは不明です。龍種だから生え変わった後に落とす鱗を見付けてくれれば良いです。間違っても倒そうとしないで下さいね。」

一通りの説明をしたアンナは疑わしそうに俺を見る。どうせ見るなら熱を込めて見て欲しいぜ。

「わーァったさ。そんなデカい奴なんて倒せやしないさ。」
俺は手を振って否定する。

「かつて覇王龍ズァークを倒そうと王家がレイドを組んだ事があります。
パーティの数は6、A級を初め腕利きが挑んだそうですが生き残って帰って来たのはレイドを指導した王国騎士とA級パーティのリーダーだけだったそうですよ。この時の死者は30人を越えています。」
アンナは手元の資料を見ながら説明する。

「往復6日だからちょっと長めだけど直ぐに帰ってくるさ」
軽く俺が言うとアンナは睨んできた。

「だ・か・ら・幾ら強くても時間も短く出来ませーん!最短で片道3日ですぅ!荷馬車を含めての行程だからその位掛かるんですぅ!」
唇を突き出して言うアンナは可愛らしい。思わずニヤけるとため息を付かれた。

『覇王龍ズァークの鱗 1枚当たり金貨2枚』が塩漬け案件となっている理由はレイドの失敗の為だけではない。アラハラ高原が竜の住処で危険地帯だから近寄ること自体が危険だし、近付けても鱗を得られるかは分らないからだ。でも、龍の鱗は貴重な素材だから依頼されるのだ。
鎧や武器、ポーションなどの材料として余すことなく利用できるからだ。
本来なら枚数でなく重さとかで量るべき価値だが、何故か鱗単位で利用しないと残した部分は魔素に返ってしまうらしい。だから枚数単位で価値が量られる。

冒険者ギルドを出た時は昼前だったが食堂でゆっくり飯を食べて必要品を買い込んで準備をして東門から荒野に出る。日差しが西に傾き掛けて僅かに目の前に影が伸びていた。

「さぁて」
自分に気合を掛けて声を出し、誰ともなく言う。

「アンナの為に最速を目指すかなー」
結構アンナが気に入っている。美人では無いがナイスバディだし、愛嬌がある。走り出した俺はスキルを使い更に加速した。


◆◆副街長ゴルバカ 視点◆◆
「奴は行ったか?」
独り言のように言う太った男。
日が沈み、部屋には魔石の灯りがともっている。夜に魔石の灯りが光る部屋は豪奢に飾りつけられ男の身分が高いことを示していた。

男に向かってる立っているクレイシアは無言だ。
返事が無い事に苛立ったゴルバカは振り向き、唾を飛ばしながら再度言う。

「だから、あの生意気な冒険者は依頼を受けて街を出たかと聞いとる!」
唾を物ともせずクレイシアは頷いた。

「そのようで」
ゴルバカはクレイシアが言葉を返した事に満足して語気を弱めた。

「クククッ ならばアンナを貰い受けるとしよう。
ギリ!ギリはいるか?」
ゴルバカがドアの外に声を掛けるとやせ細った陰気な男が中に入って来た。

「旦那、何でしょう?」
へいこらする低頭平身にニンマリと男は言った。
ギリは冒険者Dを見張ったが見破られてその姿を奪われた男だ。Dがスキルを解除したので逃げ出したようだ。

「明日、冒険者ギルドに行ってこれをギルドマスターに渡すのだ。そして受付嬢アンナをここへ連れてこい!」
あまりな物言いにギリは目を見開いた。

幾ら男の身分が高くても冒険者ギルドのギルドマスターに命令なんて出来ない筈だ。国の機関とは別の組織で冒険者ギルドは成り立っている。
ギリが納得いっていないのが気に障ったゴルバカが声を荒げる。

「良いから俺の言うとおりにしろ!行けば分る!!」
ギリはこの男に雇われている。納得出来なくても命令は絶対だ。

「わ、分かりやした」
そう言ってギリは手紙を受け取った。

封蝋は街のクレストが押されていた。これは正式な手紙という訳だ。
ギリに否応も無かった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...