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冒険者Dとダドンの街
塩漬け案件2-受付嬢アンナ
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意気揚々と冒険者ギルドを出て行く男を見てアンナはため息をつく。ベッドの中の男は猛獣の様に猛々しかったが事が終った後は優しい安堵に包まれていた。
肌が合うと言うのだろうか今までの男達とは違った。飢えた野獣と強者の野獣の違いと言うか・・・アンナにも良く判らなかったが、今のお気に入りと言うところだ。
男の事に何時までも気を取られても居られない。
直ぐに別の冒険者が目の前の椅子に座る。冒険者の話を聞き、事務的に処理を進める。冒険者ギルドの冒険者が次第に増えていきアンナは男の事を考える暇もなく忙しく仕事をしていった。
あっと言う間に時間は過ぎ、交代して休憩を取るために受付から奥の待機室に入る。中には二人の女性が居る。その一人が声を掛けた。
「あら、アンナ休憩?」
リーンと言う受付嬢だ。
自分より一年程先にこの冒険者ギルドに着任した先輩である。ボブカットのプラチナゴールド色の髪が綺麗で可愛らしさで冒険者に人気がある。残念な事に胸はアンナに負ける。
「そうよ。忙しいったらありゃしないわ」
思わず愚痴る。
「あら、アンナさんが愚痴るなんて珍しいですねぇ~」
のんびりした声で言う女性はロピアだ。
こちらは殆ど同じ時期に冒険者ギルドに入ったが私より歳が低いので私には敬語だ。ただし性格なのかのんびりしている。たまにドジをやらかして私達に手を焼かせてくれる。赤茶けたブルネットで短めのポニーテールの髪をしていて丸眼鏡を掛けている。
二人は手に紅茶を持ち話をしていたらしい。テーブルには紙包みが入ったボールが置かれている。定期的に置かれるお菓子である。一応ギルド長の好意で差し入れられる。あと、不定期にボーナスを貰った受付嬢同士で買って置くこともある。私も最近差し入れている。
「忙しいとね」
無難な本心を伝えるとリーンがカラカラと笑う。揶揄の笑いでないのだがリーンは陽気なのだ。
「アンナが戻って来たならあたしたちもそろそろね」
リーンが立ち上がりロピアにも交代の時間だと言う。
リーン達が部屋を出るとアンナは置かれているお湯を出す魔導具で紅茶を入れて座る。
ボールに入っている紙包みを開けて口にする。紙包みの中身は小さなクッキーだった。少し塩辛く甘くないクッキーは孤児院の子供達が作ったものだろう。
慈善事業で冒険者ギルドが購入している物だ。一般の菓子店の物よりも質も味も数段劣るが不味くは無い。思考を放棄していると昨晩の男との情事が思い出されて身体が火照る。
「いけない、いけない」
と声を出して自戒して紅茶を一口飲んでいるとドアが開いて二人の女性が入って来た。
リーンとロピアが交代した受付嬢のスカーレットとマリリンである。何やら談笑と言うかスカーレットがひとり喋り倒している。いつもの事だが。
「ん!アンナー」
そう言ってスカーレットが飛び付いてきた。
「最近新しい男連れ込んでいるみたいじゃないぃー!」
スカーレットの方が私より男遊びは激しいのにこの言い方である。
「レット、言い方!」
すかさずマリリンが突っ込む。
笑いながら頬を擦り寄せる男癖の悪い金髪で灰色の目の女性がスカーレット、仲の良いマリリンはレットと呼ぶ。金髪は腰まで長いが編み込みをして一つに纏めている。気の置けない性格は明るくて良いが何かに付けて私と張り合おうとする。整った美人で凡庸で吊り目勝ちの私より人気はあるが高値の花の扱いを受けている。
何時もスカーレットとつるんでいるマリリンは黒髪赤目と言う特徴があるクウォーターである。魔族の血が入った東方の異国人の父親を持ち特異なスキル持ちである。ギルドマスターが連れてきて受付嬢にしたので詳しい事は聞いていない。やたら面倒な事情があるらしい。
「まぁね、聞きたい?」
惚気けてやろうと振るとスカーレットはにんまりとした。待ってましたとの事だ。
それから小一時間たっぷりと惚気けてやって気を済ますとマリリンが嫌な事を言った。
「そう言えばアンナさん、最近副街長のゴルバカ様に狙われているんですって?」
◆◆D視点◆◆
俺は走っていた。
ひたすらスキルを使いアララギ高原を目指していた。途中、数度の短い休憩を挟み、夜中も走り続け夜明け近くになってようやく高原が見えて来た。荷馬車付きの馬車を使った移動なら最低3日掛かる所を丸1日で済ませている。
夜中は夜行性の魔物もいるので移動するのは危険であるが俺のスピードには着いて来れまい。
単騎の馬より早いのだぞ。ふふふっ。
高原が見えて来た所で休憩して飯を喰う。
インベントリから出した鍋に生活魔法で水を張り、乾燥した干し肉を千切って入れ、パンも千切って入れる。簡単なパン粥と言うものだ。生活魔法で火を起こし煮詰める。ふつふつしたところでスプーンを使ってがっついて喰う。
作るより喰う方が早いがパン粥の方が消化に良い。これからたんまり動くのだから。
燃えカスや使った石を蹴り飛ばして痕跡を消して再び歩き出した。アララギ高原の方を注視しながらの移動だ。アンナから簡単な説明を受けたが状況は変わるからな。
明るくなって来たせいか高原の上に何かが飛んでいるようだ。飛竜かも知れない。耳を澄ませばギャアギャア言っているのが聞こえた。
そろそろ気配を消しておいた方が良いかも知れない。
俺はスキルを使い、見た目も気配も消して急ぎ足で高原を目指した。
肌が合うと言うのだろうか今までの男達とは違った。飢えた野獣と強者の野獣の違いと言うか・・・アンナにも良く判らなかったが、今のお気に入りと言うところだ。
男の事に何時までも気を取られても居られない。
直ぐに別の冒険者が目の前の椅子に座る。冒険者の話を聞き、事務的に処理を進める。冒険者ギルドの冒険者が次第に増えていきアンナは男の事を考える暇もなく忙しく仕事をしていった。
あっと言う間に時間は過ぎ、交代して休憩を取るために受付から奥の待機室に入る。中には二人の女性が居る。その一人が声を掛けた。
「あら、アンナ休憩?」
リーンと言う受付嬢だ。
自分より一年程先にこの冒険者ギルドに着任した先輩である。ボブカットのプラチナゴールド色の髪が綺麗で可愛らしさで冒険者に人気がある。残念な事に胸はアンナに負ける。
「そうよ。忙しいったらありゃしないわ」
思わず愚痴る。
「あら、アンナさんが愚痴るなんて珍しいですねぇ~」
のんびりした声で言う女性はロピアだ。
こちらは殆ど同じ時期に冒険者ギルドに入ったが私より歳が低いので私には敬語だ。ただし性格なのかのんびりしている。たまにドジをやらかして私達に手を焼かせてくれる。赤茶けたブルネットで短めのポニーテールの髪をしていて丸眼鏡を掛けている。
二人は手に紅茶を持ち話をしていたらしい。テーブルには紙包みが入ったボールが置かれている。定期的に置かれるお菓子である。一応ギルド長の好意で差し入れられる。あと、不定期にボーナスを貰った受付嬢同士で買って置くこともある。私も最近差し入れている。
「忙しいとね」
無難な本心を伝えるとリーンがカラカラと笑う。揶揄の笑いでないのだがリーンは陽気なのだ。
「アンナが戻って来たならあたしたちもそろそろね」
リーンが立ち上がりロピアにも交代の時間だと言う。
リーン達が部屋を出るとアンナは置かれているお湯を出す魔導具で紅茶を入れて座る。
ボールに入っている紙包みを開けて口にする。紙包みの中身は小さなクッキーだった。少し塩辛く甘くないクッキーは孤児院の子供達が作ったものだろう。
慈善事業で冒険者ギルドが購入している物だ。一般の菓子店の物よりも質も味も数段劣るが不味くは無い。思考を放棄していると昨晩の男との情事が思い出されて身体が火照る。
「いけない、いけない」
と声を出して自戒して紅茶を一口飲んでいるとドアが開いて二人の女性が入って来た。
リーンとロピアが交代した受付嬢のスカーレットとマリリンである。何やら談笑と言うかスカーレットがひとり喋り倒している。いつもの事だが。
「ん!アンナー」
そう言ってスカーレットが飛び付いてきた。
「最近新しい男連れ込んでいるみたいじゃないぃー!」
スカーレットの方が私より男遊びは激しいのにこの言い方である。
「レット、言い方!」
すかさずマリリンが突っ込む。
笑いながら頬を擦り寄せる男癖の悪い金髪で灰色の目の女性がスカーレット、仲の良いマリリンはレットと呼ぶ。金髪は腰まで長いが編み込みをして一つに纏めている。気の置けない性格は明るくて良いが何かに付けて私と張り合おうとする。整った美人で凡庸で吊り目勝ちの私より人気はあるが高値の花の扱いを受けている。
何時もスカーレットとつるんでいるマリリンは黒髪赤目と言う特徴があるクウォーターである。魔族の血が入った東方の異国人の父親を持ち特異なスキル持ちである。ギルドマスターが連れてきて受付嬢にしたので詳しい事は聞いていない。やたら面倒な事情があるらしい。
「まぁね、聞きたい?」
惚気けてやろうと振るとスカーレットはにんまりとした。待ってましたとの事だ。
それから小一時間たっぷりと惚気けてやって気を済ますとマリリンが嫌な事を言った。
「そう言えばアンナさん、最近副街長のゴルバカ様に狙われているんですって?」
◆◆D視点◆◆
俺は走っていた。
ひたすらスキルを使いアララギ高原を目指していた。途中、数度の短い休憩を挟み、夜中も走り続け夜明け近くになってようやく高原が見えて来た。荷馬車付きの馬車を使った移動なら最低3日掛かる所を丸1日で済ませている。
夜中は夜行性の魔物もいるので移動するのは危険であるが俺のスピードには着いて来れまい。
単騎の馬より早いのだぞ。ふふふっ。
高原が見えて来た所で休憩して飯を喰う。
インベントリから出した鍋に生活魔法で水を張り、乾燥した干し肉を千切って入れ、パンも千切って入れる。簡単なパン粥と言うものだ。生活魔法で火を起こし煮詰める。ふつふつしたところでスプーンを使ってがっついて喰う。
作るより喰う方が早いがパン粥の方が消化に良い。これからたんまり動くのだから。
燃えカスや使った石を蹴り飛ばして痕跡を消して再び歩き出した。アララギ高原の方を注視しながらの移動だ。アンナから簡単な説明を受けたが状況は変わるからな。
明るくなって来たせいか高原の上に何かが飛んでいるようだ。飛竜かも知れない。耳を澄ませばギャアギャア言っているのが聞こえた。
そろそろ気配を消しておいた方が良いかも知れない。
俺はスキルを使い、見た目も気配も消して急ぎ足で高原を目指した。
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