無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

文字の大きさ
18 / 159
冒険者Dとダドンの街

塩漬け案件2-後始末

しおりを挟む
俺は市庁舎の別棟に戻った。走るようにだ。
いや、このスピードなら飛んでいるのと同じかもな。

別棟で気絶しているビクンをアンナが拘束されていたベッドに両手を拘束して鍵を足元に投げて、固有スキル『無貌』で俺=ビクンとなり市庁舎の中を歩き出した。
目的地はゴルバカ•トンマーがいる筈の副街長の執務室だ。

執務室に行くと案の定ゴルバカがうろうろしていた。
「おお、ビクン!何してた!あっちは問題ないか?」

特に問題ないと答えて何があったのかと尋ねる。ゴルバカは手を振り回しながら怒鳴り返した。
「今日来た娼婦共が騒ぎ立ておって人手が足りないからクレイシアを呼んだのにあいつめ何故か全然来ない!」
「そしたら建物が揺れるほどの大音響が響いたから何があったのか調べさせていたところだ。」

クレイシアはまだ塀の外に飛んて行って戻って無いんだな。
しかも、誰も近くには居ないとな。ラッキーだ。
殺ってしまうのは簡単そうだったが自分の行為を反省してもらわない俺の気が済まん。
そこで懐からある物を取り出しゴルバカに見せる。

「これはお返しします。」
俺=ビクンの見せた物をゴルバカは見ると眼を見開いた。

「あ?そ、それは! ・・・何でそこにある!!」

俺が見せたのはビクンに埋め込まれていた心臓を止める魔導具だ。ビクンが泥人形になった折に体内から取り出したのである。

ゴルバカが驚いている内に俺=ビクンは素早く近づき、一瞬元に戻ってから頭を掴み固有スキル『無貌』を発動して俺=ゴルバカになる。
泥人形になって床に倒れたゴルバカの胸の中に魔導具を埋め込ませると記憶を探ってから壁の絵画に向かって歩いた。

ゴルバカの記憶によるとこの絵画裏には魔導具の金庫があり、魔導具のスイッチが隠してあるのだ。
絵画を上にずらし、現れた金庫に触れて解除番号を入力すると重い扉がせり出してきた。
こんなもんにお金掛けるなよと思いながら中から掌サイズの魔導具を取り出す。ついでに中の物をごっそり頂き、インベントリに仕舞う。
インベントリに収容したリストを確認するとキラキラ光る宝石類もあった。他には不正の証拠の二重帳簿だな。

金庫を元に戻し、入口で振り返り固有スキル『無貌』を解除すると暫くしてゴルバカが気づいた。立ち上がってこちらを見て驚く。
「お、お前は!」

俺を指さしながら
「お、お前は~」

となおも叫ぶ。他に言うこと無いんかいと思う。

そして、ビクンがいない事に気づき、更に叫ぶ。
「ビクンはどこに行った!」

親切な俺は教えてやる。
「知らんぞ、ここに来たらこれが落ちてた。」

そう言ってスイッチをひらひらさせて見せる。
「な!、何故それを持ってる!!」

俺はゴルバカの言う事を聞き流してゴルバカの目の前でにスイッチを押してみる。
ポチッとな。
途端にゴルバカが胸を押さえて苦しみだした。

「ぐえっぐえっ、あががかー」
俺はその苦しみをビクンの経験として知っていた。ビクンがゴルバカに逆らった時にたまにやられていたからだ。

「ぐ、ぐるじぃ~」
「し、しぬぅ~」

ゴルバカはもんどり打ったり、床でのたうち回ったりする。
ざまぁ 気分がすっとする。
そのまま逝っては困るのでスイッチを止める。

息を整えるようにはぁはぁ言うゴルバカを見下していると、睨みつけるようにこちらを見上げた。
「貴様ぁ~何をしやがる!!」

「さあな、それにしてもこれを押すと面白いものが見れるな」
惚けて、再度押そうとするとゴルバカが叫んだ。

「止めろー、止めてくれー!!」
スイッチを押す振りでゴルバカを見下ろすとゴルバカが言った。

「何でもくれてやるからそれを寄こせ!」
「ああ?それが人に頼む態度か?」
俺が睨みつけるとゴルバカは口をへの字に曲げ、唇から血を流しながらイヤイヤ言った。

「た、頼みますから、それを下さい。」
「えーどうしよっかなぁ~」
「ギ、ギザまぁ~!」
無茶苦茶悔しそうにゴルバカは睨みつけてきた。俺は嬉しくなってきた。

ニンマリする俺を見上げてゴルバカが言う。
「こ、この極悪人め~」

自分の事は棚に上げてよく言うよ。
「そうかぁ~嬉しいねぇ~ポチッとな!」
再度スイッチを押すとゴルバカは悲鳴を上げて転げ回った。今度はさっきよりちょっと長めにサービスだ。
スイッチを切るとゴルバカはぴくぴくしていたが死んではいないようだ。

この手の悪人は自分が不利な時は低姿勢だが逆転すると嵩にかかって好き勝手するもんだ。

「これに懲りてアンナには手を出すなよ!」
この言葉に俺が何でこんな事をしているのか理解した様だ。胸を押さえて転がった状態から俺をゴルバカは憎々しげに見上げていた。

「返事は!」
スイッチをこれみよがしに見せて答えを強要する。

「わ、分かった。手出しはしないと誓う!」
と調子の良いことを言った。きっと嘘だ。

「まぁ、これはアンナに渡して、何かあったら使うように言って置くからな。」

何かを思案するゴルバカに言い募る。
「絶対に何もするなよ!振りじゃないからな!」

念押しをしたがほとぼりが冷めたら何かするかもな。でも、隠していた書類を街長のマクレガー•モンタル男爵様にでも送っておいてやればこいつも終わりだろう。

事のついでに蹴りをくれてなるとぐえっとうめいて、床に吐瀉物を吐いた。

部屋の外が騒がしくなってきたので俺は姿と気配を消して街長庁舎を後にした。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...