無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと王都

王都東地区冒険者ギルド

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夜明け間近までDとよろしくしていたヨハンナはチッチェの出してくれた朝食を食べていた。
もちろん、DもQTも一緒だ。
「食べたら冒険者ギルドに行くわ。QTも一緒に行くのよ」

QTは驚いたような顔をしてDの顔を見る。
「ヨハンナの言うとをよく聞いて頑張るんだ。俺は俺でやることがあるからな。」
「分かったよ」

QTが不満たらたらなのは見ていて分かったがこれもQTの為である。
「冒険者ギルドに行ったら色々やることがあるから、お願いね」
「•••うん」

やっぱりDといたから離れるのが嫌なのだろう。それはあたしも同じだ。一晩だけじゃD成分が足りない。今晩も此処に戻ってこないと。

「取り敢えず、冒険者ギルドに行って用事を済ませたら戻ってくるわ。Dは何時頃戻ってくる予定なの?」
「暫くぶりだから知り合い巡りをするつもりだ。まずは錬金術師ギルドからだな。それから商業ギルドくらいか。
明日以降は傭兵ギルドと冒険者ギルドになるか」
考えながらDが答える。

錬金術師ギルドに行くつもりならギルドマスターのランドルトだろう。
商業ギルドはギルドマスターのアリシアか、サブマスターのトレジイでしょうね。
傭兵ギルドはギルドマスターのジャジでしょ、『暁燿旅団』のヴォルンタリ、『緋空旅団』のアラド兄弟、『栄光旅団』のピアトラかしら。あ、でも緋空旅団のアラド兄弟は今は北方へ出てるって話だったかしら。
最後に冒険者ギルドってことね。

どこへ言ってもDは人気者だから時間かかるわね。
「D、ランドルトと飲んじゃ駄目よ!飲んだらきっと帰ってこれないわ!
夜はあたしと過ごす約束だからねぇ!」
これだけ強く言っても駄目かも知れない。冒険者ギルドから見張り出そうかしら。

「わ、分かったよ」
少しビビったDはそう言ったがあんまり当てにならない。

「まぁ、良いわ。さぁQT用意は良い?良ければ行くわよ」
あたしの言葉に目を白黒させていたQTはコクコク頷いてくれた。


Dの屋敷から王都東地区冒険者ギルドまでQTの足でも30分も掛からなかった。思ったよりQTの足が早いし、疲れも見えない。
スリなんかやっていたせいだろうか。まぁ冒険者になる見込みはあるということか。
冒険者ギルドに入ると職員の皆が挨拶をしてくる。挨拶を返しながら二階の執務室にQTを連れこむ。みんなQTを連れているので不審に思っているに違いない。
すると、筆頭受付嬢のランが部屋に入ってくる。ピンクブロンドの細い髪を緩やかにカールさせたボブカットの若い娘だ。胸も大きいがあたしには負けている。
「えっと、ヨハンナギルドマスター、この娘は?」

「紹介するわ。事情があってあたしが面倒を見ることになったキュウよ」
いつまでもQTでは呼びづらいし、万が一もあるので話し合ってこの呼び名にしたのだ。
「キュウ、この受付嬢は筆頭受付嬢のランよ。何かあったら相談すると良いわ。有能よ、ね、」

ランにウインクすると咳払いをされた。褒めてあげたのに何が不満か。
「で、私に何をさせたいんですか?」

流石に長年の付き合いがあるだけあって察しが良い。
「キュウを訓練場に連れて行って教官のゴルバルドに初心者冒険者カリュキュラムを受けさせてちょうだい。あたしは暫く事務処理の仕事をするわ」
頷いたランはキュウに声を掛けて連れ出す。
キュウには予め予定を言ってあるから大丈夫だろう。何かあればランから言ってくると思う。


◆◆筆頭受付嬢ラン視点◆◆
ざわつく冒険者ギルド内をヨハンナギルドマスターが小さな女の子を連れて入ってきた。
興味津々に皆の視線が集まるが気にもしないで階段を一緒に上がって行ったので慌てて後を追って執務室に入った。

いつも突拍子もない事をするギルドマスターだが昨日から様子がおかしかった。門兵の連絡員がやってきた途端に仕事を切り上げてどこかに行ってしまった。
出掛けに「今日は終わり!」と嬉しそうに出ていったので何かあったのだろうとは思っていたが、子連れで仕事場に来るとは思わなかった。

「こっちよ、キュウちゃん」
「えっと•••ちゃんは止めてくれる?一応16なので」
年齢を聞いて思わず立ち止まる。

「そうなの?ちょっと体の成長が余り良くない生活してたのかしら?」
「はぁ、まぁ」
言いたくないことは聞かないのが冒険者のルールだ。

「ランさんみたいなナイスバディになりたいとは思いますけど・・」
あら嫌だ、この娘ったらちゃんとホントのこと言えるじゃない。

「冒険者は身体が資本だからもっとしっかり食べないと駄目よ。ヨハンナさんのお世話になっているなら大丈夫だと思うけど。
いつから世話になっているの?」
さり気なく探りを入れる。

「えっと・・・昨日から?」
すると王都外から来たのだろう。で、ヨハンナさんのあの浮かれよう・・・
「まさか、ヨハンナさんの娘?」

あわあわとキュウが手を振って否定する。
「違います!ヨハンナさんそんなに行ってないでしょ!?」
「そうよね。確かにヨハンナさんは23だった筈。」
ヨハンナさん23なんだ、それでもあんなに・・・とキュウが小声で呟く。

「で、キュウは何処から来たの?」
探りを入れるのを諦めて歩きながらキュウに質問してみる。

「ヨークゼンってところですけど」
声に不安が帯びているから知らないと思っているようだ。

「知ってるわよ、うふ」
そう、答えた時には既に訓練場に着いていた。





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