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戦争と冒険者D
アロシア帝国
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アロシア帝国はドワーフにとって悪い国ではないようだ。鉱山も幾つもあるし、ドワーフの扱いも悪くないという。
ただ、貴族の奴らは威張り腐ってやがると錬金術師ランドルトは腐す。
アロシア帝国は歴史も古く、歴代の皇帝も強者が多い。ただ、今代の皇帝チオミル•プチンは強者ではなかった。
別名を鮮血帝と言われるほど帝位につくまで肉親を鏖殺して来ている。
先代バカミルの6男として生まれ、いずれは地方に追いやられるか、暗殺される運命だったのを頭脳を以てひっくり返したのだ。力無くして身を守ることは出来ない。
それはチオミルの母方の教えだったのか、早くしてチオミルは戦士を囲うようになる。早熟、周囲はチオミルをそう称した。
実際のところチオミルは5歳にして戦士王虎を自身の騎士に任じている。万攻不落の要塞テカンを単騎で落とした戦士王虎がチオミルに何を見たのかは判らないが、誇りにのみ生きる戦士王虎がチオミルに従ったのだ。
周りの者のチオミルを見る目も変わった。
ただの早熟では無く、将来の皇帝候補としての尊敬の念を獲得したのだ。
チオミルは次に自分に興味を持つもの達に自分の理想を語って見せた。
現皇帝バカミルの脆弱なる政治思考や放権主義、人民主義を批判したのだ。直接に批判すれば権威を蔑ろにした不敬罪を問われるが自分の理想を語ったのだ。それに魅せられた者達が更にチオミルに期待する。
その中で知略家と言われたグモイ•アラヌイがその右腕に就いた。
グモイに依って地位を終われ、権力を失った者は多い。その恐るべき男がチオミルと共に居た。グモイを登用しようとしたチオミルの兄弟も居たが誰にも首を縦に振らなかったのにチオミルの力となってその辣腕を振るう。
チオミルが12歳となる頃にはチオミルの兄弟は長兄のウール・プチンと次女のアネット•プチンのみだった。
チオミルには後押しをする貴族は伯爵程度だったのに対してウールもアネットも公爵が後援として居た。奸計をして蹴落とすことが出来なかった二人が残ったとも言えた。逆にウールもアネットもプチンの残虐性に恐怖していたのだ。
ただの謀略や力押しでは排除出来ないと知るやプチンは後援の侯爵を排除しに掛かった。
父バカミルに擦り寄る振りをしてバカミルの敵を葬る秘密監察を組織したのだ。バカミルの政策に同意しない者を取締り、不敬罪などで粛清していく。分からないように奸計に落とすのでなく、分かり易く恐怖で締め付けて侯爵達の手足を奪って行ったのだ。
そのおかげでバカミルの政策は進み、抵抗勢力は無くなりソビエント連邦帝国の議長だったアロシア帝国のバカミルが連邦を解散することになったのだ。結果的にチオミルの行為はソビエント連邦帝国の解体を助長したのだった。
解散の宣言はソビエント連邦帝国を分割して複数の共和国や帝国が分離していった。その中にはウクイラナ王国もあった。
アロシア帝国の西にあり、ソビエント連邦帝国の心臓とも呼ばれる程栄えていた国だった。ウクイラナ王国が分離することでソビエント連邦帝国を構成していた国々は国力を落とすことになる。
アロシア帝国と同じであった。忽ちにして共通金貨の価値が下落して食べ物は言うに及ばず、住むにも人々は価値を失って行った。
ソビエント連邦帝国はウクイラナ王国の経済力とアロシア帝国の権威に依って成り立っていた大国だったのだ。アロシア帝国からの強権が無くなったウクイラナ王国は狂喜乱舞したのだがそれも長く続かなかった。アロシア帝国を初め、他の国から難民が流入資はじめたからだ。
ソビエント連邦帝国が瓦解してしまって慌てたのはチオミルも一緒だった。だが、チオミルはこれを好機と捉え、父親のバカミルを幽閉、兄ウールを鏖殺、アネットを追放して、権力を掌握してしまった。
兄ウールを殺したのはその後援の侯爵が抵抗を見せたからで、姉アネットを追放したのはその後援の侯爵がチオミルに下ったからだった。
グモイは懸命にアネットも殺すように進言したがこれを拒否、逆にグモイを属国ベルーシ王国に送り込んだ。グモイはかねてから属国ベルーシ王国の国王に生ることを望んでいたからだ。
その動機はウクイラナ王国に対する妬みであった。しかしグモイにとってはこれも好機だった。というのも追放されたアネットが頼ったのがウクイラナ王国の貴族だったからだ。属国ベルーシがウクイラナ王国に攻め込むには建前が必要だったからだった。密かにウクイラナ王国に間者を潜ませ、アネットの反旗を理由に攻め込む積もりだったからだ。
そんな事まで知らないチオミルは国力を失って行くアロシア帝国を建て直す為に緩い連携を近郊の国々に打診して纏め始めた。
ソビエント連邦帝国からの脱却で国内が荒れ始めて居た近郊の国々はアロシア帝国の軍事力を当てにして協力してしまった。
元のソビエント連邦帝国の半分程度の国が連結する事で互いの利益を分け合う事が可能となり各地の人民の反乱は抑え込まれ、国を支配する貴族たちはその地位を安定させることに成功する。
そして、5年後のチオミルが20歳の時アネットの反旗を理由にウクイラナ王国に攻め入る事になったのだ。
次いでアロシア帝国に接するマジェント共和王国との小競り合いも始めたのである。
アロシア帝国内で台頭しつつあった帝国辺境伯ギルーラ・エッテンベルクに戦わせ、その力を削ぐと共にマジェント共和国のウクイラナ王国との戦争の介入を阻止する目的があった。
ただ、貴族の奴らは威張り腐ってやがると錬金術師ランドルトは腐す。
アロシア帝国は歴史も古く、歴代の皇帝も強者が多い。ただ、今代の皇帝チオミル•プチンは強者ではなかった。
別名を鮮血帝と言われるほど帝位につくまで肉親を鏖殺して来ている。
先代バカミルの6男として生まれ、いずれは地方に追いやられるか、暗殺される運命だったのを頭脳を以てひっくり返したのだ。力無くして身を守ることは出来ない。
それはチオミルの母方の教えだったのか、早くしてチオミルは戦士を囲うようになる。早熟、周囲はチオミルをそう称した。
実際のところチオミルは5歳にして戦士王虎を自身の騎士に任じている。万攻不落の要塞テカンを単騎で落とした戦士王虎がチオミルに何を見たのかは判らないが、誇りにのみ生きる戦士王虎がチオミルに従ったのだ。
周りの者のチオミルを見る目も変わった。
ただの早熟では無く、将来の皇帝候補としての尊敬の念を獲得したのだ。
チオミルは次に自分に興味を持つもの達に自分の理想を語って見せた。
現皇帝バカミルの脆弱なる政治思考や放権主義、人民主義を批判したのだ。直接に批判すれば権威を蔑ろにした不敬罪を問われるが自分の理想を語ったのだ。それに魅せられた者達が更にチオミルに期待する。
その中で知略家と言われたグモイ•アラヌイがその右腕に就いた。
グモイに依って地位を終われ、権力を失った者は多い。その恐るべき男がチオミルと共に居た。グモイを登用しようとしたチオミルの兄弟も居たが誰にも首を縦に振らなかったのにチオミルの力となってその辣腕を振るう。
チオミルが12歳となる頃にはチオミルの兄弟は長兄のウール・プチンと次女のアネット•プチンのみだった。
チオミルには後押しをする貴族は伯爵程度だったのに対してウールもアネットも公爵が後援として居た。奸計をして蹴落とすことが出来なかった二人が残ったとも言えた。逆にウールもアネットもプチンの残虐性に恐怖していたのだ。
ただの謀略や力押しでは排除出来ないと知るやプチンは後援の侯爵を排除しに掛かった。
父バカミルに擦り寄る振りをしてバカミルの敵を葬る秘密監察を組織したのだ。バカミルの政策に同意しない者を取締り、不敬罪などで粛清していく。分からないように奸計に落とすのでなく、分かり易く恐怖で締め付けて侯爵達の手足を奪って行ったのだ。
そのおかげでバカミルの政策は進み、抵抗勢力は無くなりソビエント連邦帝国の議長だったアロシア帝国のバカミルが連邦を解散することになったのだ。結果的にチオミルの行為はソビエント連邦帝国の解体を助長したのだった。
解散の宣言はソビエント連邦帝国を分割して複数の共和国や帝国が分離していった。その中にはウクイラナ王国もあった。
アロシア帝国の西にあり、ソビエント連邦帝国の心臓とも呼ばれる程栄えていた国だった。ウクイラナ王国が分離することでソビエント連邦帝国を構成していた国々は国力を落とすことになる。
アロシア帝国と同じであった。忽ちにして共通金貨の価値が下落して食べ物は言うに及ばず、住むにも人々は価値を失って行った。
ソビエント連邦帝国はウクイラナ王国の経済力とアロシア帝国の権威に依って成り立っていた大国だったのだ。アロシア帝国からの強権が無くなったウクイラナ王国は狂喜乱舞したのだがそれも長く続かなかった。アロシア帝国を初め、他の国から難民が流入資はじめたからだ。
ソビエント連邦帝国が瓦解してしまって慌てたのはチオミルも一緒だった。だが、チオミルはこれを好機と捉え、父親のバカミルを幽閉、兄ウールを鏖殺、アネットを追放して、権力を掌握してしまった。
兄ウールを殺したのはその後援の侯爵が抵抗を見せたからで、姉アネットを追放したのはその後援の侯爵がチオミルに下ったからだった。
グモイは懸命にアネットも殺すように進言したがこれを拒否、逆にグモイを属国ベルーシ王国に送り込んだ。グモイはかねてから属国ベルーシ王国の国王に生ることを望んでいたからだ。
その動機はウクイラナ王国に対する妬みであった。しかしグモイにとってはこれも好機だった。というのも追放されたアネットが頼ったのがウクイラナ王国の貴族だったからだ。属国ベルーシがウクイラナ王国に攻め込むには建前が必要だったからだった。密かにウクイラナ王国に間者を潜ませ、アネットの反旗を理由に攻め込む積もりだったからだ。
そんな事まで知らないチオミルは国力を失って行くアロシア帝国を建て直す為に緩い連携を近郊の国々に打診して纏め始めた。
ソビエント連邦帝国からの脱却で国内が荒れ始めて居た近郊の国々はアロシア帝国の軍事力を当てにして協力してしまった。
元のソビエント連邦帝国の半分程度の国が連結する事で互いの利益を分け合う事が可能となり各地の人民の反乱は抑え込まれ、国を支配する貴族たちはその地位を安定させることに成功する。
そして、5年後のチオミルが20歳の時アネットの反旗を理由にウクイラナ王国に攻め入る事になったのだ。
次いでアロシア帝国に接するマジェント共和王国との小競り合いも始めたのである。
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