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戦争と冒険者D
ドアン•エッテンベルク
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俺はインベントリから荒縄を取出してその不審者を縛り、顔を覆っていた覆面を外すと少し幼い女の顔が出てきた。
「やっぱりな」
暫くしてドタドタとローリンと団員達がやって来た。俺と転がっている不審者を見てローリンが言う。
「D、何があった?」
「ランドルトの部屋に忍び込んでた奴が居た。身包み剥いで無いから目的は分からんが刺客かもな」
その言葉にローリンの目が釣り上がる。不審者に近づくといきなり頭に蹴りを入れる。
「良い度胸だぜ!此処に忍び込んだ腕は褒めてやるがランドルトを狙った事は許せねえ!」
薄っすら意識を取り戻していたらしい不審者(女)の意識が刈り取られる。ローリンがおいと団員に声を掛けてランドルトの部屋から運び出して行くのを見て、振り返ってランドルトを見るとイビキを掻いてまだ寝ていた。
そういや、こいつは熟睡タイプだったなと思いながら、ランドルトの部屋を出てローリン達の後を追った。
◆ギルーラ•エッテンベルク視点◆
ギルーラは幼い頃からお人好しだった。父親は男爵家の長男でアロシア帝国の片隅に小さな所領を持っていたが可もなければ不可もない平凡な男だった。
なのに伯爵家の次女に惚れられ、嫁を貰うと子爵に陞爵した。伯爵の身内として扱われたのだ。夫婦仲は周りが引くほどで、伯爵は娘可愛さに義理息子に力は無いのにかなり甘い評価をしていた。
だからその子供達、つまりギルーラとドアンにはさらに甘々だった。それ故に与える教育は最高のものを与え、環境を整えた。
ただ、ギルーラとドアンには才能があった。スキルも剣技に関わる上位のスキルであり、みるみる腕を上げ、成人する頃には一般の騎士では相手にならない程であった。
それ故油断していたのだろう、ギルーラとドアンを連れて辺境の盗賊団相手の討伐で負傷して、それが元で亡くなった。父親は居なくても孫に甘々の伯爵は何くれと面倒を観て、ギルーラは子爵から辺境伯へと成れたのだった。その領地がアロシア帝国の南端のスエータ地方ではあったのだが。
ギルーラの戦闘での成果の陰にはドアンの功績があった。ドアンはギルーラの双子の弟であった。それも一卵双生児であり、母親には見分けが付いたが父親を初め、孫に甘い祖父にも見分けは付かなかった。
好みの女性も同じでありギルーラが愛した女性を同時に愛した。ギルーラとドアンが役割を交代しても愛された女性にはバレる事も無かった。
そのため、二人で一人の女性を妻とした。ギルーラが表に出るときはドアンが裏方を受け持った。ドアンが表に出るときはギルーラが裏方になった。ギルーラはドアンであり、ドアンはギルーラであった。
だからギルーラはドアンが不満を抱えていることを知らなかった。
ソビエント連邦帝国が瓦解してアロシア帝国から周りの国々が離れてもギルーラはアロシア帝国に忠誠を誓っていた。スエータ地方には魔物は豊富にいても食料生産能力が皆無と言っても良いほど低調だったからだ。
チオミル•プチンがアロシア帝国皇帝になるとウクイラナ王国に攻め入る騎士の要求が頻繁になされた。ギルーラの配下には強力な騎士が多かった事もあったが山越えがあるとはいえマジェント共和王国と接している事で数はかなり免除されていた。
そして、チオミル•プチンアロシア帝国皇帝がウクイラナ王国との戦争を始めたせいで山越えをしてマジェント共和王国のスリム•ライザップ辺境伯が攻撃を仕掛けていていた。どういう事か分からないが騎士をウクイラナ王国に送ったその後に攻撃を仕掛けられていて、ドアンは内通者を疑っていた。
密閉されたような城の城郭の内部には数千人の人々が暮らしていたがお互いの協力がなければ成り立たない。それ故ギルーラは外部からの商人などを疑っていた。
商人を疑って見張ってはみたものの、騎士を送れば直ぐに攻撃を受けているので商人である確証は得られて居なかった。そのため、ドアンの主張もあながち間違い無いのだろうかと考えて居た。
数度の交戦はあったもののマジェント共和王国のスリム•ライザップ辺境伯軍を完全に追い返していた。練度の高い騎士の力は負けては居なかった。
そんな折にマジェント共和王国に送り込んで居た間諜から恐ろしい情報がやって来た。魔導具による空からの攻撃を手とする傭兵が雇われたという情報だった。
情報は不確かだったがドアンはその傭兵を脅威と看做して盛んに暗殺をギルーラに要請した。最初は拒否していたギルーラだったが、実際の交戦に相手が出てきた時にその恐ろしさを実感してしまった。
魔法や投石機が届かない高度からの魔法攻撃に加え、翼竜じみた魔導具に見に包んだ傭兵達に手が出なかった。
傭兵達の数が少なく、攻撃も単発が多かったので何とか、犠牲は出たものの追い返す事が出来た。だが、マジェント共和王国のスリム•ライザップ辺境伯軍は事もあろうか、スエータの地の山沿いに陣を構えたのだ。
いつもなら山を戻り、姿を消していたのに。
嫌な予感しかしなかった。
「やっぱりな」
暫くしてドタドタとローリンと団員達がやって来た。俺と転がっている不審者を見てローリンが言う。
「D、何があった?」
「ランドルトの部屋に忍び込んでた奴が居た。身包み剥いで無いから目的は分からんが刺客かもな」
その言葉にローリンの目が釣り上がる。不審者に近づくといきなり頭に蹴りを入れる。
「良い度胸だぜ!此処に忍び込んだ腕は褒めてやるがランドルトを狙った事は許せねえ!」
薄っすら意識を取り戻していたらしい不審者(女)の意識が刈り取られる。ローリンがおいと団員に声を掛けてランドルトの部屋から運び出して行くのを見て、振り返ってランドルトを見るとイビキを掻いてまだ寝ていた。
そういや、こいつは熟睡タイプだったなと思いながら、ランドルトの部屋を出てローリン達の後を追った。
◆ギルーラ•エッテンベルク視点◆
ギルーラは幼い頃からお人好しだった。父親は男爵家の長男でアロシア帝国の片隅に小さな所領を持っていたが可もなければ不可もない平凡な男だった。
なのに伯爵家の次女に惚れられ、嫁を貰うと子爵に陞爵した。伯爵の身内として扱われたのだ。夫婦仲は周りが引くほどで、伯爵は娘可愛さに義理息子に力は無いのにかなり甘い評価をしていた。
だからその子供達、つまりギルーラとドアンにはさらに甘々だった。それ故に与える教育は最高のものを与え、環境を整えた。
ただ、ギルーラとドアンには才能があった。スキルも剣技に関わる上位のスキルであり、みるみる腕を上げ、成人する頃には一般の騎士では相手にならない程であった。
それ故油断していたのだろう、ギルーラとドアンを連れて辺境の盗賊団相手の討伐で負傷して、それが元で亡くなった。父親は居なくても孫に甘々の伯爵は何くれと面倒を観て、ギルーラは子爵から辺境伯へと成れたのだった。その領地がアロシア帝国の南端のスエータ地方ではあったのだが。
ギルーラの戦闘での成果の陰にはドアンの功績があった。ドアンはギルーラの双子の弟であった。それも一卵双生児であり、母親には見分けが付いたが父親を初め、孫に甘い祖父にも見分けは付かなかった。
好みの女性も同じでありギルーラが愛した女性を同時に愛した。ギルーラとドアンが役割を交代しても愛された女性にはバレる事も無かった。
そのため、二人で一人の女性を妻とした。ギルーラが表に出るときはドアンが裏方を受け持った。ドアンが表に出るときはギルーラが裏方になった。ギルーラはドアンであり、ドアンはギルーラであった。
だからギルーラはドアンが不満を抱えていることを知らなかった。
ソビエント連邦帝国が瓦解してアロシア帝国から周りの国々が離れてもギルーラはアロシア帝国に忠誠を誓っていた。スエータ地方には魔物は豊富にいても食料生産能力が皆無と言っても良いほど低調だったからだ。
チオミル•プチンがアロシア帝国皇帝になるとウクイラナ王国に攻め入る騎士の要求が頻繁になされた。ギルーラの配下には強力な騎士が多かった事もあったが山越えがあるとはいえマジェント共和王国と接している事で数はかなり免除されていた。
そして、チオミル•プチンアロシア帝国皇帝がウクイラナ王国との戦争を始めたせいで山越えをしてマジェント共和王国のスリム•ライザップ辺境伯が攻撃を仕掛けていていた。どういう事か分からないが騎士をウクイラナ王国に送ったその後に攻撃を仕掛けられていて、ドアンは内通者を疑っていた。
密閉されたような城の城郭の内部には数千人の人々が暮らしていたがお互いの協力がなければ成り立たない。それ故ギルーラは外部からの商人などを疑っていた。
商人を疑って見張ってはみたものの、騎士を送れば直ぐに攻撃を受けているので商人である確証は得られて居なかった。そのため、ドアンの主張もあながち間違い無いのだろうかと考えて居た。
数度の交戦はあったもののマジェント共和王国のスリム•ライザップ辺境伯軍を完全に追い返していた。練度の高い騎士の力は負けては居なかった。
そんな折にマジェント共和王国に送り込んで居た間諜から恐ろしい情報がやって来た。魔導具による空からの攻撃を手とする傭兵が雇われたという情報だった。
情報は不確かだったがドアンはその傭兵を脅威と看做して盛んに暗殺をギルーラに要請した。最初は拒否していたギルーラだったが、実際の交戦に相手が出てきた時にその恐ろしさを実感してしまった。
魔法や投石機が届かない高度からの魔法攻撃に加え、翼竜じみた魔導具に見に包んだ傭兵達に手が出なかった。
傭兵達の数が少なく、攻撃も単発が多かったので何とか、犠牲は出たものの追い返す事が出来た。だが、マジェント共和王国のスリム•ライザップ辺境伯軍は事もあろうか、スエータの地の山沿いに陣を構えたのだ。
いつもなら山を戻り、姿を消していたのに。
嫌な予感しかしなかった。
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