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戦争と冒険者D
訪れる者2
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受付嬢アンナ。
アルマにとっては先輩として親近感を抱いた相手だった。私生活は少し乱れていると他の受付嬢から聞いてはいたが、アルマには優しく丁寧に仕事を教えてくれる良い先輩だった。
だからあんな事件があった時、冒険者デイにアンナの事を伝えたのだ。アンナが無事だったらしいことは分かったがその後冒険者デイの姿を見ることは無くなった。
アンナも挨拶もそこそこに交易の街ダゾンから姿を消した。
アルマのスキル『無権』は探し求めているスキル『無貌』に極めて近しいスキルである。それ故か、スキル『無貌』を持つ存在を感知する。
誰がスキル『無貌』を持っているのかは分からないが自分の近くに居るか居ないかが何となく分かるレベルではあるが、冒険者デイが居なくなってスキル『無貌』の持ち主の存在を感じなくなったので、冒険者デイを疑っていたのだった。
アンナが友達と思われる女性と一緒だった為に声を掛けるか迷った。交易の街ダゾンではマリリンを名乗って居たからここで声を掛ければマリリンと思うだろう。
受付嬢がこんな北部の辺鄙な街にいることを疑われるかも知れない。だからといってアルマの本名を名乗るのも何故か違うような気もした。
スキル『無権』の力は一度使った相手には二度と効かない。だからアンナに別人と認識させるのも無理がある。それによく見ると隣のテーブルの女性達も仲間のようだ。出来ればアンナ一人の時に声を掛けたい。
迷って居ると自分が声を掛けられた。
「おお、おお、アルマさんじゃ無いですか!」
嬉しそうに声をかけてきたのは商人コメツキ•バッタだった。
アルマの許可も得ずに同席して話を続ける。
「こんな場所でアルマさんに会えるなんて運命を感じますね。」
偶然なんてとても思えない。下手をするとあたしの宿を知っていて此処に来たのかも知れない。アルマが疑心暗鬼になっているのも知らず商人コメツキ•バッタが話を続ける。
「ありゃま!これは大皿料理ではありませんか!お一人で食べられるものではありませんよ。界隈の傭兵でも食べ切れる者は少ないですよ?」
余りツンケンしたくないので気持ちを落ち着けて答えた。
「そうなんですか?あたしはこのあたりの料理を知らなくて頼んじゃったみたいですねえ」
周りを見回す振りをしてアンナの居た場所を見ると席を立って居なくなっていた。その様子を見た商人コメツキ•バッタが言った。
「誰か探しているんですか?前に言っていた冒険者が見つかったのですか?」
「いいえ、知り合いが居たような気がして・・・」
「はぁなるほど。そう言えば私達がヘゼワントに来る直前にかなり高貴な貴族が冒険者の護衛を連れて来たそうですよ。ハサイエル侯爵のご令嬢で名前は確か・・・アンナ、だったかな?」
「アンナ?」
アルマは一瞬、自分の知っているアンナを想像し、地方の冒険者ギルドの受付嬢を高位貴族の娘がする訳が無いと否定した。
「へー、そうなんですか。流石に商人ですね、いろんな事をご存知ですね、コメツキ様は。」
あのアンナの姿も見えなくなってしまった事からアルマは商人コメツキ•バッタの情報力を利用することにした。
「この北の辺境のヘゼワントに来てるって聞いたのに見つからないんですよ。冒険者ギルドに居ないようなんです。」
商人コメツキ•バッタは少し考えるように言った。
「ん~、ここは傭兵の街ですからねぇ~。あっ、そうだ。もしかしたら傭兵団に雇われているかも知れませんよ。それだとすれば冒険者ギルドに来ない場合もありますから」
商人コメツキ•バッタの言葉は驚きだった。
冒険者は他の街に行ったら必ず冒険者ギルドに顔を出すものと思っていたのだ。
「確かに冒険者ギルドを通して仕事をする場合は必要なんですが、傭兵の仕事は冒険者ギルドを通しませんからね。それと、傭兵が冒険者になることも多いから、そんな繋がりで仕事もするみたいですよ。」
「コメツキ様は傭兵団に詳しいですか?」
商人コメツキ•バッタは困ったように頬を掻きながら言った。
「余り詳しく無いですが聞いた範囲では半年以内でやって来た傭兵団は・・・確か、ムラクモ•ゾーン率いる『無限』、クルシュ・ラインの『虹翼の力』、アラド兄弟の『緋空旅団』ですかねえ。何処もそこそこに大きい傭兵団ですよ。」
「なるほど!ありがとうございます。聞いてみます!」
アルマの喜びように商人コメツキ•バッタは返って困惑する。
「ああ、でもうら若い女性が荒くれの傭兵団に行っては危険かも知れませんよ。出来れば行かない方が良いと思います。」
「あ、いやでも。あたしが行かないと聞けないし、誰が他の人に聞いてもらう訳にも・・・知り合いいないし・・・」
ここは男を見せてアルマの気を引かねばと商人コメツキ•バッタは思ってしまった。
「良ければ私が聞いてまいりましょうか?私ならば仕事絡みで聞いても角が経ちませんし。」
「え?いや。コメツキ様にそこまで頼る訳にはいかないですよ、悪いですし。」
「いいえ、大丈夫です!アルマさんの為なら不肖コメツキお力になります!」
渋るアルマを押して商人コメツキ•バッタは協力を申し出た。
「どうしてコメツキ様は私に親切にしてくださるんです?」
顔を真っ赤に染めて横を向いて商人コメツキ•バッタは言った。
「もちろん、アルマさんに惚れたという事もあるんですが、私が商人になる決心をした目標の伝説の大商人『べゼット•ワイグマ』の言葉にこうあるんです。
『商人に大事なのは人の心を揺さぶる縁である』
王都の危機を救って、消えた商人です!」
アルマにとっては先輩として親近感を抱いた相手だった。私生活は少し乱れていると他の受付嬢から聞いてはいたが、アルマには優しく丁寧に仕事を教えてくれる良い先輩だった。
だからあんな事件があった時、冒険者デイにアンナの事を伝えたのだ。アンナが無事だったらしいことは分かったがその後冒険者デイの姿を見ることは無くなった。
アンナも挨拶もそこそこに交易の街ダゾンから姿を消した。
アルマのスキル『無権』は探し求めているスキル『無貌』に極めて近しいスキルである。それ故か、スキル『無貌』を持つ存在を感知する。
誰がスキル『無貌』を持っているのかは分からないが自分の近くに居るか居ないかが何となく分かるレベルではあるが、冒険者デイが居なくなってスキル『無貌』の持ち主の存在を感じなくなったので、冒険者デイを疑っていたのだった。
アンナが友達と思われる女性と一緒だった為に声を掛けるか迷った。交易の街ダゾンではマリリンを名乗って居たからここで声を掛ければマリリンと思うだろう。
受付嬢がこんな北部の辺鄙な街にいることを疑われるかも知れない。だからといってアルマの本名を名乗るのも何故か違うような気もした。
スキル『無権』の力は一度使った相手には二度と効かない。だからアンナに別人と認識させるのも無理がある。それによく見ると隣のテーブルの女性達も仲間のようだ。出来ればアンナ一人の時に声を掛けたい。
迷って居ると自分が声を掛けられた。
「おお、おお、アルマさんじゃ無いですか!」
嬉しそうに声をかけてきたのは商人コメツキ•バッタだった。
アルマの許可も得ずに同席して話を続ける。
「こんな場所でアルマさんに会えるなんて運命を感じますね。」
偶然なんてとても思えない。下手をするとあたしの宿を知っていて此処に来たのかも知れない。アルマが疑心暗鬼になっているのも知らず商人コメツキ•バッタが話を続ける。
「ありゃま!これは大皿料理ではありませんか!お一人で食べられるものではありませんよ。界隈の傭兵でも食べ切れる者は少ないですよ?」
余りツンケンしたくないので気持ちを落ち着けて答えた。
「そうなんですか?あたしはこのあたりの料理を知らなくて頼んじゃったみたいですねえ」
周りを見回す振りをしてアンナの居た場所を見ると席を立って居なくなっていた。その様子を見た商人コメツキ•バッタが言った。
「誰か探しているんですか?前に言っていた冒険者が見つかったのですか?」
「いいえ、知り合いが居たような気がして・・・」
「はぁなるほど。そう言えば私達がヘゼワントに来る直前にかなり高貴な貴族が冒険者の護衛を連れて来たそうですよ。ハサイエル侯爵のご令嬢で名前は確か・・・アンナ、だったかな?」
「アンナ?」
アルマは一瞬、自分の知っているアンナを想像し、地方の冒険者ギルドの受付嬢を高位貴族の娘がする訳が無いと否定した。
「へー、そうなんですか。流石に商人ですね、いろんな事をご存知ですね、コメツキ様は。」
あのアンナの姿も見えなくなってしまった事からアルマは商人コメツキ•バッタの情報力を利用することにした。
「この北の辺境のヘゼワントに来てるって聞いたのに見つからないんですよ。冒険者ギルドに居ないようなんです。」
商人コメツキ•バッタは少し考えるように言った。
「ん~、ここは傭兵の街ですからねぇ~。あっ、そうだ。もしかしたら傭兵団に雇われているかも知れませんよ。それだとすれば冒険者ギルドに来ない場合もありますから」
商人コメツキ•バッタの言葉は驚きだった。
冒険者は他の街に行ったら必ず冒険者ギルドに顔を出すものと思っていたのだ。
「確かに冒険者ギルドを通して仕事をする場合は必要なんですが、傭兵の仕事は冒険者ギルドを通しませんからね。それと、傭兵が冒険者になることも多いから、そんな繋がりで仕事もするみたいですよ。」
「コメツキ様は傭兵団に詳しいですか?」
商人コメツキ•バッタは困ったように頬を掻きながら言った。
「余り詳しく無いですが聞いた範囲では半年以内でやって来た傭兵団は・・・確か、ムラクモ•ゾーン率いる『無限』、クルシュ・ラインの『虹翼の力』、アラド兄弟の『緋空旅団』ですかねえ。何処もそこそこに大きい傭兵団ですよ。」
「なるほど!ありがとうございます。聞いてみます!」
アルマの喜びように商人コメツキ•バッタは返って困惑する。
「ああ、でもうら若い女性が荒くれの傭兵団に行っては危険かも知れませんよ。出来れば行かない方が良いと思います。」
「あ、いやでも。あたしが行かないと聞けないし、誰が他の人に聞いてもらう訳にも・・・知り合いいないし・・・」
ここは男を見せてアルマの気を引かねばと商人コメツキ•バッタは思ってしまった。
「良ければ私が聞いてまいりましょうか?私ならば仕事絡みで聞いても角が経ちませんし。」
「え?いや。コメツキ様にそこまで頼る訳にはいかないですよ、悪いですし。」
「いいえ、大丈夫です!アルマさんの為なら不肖コメツキお力になります!」
渋るアルマを押して商人コメツキ•バッタは協力を申し出た。
「どうしてコメツキ様は私に親切にしてくださるんです?」
顔を真っ赤に染めて横を向いて商人コメツキ•バッタは言った。
「もちろん、アルマさんに惚れたという事もあるんですが、私が商人になる決心をした目標の伝説の大商人『べゼット•ワイグマ』の言葉にこうあるんです。
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