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冒険者Dと近隣国
戦闘2
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俺が駆け出すと同時にムスタファは下がり、控えていたハガン、ザガン、ラガン兄弟が前に出た。
真ん中のザガンが背の高さを活かして飛び掛りながら上段から細剣を振り下ろす。左右どちらかに避ければハガンが左から、ラガンが右側から切り掛かって来るだろう。
真っ直ぐに後ろへ下がれば振り降ろされた細剣をザガンが斬り上げて更に詰めて来る。3位一体の攻撃と言うものだ。
ハガン、ラガンの位置取りも連携に慣れた者の素晴らしさだ。
だが俺はザガンの踏み込みよりも力強く前に出て、ザガンの懐に入り、交差した両手に魔剣『グライカナル』を召喚して、振るう。
ザガンに逃げ場は無い、魔剣『グライカナル』に胸を斬られる筈だ。
ところがザガンが空中を蹴ってそれを避けて高く飛んだ。
なるほど、ザガンはスキル『空歩』が使えるようだ。空振りに終わって隙を見せている俺にハガンとラガンの細剣が迫って来た。
眼の前の離れた所でムスタファが腰に手をやり、闘気を練って居るのが見えた。あの構えからすると『剛闘気』だろう。
俺にも使えるが闘気錬の為のタイムラグが必要なんだよな。なら、ムスタファの次の手は見えたな。
俺の後方から迫る細剣を後転してやり過ごし、俺も空歩で空中に飛び上がると天井を蹴って勢いを付けたザガンが細剣で切り掛かって来た。
俺の動きを良く見てやがる。更に俺は空歩で前転して避けた。
床に足が着くやいなや俺は床を蹴り、闘気を練っていたムスタファに迫る。前転して着地したザガンと水平斬りを空振ったハガンとラガンが俺の後方から迫って来た。
3人とも中々の身体強化だぜ。俺と変わらないレベルだな。
だが、遅い。
俺は魔剣『グライカナル』を収納して大剣を取出して両手に構えて、ムスタファに後一歩迄に迫り振るった。
切先は『剛闘気』の構えのムスタファの喉元に届く。俺の大剣が半分程振るわれた時にムスタファの両手が突出され剛闘気が放たれた。
ゴォーッ!
大きな音と共に闘気ごと空気が押し出され、前進していた俺の勢いが削がれ、更には後ろに飛ばされた。強風に振るっていた大剣も片手持ちにさせられて俺は後に転がった。
一回転したところで膝立ちで大剣を背に充ててハガンとラガンの細剣が首筋を狙ってくるのを防いだ。細剣を弾くと同時に大剣を振り回す。
細剣が弾かれるとバカンとラガンは勢いのまま俺から飛び退く。
チッ、少しぐらいくらいやがれ。
心のなかで愚痴りながら俺はそのまま練気する。
俺を吹き飛ばしたムスタファは滑るような足運びで俺に迫ってくる。俺を休ませる積りは無いようだ。
背中に向けて突き刺すような殺気を向けてくるザガンの細剣が文字通り俺のうなじに当たるが首筋を滑るように逸れていく。
ザガンの驚きが細剣を通じて流れて来るのを感じながら大剣の柄をザガンを振り返らずに当てて、前に受け流す。
ドガッ
場にそぐわない音を立ててザガンが俺の前で仰向けに倒れる。
練気は不十分ながら俺は立ち上がり遠心力の付いた大剣を防具の無いザガンの鳩尾に突き立てた。
剣先が半分程しか刺さらないが大剣を引き摺るように俺は前に出た。大したダメージには成らないが意地悪みたいなもんだ。
目前にはムスタファの右の剛腕が迫っているが俺は首を傾げて躱す。チリチリと頬を闘気が擦れる。
空かさすムスタファの左の剛腕が眼の前に迫って来た。
俺は身体を沈めながら左に移動して剛腕を避け、大剣を後に振るうとラガンの物らしき細剣が羽鹿れる音がした。
大剣の遠心力で身体を捻り、後に目を遣るとハガンの二の腕に剣先が走って行くのを確認した。
ラガンとハガンが同時に攻撃してくるのを感じていたがどうやらハガンは俺の大剣を避け損なったらしい。ハガンの二の腕から血飛沫が飛ぶ。
腰を落として踵で回転してムスタファに向いた時に俺が見たものは左の剛腕を躱されたムスタファが身体を捻り上げて右の踵を俺の顔めがけて落としている姿だった。
避ける間もなくムスタファの踵が俺の顔に突き刺さり、俺は床に這いつくばった。
・・・筈だった。
ムスタファが見たものは自分の踵落としで腹を蹴破られ内蔵を飛び出させたザガンだった。ザガンがいた場所には冷や汗を流している俺がいた。
ゆっくりと立ち上がるとムスタファが口を開いた。
「妙な魔法・・・じゃあねぇ、スキルか。それに流闘気も使うようだな。」
とっさに位置交換でザガンと代わって無かったら良いのを貰ってた。たとえ流闘気で力を逃したとしてもかなりのダメージだったろう。
「あんたの剛闘気も恐ろしいな。逃し切れなかったぜ。」
俺の頬から血が滴る。剛闘気を逃してなお、ダメージを食らっていた。
剛闘気とは体内の闘気を勁さに振り切り力を上げる使い方だ。流闘気とは闘気を巡らせ、力を逃し、流す使い方だ。他にも柔闘気とかある。
魔力を使って似たような事ができるがこれは『纒』と言って別の技術だ。
ムスタファとバカンは無事だが、ザガンは虫の息、ハガンの二の腕は傷で上がらない。
滴ってきた血を舐めて俺は笑った。
「ゾクゾクするぜ!」
真ん中のザガンが背の高さを活かして飛び掛りながら上段から細剣を振り下ろす。左右どちらかに避ければハガンが左から、ラガンが右側から切り掛かって来るだろう。
真っ直ぐに後ろへ下がれば振り降ろされた細剣をザガンが斬り上げて更に詰めて来る。3位一体の攻撃と言うものだ。
ハガン、ラガンの位置取りも連携に慣れた者の素晴らしさだ。
だが俺はザガンの踏み込みよりも力強く前に出て、ザガンの懐に入り、交差した両手に魔剣『グライカナル』を召喚して、振るう。
ザガンに逃げ場は無い、魔剣『グライカナル』に胸を斬られる筈だ。
ところがザガンが空中を蹴ってそれを避けて高く飛んだ。
なるほど、ザガンはスキル『空歩』が使えるようだ。空振りに終わって隙を見せている俺にハガンとラガンの細剣が迫って来た。
眼の前の離れた所でムスタファが腰に手をやり、闘気を練って居るのが見えた。あの構えからすると『剛闘気』だろう。
俺にも使えるが闘気錬の為のタイムラグが必要なんだよな。なら、ムスタファの次の手は見えたな。
俺の後方から迫る細剣を後転してやり過ごし、俺も空歩で空中に飛び上がると天井を蹴って勢いを付けたザガンが細剣で切り掛かって来た。
俺の動きを良く見てやがる。更に俺は空歩で前転して避けた。
床に足が着くやいなや俺は床を蹴り、闘気を練っていたムスタファに迫る。前転して着地したザガンと水平斬りを空振ったハガンとラガンが俺の後方から迫って来た。
3人とも中々の身体強化だぜ。俺と変わらないレベルだな。
だが、遅い。
俺は魔剣『グライカナル』を収納して大剣を取出して両手に構えて、ムスタファに後一歩迄に迫り振るった。
切先は『剛闘気』の構えのムスタファの喉元に届く。俺の大剣が半分程振るわれた時にムスタファの両手が突出され剛闘気が放たれた。
ゴォーッ!
大きな音と共に闘気ごと空気が押し出され、前進していた俺の勢いが削がれ、更には後ろに飛ばされた。強風に振るっていた大剣も片手持ちにさせられて俺は後に転がった。
一回転したところで膝立ちで大剣を背に充ててハガンとラガンの細剣が首筋を狙ってくるのを防いだ。細剣を弾くと同時に大剣を振り回す。
細剣が弾かれるとバカンとラガンは勢いのまま俺から飛び退く。
チッ、少しぐらいくらいやがれ。
心のなかで愚痴りながら俺はそのまま練気する。
俺を吹き飛ばしたムスタファは滑るような足運びで俺に迫ってくる。俺を休ませる積りは無いようだ。
背中に向けて突き刺すような殺気を向けてくるザガンの細剣が文字通り俺のうなじに当たるが首筋を滑るように逸れていく。
ザガンの驚きが細剣を通じて流れて来るのを感じながら大剣の柄をザガンを振り返らずに当てて、前に受け流す。
ドガッ
場にそぐわない音を立ててザガンが俺の前で仰向けに倒れる。
練気は不十分ながら俺は立ち上がり遠心力の付いた大剣を防具の無いザガンの鳩尾に突き立てた。
剣先が半分程しか刺さらないが大剣を引き摺るように俺は前に出た。大したダメージには成らないが意地悪みたいなもんだ。
目前にはムスタファの右の剛腕が迫っているが俺は首を傾げて躱す。チリチリと頬を闘気が擦れる。
空かさすムスタファの左の剛腕が眼の前に迫って来た。
俺は身体を沈めながら左に移動して剛腕を避け、大剣を後に振るうとラガンの物らしき細剣が羽鹿れる音がした。
大剣の遠心力で身体を捻り、後に目を遣るとハガンの二の腕に剣先が走って行くのを確認した。
ラガンとハガンが同時に攻撃してくるのを感じていたがどうやらハガンは俺の大剣を避け損なったらしい。ハガンの二の腕から血飛沫が飛ぶ。
腰を落として踵で回転してムスタファに向いた時に俺が見たものは左の剛腕を躱されたムスタファが身体を捻り上げて右の踵を俺の顔めがけて落としている姿だった。
避ける間もなくムスタファの踵が俺の顔に突き刺さり、俺は床に這いつくばった。
・・・筈だった。
ムスタファが見たものは自分の踵落としで腹を蹴破られ内蔵を飛び出させたザガンだった。ザガンがいた場所には冷や汗を流している俺がいた。
ゆっくりと立ち上がるとムスタファが口を開いた。
「妙な魔法・・・じゃあねぇ、スキルか。それに流闘気も使うようだな。」
とっさに位置交換でザガンと代わって無かったら良いのを貰ってた。たとえ流闘気で力を逃したとしてもかなりのダメージだったろう。
「あんたの剛闘気も恐ろしいな。逃し切れなかったぜ。」
俺の頬から血が滴る。剛闘気を逃してなお、ダメージを食らっていた。
剛闘気とは体内の闘気を勁さに振り切り力を上げる使い方だ。流闘気とは闘気を巡らせ、力を逃し、流す使い方だ。他にも柔闘気とかある。
魔力を使って似たような事ができるがこれは『纒』と言って別の技術だ。
ムスタファとバカンは無事だが、ザガンは虫の息、ハガンの二の腕は傷で上がらない。
滴ってきた血を舐めて俺は笑った。
「ゾクゾクするぜ!」
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