無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

荒稼ぎ

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まぁ常設依頼はコンプリートするにして、他に塩漬け案件は無いかと受付嬢を問い詰める。
やたらと素直そうな受付嬢ミュリエルに笑顔を向ける。
「俺は誰にも出来ない難度の依頼をやっつけるのが好きなんだよ。」
「でも、D様。依頼を失敗すれば違約金が発生しますわよ」
「おいおい、俺のことを心配してくれるのかい。優しいなあ、ミュリエルは」

受付嬢ミュリエルは頬を染めてモゴモゴと俯く。おお、あとちょっとで落ちそうだぜ。
「そうさなあ、もし失敗したら俺を慰めてくれ。勿論上手く行ったら依頼成功と言う事で俺にミュリエルを奢らせてくれよ。」

どっちにしてもミュリエルとデートする約束を取付ける。
「はあ~、D様の押しには負けました。ではこちらのA級依頼は如何でしょう」

ミュリエルが提示してきた依頼はふたつあった。

一つは婦人行方不明事件の解決だった。
妙齢の婦人が月イチで行方不明になる事件が既に5件程発生していて未解決と言うものだった。勿論大都市バラナビィーチの騎士や兵士達が捜査しているが解決を見ない為に冒険者を頼ったと言う事だ。解決報酬は金貨10枚。他に婦人の配偶者から懸賞金の金貨50枚を最大掛けてくれているので総額金貨200枚超になる。
解決期限は30日。早ければ早期解決金が日に金貨1枚が追加されると言うものだ。ワォ、10日で解決したら最大金貨220枚をゲットだぜ。

一つは海獣リバイスによる漁獲の減少と言うものだ。
海獣リバイスはリバイアサンの幼体とも言われる海の魔物でサイズが小さいがリバイアサンに良く似ている。とは言っても大きさは20mオーバーである。リバイアサンは伝説級の魔物で神獣と崇められる程の力と100mを越える大きさがあるのだ。
その海獣リバイスが理由は不明ではあるがヴァルメル河流域で見つかっているのだ。海獣リバイスが居るせいで魚が皆逃げているか、食べられているのでは無いかと推測されている。
解決報酬は金貨10枚。海獣リバイスを狩る事が出来ればこれまた金貨100枚は堅いと思われる。
こちらの解決期限は10日。早期解決金は無しだ。まぁ金を出しているのが漁業協同組合が出資だから仕方ねえ。
「じゃあ、両方受けるか」

ミュリエルが両手を口に当てて驚きの声を上げる。
「ちょ、ちょっとぉー!D様!解決期限10日だって厳しいのに複数の依頼を一人で解決なんて絶対に無理ですよぉー!」
「あははははは」

俺が笑っていると女だらけのパーティが近付いて来て、俺の肩を小突いた。
「おい!何を笑ってやがる。」

ミリュエルが俺の肩に手を掛けた女に向かって言った。
「あ!テンペストのリーダーさん!」

テンペストのリーダーが乱暴な口調でミリュエルに叫んだ。
「おい、コラ!ミュリエル!こんな訳の分からん風来坊にA級依頼の話をシテやがんだ!」

口を尖らせながらミリュエルは弁解した。
「えー!だってご婦人方の行方不明事件をテンペストの皆さんが解決出来なかったからこちらのD様にお願いしようとしてるんですよぅ?」

スキュラと呼ばれた女はいわゆるビキニアーマーに大きなコートを来た茶髪ポニテの女だった。
目の色は黒く鋭く釣りあがっていた。だけど胸部装甲はアンナにも負けない厚さだ。くびれたウェストもなかなかシックスパックで味力だ。

背中に両刃の大剣を担いでいる。
パーティは6人らしく様々な風貌洋装の女達が従っていた。
「なんだと、コラ!喧嘩売ってんのか!」

そこは俺が割って入る。
「おいおい、依頼失敗を指摘されて逆ギレしてんじゃねえよ。受付嬢相手にみっともないぜ!」
「そうですよぉ~、それにギルド内では喧嘩ご法度ですよぉ~」

なかなかにミュリエルも煽るな。
「チッ、てめえ覚えてろよ!・・・ニヤけてるそこのクソ野郎もだぜ!」
「おいおい、行っちゃうのか?俺に事件の情報を売り付ける積りだったんじゃないのか?」

俺がテンペストのリーダーのスキュラに問い掛ける。
「チッ、止めだ止め。そうする積もりだったがてめえの顔が気に食わねえ!おい、みんな行くぞ!」

スキュラは仲間に声を掛けてギルドを出ていこうとすると他のメンバーシップがスキュラに文句を言いながら付いていく。
「ああ、行っちまったな」
「大丈夫ですよ。ギルドで纏めた資料がここにそれぞれ金貨1枚で売ってます。」

俺はミュリエルの顔を見て呆れた。
「な・ん・だ・と?売りもんか?」
「はい。必要経費と思ってくださいね」

俺は腰の巾着から金貨を2枚出してミュリエルの掌にしっかりと渡す。白くて細い指の感触を楽しむとミュリエルが言った。
「テンペストは6人組のA級パーティですよ。実績も実力もバラナビィーチ冒険者ギルド有数です。D様大丈夫ですか?違約金を払うようならデートも有りませんからね」

俺は買った資料をペラペラめくってミュリエルに言う。
「おう、任せとけ。その代わり旨い店を探しておけよ!」

見終わった資料を懐に入れながら俺は冒険者ギルドを出て行く。
俺とテンペストのやり取りを遠巻きに見ていた冒険者の視線を感じながらこれからの手を考えていた。

案の定、俺の後を着けてくる者がいた。
隠れては居るが冒険者ギルドからだから多分、テンペストの誰かだろうぜ。








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