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冒険者Dと近隣国
塩漬け案件1ーテンペスト
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テンペストのパーティリーダーはスキュラと言った。スキュラのスキル『散弾』は強力だった。
パーティとしてはA級だが、スキュラの実力はS級に近い。パーティを引っ張っているのは自分だという自負もある。
だから引き受けたA級案件を失敗するとは思って居なかった。相性が悪かったとしか言いようが無い。
力で解決する魔物討伐なら楽勝だったろうが事件の解決と言う犯人探しはパーティメンバーでも唯一頭脳派のホソップでも出来なかった。
ホソップは盗賊のスキルを持つ狩人である。
魔物との駆け引きは得意ではあったが対人には少し読みきれなかった。スキュラに言わせれば良いところまで迫ったのである。
時間切れにさえ成らなければ犯人を見つけ出せたと考えていたのだ。
だから俺を良いカモとみなした。下手なプライドさえ無ければギルドで商談出来た筈である。
ギルドで失敗したから俺がギルドを出たのを見て後を付け出した。
だが相手が俺では仕方ないだろう。わざと人通りの少ない路地を歩いて見せればすぐに接触してきた。
「ちょっと、待ってくれ!冒険者D」
ぞんざいな口調は狩人ならではか。俺が立ち止まり振り向くと厳つい体型の男に見える女が居た。
「俺はテンペストのホソップと言う者だ。あんたに話がある。」
「へー、交渉ベタなリーダーに代わって情報を売りに来たのか?」
「流石だな。その通りだ。」
「へー、幾らだ。」
「金貨10枚。俺達は犯人の目星を付けてた。だけど時間切れになっちまった。ギルドの賞金以外はあんたにやるよ。だからこれを買って欲しい。」
「ああ、良いぜ。だけど情報が正しいとは限らねえ。半分の金貨5枚だな。俺が犯人を突き出したら残りの5枚を渡してやる。」
「おいおい、そりゃねえぜ。テンペストといやぁバラナビィーチで知らねえ奴は居ねえ。信用しろよ。」
「おいおい、じゃあ何でお前らテンペストで犯人を捕まえねえ。ギルドの依頼を失敗したんなら依頼金の倍の違約金を払ったんだろ。たった金貨10枚じゃあ足りねえ。それこそ犯人を捕まえて突き出せば他の報酬が入るからそっちのほうがまだマシだ。
それをしねえのは犯人の目星が曖昧なのか、手を出せねえのかのどっちかだろ?」
長々と相手の動機を喋って説明してやるとホソップと言うガタイの良い女が動揺しやがった。
当たりかよ。まぁ、テンペストの他のメンバーも居なくてこっちも都合が良いわ。盗賊スキルを持つ狩人だから逃げ足には自信があったんだろうが相手が悪かったな。
振り返って逃げ出したホソップの足元をスキル『凹』で拘束して転ばせると俺は頭を後ろから掴んでスキル『無貌』を使った。
泥人形と化したホソップをホソップである俺は担いで路地裏の突き当りのゴミ山に放り出す。
ホソップのまま記憶を辿り、事件の犯人の目星を知った。
テンペストのメンバーのひと通りを確認すると俺はスキルを解除して、ぶっ倒れて居るホソップの懐から紙を取り出し、代わりに金貨10枚が入った巾着を投げてその場を離れた。
事件の情報料以上の物が手に入ったからその礼だ。ホソップも仕事を完遂出来て嬉しかろう。
俺は適当な食堂に入って、心のなかでしまったぁーと思った。
その食堂はテンペストの連中が良く利用している食堂だったのだ。多分ホソップになった事に引きずられたんだろう。
店の奥にテンペストの連中がホソップの帰りを待っていやがった。動揺を隠して俺は奴らを無視してカウンタに座って調理しているハゲ親父に定食を注文する。
ハゲ親父の不機嫌な応答でテンペストの連中がこっちに気づいた。
その中のひとり魔法使いのアルピーヌがその小さな未発達な体をくねらせて走り寄り、俺の隣に座った。
「あなた、あたち達の依頼の後釜になった冒険者でしょ?」
いちいち答える義務もねえが話を端折る為に簡単に答える。
「ホソップとか言う女から情報は頂いたぜ」
やたらとフリルが付いたケバい服で子供じみた体を寄せていたのを離す。
「そ、そう。じゃあ取引は成立したのね」
俺は答えずハゲ親父が出した定食を食い出した。
その態度に腹を立てたのかアルピーヌは魔法を使ったようだ。
ぬめりのある液体を体に纏わりつかせたかのような感触を覚えたが無視して食事を続ける。
自信のあった魔法だったんだろうが俺に通用しないのが分かって鼻を鳴らして離れて行った。
アルピーヌが使った魔法は禁忌の魅了に近い快楽増幅だ。
アルピーヌに性的欲望を抱いている者はアルピーヌに惚れてしまうのだ。アルピーヌが男を誑し込むのに良く使う手だ。
知らなければ俺も好意くらいは抱いたかも知れない。
だが、俺はロリコンじゃねえ。
アルピーヌが仲間の所で話をしている間に俺は食い終わってさっさと食堂を出て行った。
誰かが後を追って来るかと思ったがそれも無かった。ふん、渡した情報は限定したと思っているだろうがこっちは全部手に入れてんだ。後で臍でも噛みやがれ。
大通りを北に向かい貴族屋敷の立ち並ぶ地区に近付く。
あんまり近づくと警らをしている兵士に見つかるから俺はスキル『気配遮断』と『隠蔽』と『浮遊』を合わせて使う。
これで俺の姿も気配も分からなくなり、俺は空中を漂う事になる。
ただの『浮遊』だと浮き上がり方も進む方向も風任せみたいになるが俺が使って走れば屋敷の屋根の上をほとんど音をさせずに移動出来る。
幾つかの屋敷の屋根の上を走り続けて真緑の気色の悪い屋根に辿り着く。
ここが目的地の貴族アミバ•モトーレン伯爵の屋敷だ。
パーティとしてはA級だが、スキュラの実力はS級に近い。パーティを引っ張っているのは自分だという自負もある。
だから引き受けたA級案件を失敗するとは思って居なかった。相性が悪かったとしか言いようが無い。
力で解決する魔物討伐なら楽勝だったろうが事件の解決と言う犯人探しはパーティメンバーでも唯一頭脳派のホソップでも出来なかった。
ホソップは盗賊のスキルを持つ狩人である。
魔物との駆け引きは得意ではあったが対人には少し読みきれなかった。スキュラに言わせれば良いところまで迫ったのである。
時間切れにさえ成らなければ犯人を見つけ出せたと考えていたのだ。
だから俺を良いカモとみなした。下手なプライドさえ無ければギルドで商談出来た筈である。
ギルドで失敗したから俺がギルドを出たのを見て後を付け出した。
だが相手が俺では仕方ないだろう。わざと人通りの少ない路地を歩いて見せればすぐに接触してきた。
「ちょっと、待ってくれ!冒険者D」
ぞんざいな口調は狩人ならではか。俺が立ち止まり振り向くと厳つい体型の男に見える女が居た。
「俺はテンペストのホソップと言う者だ。あんたに話がある。」
「へー、交渉ベタなリーダーに代わって情報を売りに来たのか?」
「流石だな。その通りだ。」
「へー、幾らだ。」
「金貨10枚。俺達は犯人の目星を付けてた。だけど時間切れになっちまった。ギルドの賞金以外はあんたにやるよ。だからこれを買って欲しい。」
「ああ、良いぜ。だけど情報が正しいとは限らねえ。半分の金貨5枚だな。俺が犯人を突き出したら残りの5枚を渡してやる。」
「おいおい、そりゃねえぜ。テンペストといやぁバラナビィーチで知らねえ奴は居ねえ。信用しろよ。」
「おいおい、じゃあ何でお前らテンペストで犯人を捕まえねえ。ギルドの依頼を失敗したんなら依頼金の倍の違約金を払ったんだろ。たった金貨10枚じゃあ足りねえ。それこそ犯人を捕まえて突き出せば他の報酬が入るからそっちのほうがまだマシだ。
それをしねえのは犯人の目星が曖昧なのか、手を出せねえのかのどっちかだろ?」
長々と相手の動機を喋って説明してやるとホソップと言うガタイの良い女が動揺しやがった。
当たりかよ。まぁ、テンペストの他のメンバーも居なくてこっちも都合が良いわ。盗賊スキルを持つ狩人だから逃げ足には自信があったんだろうが相手が悪かったな。
振り返って逃げ出したホソップの足元をスキル『凹』で拘束して転ばせると俺は頭を後ろから掴んでスキル『無貌』を使った。
泥人形と化したホソップをホソップである俺は担いで路地裏の突き当りのゴミ山に放り出す。
ホソップのまま記憶を辿り、事件の犯人の目星を知った。
テンペストのメンバーのひと通りを確認すると俺はスキルを解除して、ぶっ倒れて居るホソップの懐から紙を取り出し、代わりに金貨10枚が入った巾着を投げてその場を離れた。
事件の情報料以上の物が手に入ったからその礼だ。ホソップも仕事を完遂出来て嬉しかろう。
俺は適当な食堂に入って、心のなかでしまったぁーと思った。
その食堂はテンペストの連中が良く利用している食堂だったのだ。多分ホソップになった事に引きずられたんだろう。
店の奥にテンペストの連中がホソップの帰りを待っていやがった。動揺を隠して俺は奴らを無視してカウンタに座って調理しているハゲ親父に定食を注文する。
ハゲ親父の不機嫌な応答でテンペストの連中がこっちに気づいた。
その中のひとり魔法使いのアルピーヌがその小さな未発達な体をくねらせて走り寄り、俺の隣に座った。
「あなた、あたち達の依頼の後釜になった冒険者でしょ?」
いちいち答える義務もねえが話を端折る為に簡単に答える。
「ホソップとか言う女から情報は頂いたぜ」
やたらとフリルが付いたケバい服で子供じみた体を寄せていたのを離す。
「そ、そう。じゃあ取引は成立したのね」
俺は答えずハゲ親父が出した定食を食い出した。
その態度に腹を立てたのかアルピーヌは魔法を使ったようだ。
ぬめりのある液体を体に纏わりつかせたかのような感触を覚えたが無視して食事を続ける。
自信のあった魔法だったんだろうが俺に通用しないのが分かって鼻を鳴らして離れて行った。
アルピーヌが使った魔法は禁忌の魅了に近い快楽増幅だ。
アルピーヌに性的欲望を抱いている者はアルピーヌに惚れてしまうのだ。アルピーヌが男を誑し込むのに良く使う手だ。
知らなければ俺も好意くらいは抱いたかも知れない。
だが、俺はロリコンじゃねえ。
アルピーヌが仲間の所で話をしている間に俺は食い終わってさっさと食堂を出て行った。
誰かが後を追って来るかと思ったがそれも無かった。ふん、渡した情報は限定したと思っているだろうがこっちは全部手に入れてんだ。後で臍でも噛みやがれ。
大通りを北に向かい貴族屋敷の立ち並ぶ地区に近付く。
あんまり近づくと警らをしている兵士に見つかるから俺はスキル『気配遮断』と『隠蔽』と『浮遊』を合わせて使う。
これで俺の姿も気配も分からなくなり、俺は空中を漂う事になる。
ただの『浮遊』だと浮き上がり方も進む方向も風任せみたいになるが俺が使って走れば屋敷の屋根の上をほとんど音をさせずに移動出来る。
幾つかの屋敷の屋根の上を走り続けて真緑の気色の悪い屋根に辿り着く。
ここが目的地の貴族アミバ•モトーレン伯爵の屋敷だ。
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