無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

錬金術師と美女

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俺が立ちあがって振り向くと、他の冒険者達の嫉妬とやっかみの混じった視線が突き刺さった。

人気の受付嬢と食事の話は声高に言わなくても筒抜けになっていて冒険者ギルド内を騒然とさせていた。
美女との食事に燃えない男は居ねえだろ!面白く無い連中は俺に突っ掛かりたいだろうがエンジンバリバリの俺は無敵だぜ!

ガルガルと敵意を剥き出しだったからか、誰にも因縁をつけられなくてちょっと拍子抜けしたが何事もなく冒険者ギルドの外に出た。
まぁ今夜のためにやる事はやっておこう。

俺は錬金術師ランドルトの居る宿にやって来た。ランドルトは移動工房エレクサンドの中にいた。窯の前で何やら細かい部分を造っていたようだ。
俺が来たことで作業は止めないが声だけは掛けて来た。
「それで首尾はどうだ?」

ランドルトはこちらを見ていないが俺はニヤリと笑ってインベントリから麻袋をドサリとテーブルに置く。
「金貨100枚渡すから必要な素材を買ってくれ。それから見せたい物があるんだが」

ようやくランドルトは作業の手を止めて、立上り俺の方に寄って来た。好奇心が剥き出しだ。
「物は何だ?」
「ここじゃ出せないな。かなりデカい」

俺の言葉にランドルトは考えて、言った。
「なら、大物工房の倉庫を借りるか」

ランドルトは一緒に作業をしていた弟子たちに後を任せて、俺と外に出た。

ランドルトの後を付いて行くと宿を出て、バカでかい倉庫の様な工房に入って行った。その工房の主にランドルトが話をつけて、奥の作業場を借りる事が出来た。

ベラベララと言うランドルトに負けない様なビア樽のドワーフの案内で移動する。周りで作業していた連中まで付いてきた。
まぁ秘密にする必要も無いから気にも止めない。

その場所はギルドの倉庫みたいな場所で海の魔物を加工する場所のようで床には木の簀子が敷いてあった。広さは充分にある。
ランドルトとベラベララは俺に此処へ出せと言った。

俺がインベントリから海獣リバイスを出すとどよめきが起きた。
「こいつぁ、海獣か」
「リバイスじゃねえか!」

流石にバラナビィーチで工房をやっているだけあってベラベララは一発で言い当てた。
「へー、こいつが海獣リバイスか」

改めて見るとデカいなあ。長さが20mを越えてる事もあって胴回りは5mを越えてる。周りにいたドワーフ達が群がり、ペチペチと叩いたり、撫でたり、鰭を引っ張ったりする。
鱗は顔周りにあるだけで体はツルツルな皮膚で尾びれまで続いている。
「どうだ、使えそうか」

俺がランドルトに言うと
「無論だ。これだけの物があるなら少し構想を変えても良いな。まるごと使う事もあり得るな」
「おい、ランドルト。解体は俺も噛ませろ」

海獣リバイスを前に目を輝かせたベラベララが言った。ランドルトが俺の方を見たので答えた。
「ランドルトに任せるから好きにしろ」

ベラベララが両腕を突き上げてよっしゃーと叫んだ。
おいおい、ランドルトはまだ何も言ってないぞ。見たからには絶対解体する積りらしい。ランドルトは苦笑しているからかそのつもりなのだろう。まぁ同じ錬金術師として気持ちが分かるのかも知れんな。

解体と処理はランドルトに任せて俺は倉庫のような工房を出た。

宿に戻って着替えるか。それからバラナビィーチグランドホテルに行くとしよう。

さっぱりとした成でホテルに着くとまだ早かった。
俺はロビーの待合で紅茶を啜りながらミリュエルを待つ。

休んだとはいえ、ダゴンの王との戦いとか派手に暴れたからな、こんなゆるりとした時間も良いぜ。

ドアマンに開けられて入って来たミリュエルは赤いフリルの付いた派手なドレスを来て現れた。スリットから見える白い生脚がうひゃー凄えな。とてもギルドの受付嬢には見えんぜ。

何処かの貴族のお嬢様みてえだ。

俺は立上り迎えに行く。ミリュエルの後から黒服の男達が何気なく入って来た。

男達が何かを仕掛ける前に俺はスキルを使ってミリュエルの横を走り抜けて肉薄した。
男達が懐から大型ナイフを取り出した所で俺に迎撃されて、吹き飛ぶ。

内勁を練って掌底からのかち上げ、外頸を纏わせてからのハイキック、飛び上がって背後に回って回し蹴りを食らわせて、3人の黒服の男達に何もさせずに気絶させた。

俺の行動にミリュエルが振り返って驚いている。ミリュエルは驚いただけで少しも動揺していない。流石にハンターギルドの受付嬢ってか。そうこうしているうちに、ホテルのガード達が慌てて駆け寄って来た。何事かと俺も詰め寄られる。
「そいつ等を見てみろ。どっかの刺客だぞ」

ホテルのガードが数人がかりで拘束して、武器を押収していく。
受付から責任者らしき男が平身低頭して俺とミリュエルに謝る。

まあこんな所で暴れる奴らが悪いが、そう出来る場所と低く見られていると言う事でもあるな。何処の誰が誰を狙ったのか知りたくも無いが、的はミリュエルだったみたいだ。
何で狙われてんのかね、ギルドの受付嬢さんよ。
「おいおい、物騒だな。ミリュエルは心当たりがねぇのか」
「心当たり?さあ?」

笑って誤魔化されたが女優みたいな輝かしい笑顔を真に受けてやるよ。
「そうかよ。じゃ、食事に付き合って貰おうか、お嬢さん」

俺が手を差し伸べて、誘うとミリュエルが軽いカーテシーで応え、俺の手を取った。
「宜しくお願いしてよ」

ウヒヒヒ、本物みてえだ。

俺たちはバラナビィーチグランドホテルの最上階のレストランにホテルマンの案内で来た。

夜景を見ながらの高級な食事と年代物のワインを美女と楽しむ。

さっきあった事などなかったような楽しくめくるめく時間を過ごして、俺はミリュエルを堪能した夜を過ごした。





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