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冒険者Dと近隣国
暗殺者
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翌日ホテルで目を覚ますとミリュエルはいなかった。おいおい、俺に気配も悟られず消えるなんてどういうこった。
まぁ居ないのは仕方ない。昨日はあれ程激しく愉しんだのだから日が出ていればギルドにでも出ているのかも知れない。
俺は手早く服を着て、バラナビィーチグランドホテルを出て、もう一度錬金術師ランドルトの様子を見に行った。
釣り上げられた海獣リバイスの下でランドルトとベラベララが何か怒鳴り合いながら作業をしていた。
他の錬金術師達は近くで寝ていた。徹夜なのだろうか。俺が声を掛けると今は忙しいと連れなかった。
海獣リバイスの腹は割かれ、下腹部を開かれて何かを組み込もうとしているようだ。多分機械の構造体だと思うが。
この調子なら数日で形になりそうだ。資金調達がもっと居るかも知れんな。
そろそろユキの方も場所探しも終わるだろうし、魔物狩りのついでに探して見るか。
俺は港街ラワヴァッツを外れた岬の方にこんもりとした森があるのを海から見ていた。岬の先に入江があれば確認もしたいな。
俺は宿にも戻らずそのまま倉庫の様な工房を離れてのんびりと歩いて、後を着けて来る者を誘った。
街を離れて林の中に入ると襲われた。投げつけられた何かを避けて後ろを振り向くとそこに居たのはテンペストのツキガラスだった。姿は見えないが逃げ隠れせず20m程離た場所に立っているようだ。
「なんの積りだ、ツキガラス」
喋ったのか声だけが漂って聞こえた。
「分かってる筈だ、D」
「はん、俺は依頼を熟して報告しただけだぜ。違法行為をしたのはテンペストだろうが。逆恨みって奴だな。」
「俺は既に調査員を2人殺った。もうお前を殺ってこの国から逃げるしか無い。」
「へえ、面白いな。じゃあバラナビィーチグランドホテルの刺客もお前か?」
「違う」
ツキガラスの気配が影に揺らめいて消えた。
さっきの攻撃は牽制だったようだな。ツキガラスの姿は見えないが奴の投げた棒手裏剣みたいな物は四方から飛んで来た。逃げ道を塞ぐ様な攻撃は流石A級冒険者だな。
でもそんな温い攻撃は俺に効かねえぞ。
俺はゆらりと前進する。ツキガラスの気配は前だ。後方から来た攻撃を避けて、側面の棒手裏剣をスキル『固定』で受け止める。
そのまま棒手裏剣を前に投げつけるが林の木々に小気味よい音を立てて付き立たる。ツキガラスの気配を抜けて飛んで行ったみたいだな。
俺はインベントリから魔剣『灼熱』を取り出して魔力を込めた。
観えない気配が動揺したみたいだ。
おいおい、一流の暗殺者なら動揺すんなよ。姿が見えて無いのを良いことに俺の背後に回り込もうと走ったな。
魔剣『灼熱』を持って円弧を描くように振り回し斬撃を放つ。同心円状に描かかれた斬撃が広がり、周りの木々を切り倒すと同時に背後方向から苦痛の気配が漏れた。
残心からそちらを見ると姿は見えないが木の影に血が落ちていた。気配も近くにあるようだ。
「いくら何でも甘く見すぎだろ、ツキガラス」
俺の攻撃を避けきれずに何処かに受けたみたいだな。多分飛び上がって避けたなら脚の何処かだろう。
俺は魔剣『灼熱』を肩に担ぎツキガラスの間抜けざまを指摘してやる。
「暗殺者なのに気配がだだ漏れってえのは洒落にならんな」
「くっ、貴様がおかしいのだ。俺の気配を探れる奴は同業でも居なかったのに!」
「なんとまあ、レベルが低いなぁ」
俺の言葉に怒りを覚えたのかツキガラスは姿を現した。感じた通り血を落とした場所の直ぐ近くだ。まぁ傷は大した事は無さそうでツキガラスが腰を落として構える。
「『朧人形』」
ツキガラスの姿が5人に増えて俺を取り囲む。
ほうほう、分身の術だな。俺は増えたツキガラスに構わず、スキル『ダッシュ』で正面のツキガラスに肉薄して魔剣『灼熱』を水平に振るった。
ツキガラスはしゃがみ込んでこれを避けたが周りのツキガラスが同時に四方から俺に刀を袈裟懸けに振るってくる。ほぼ同時だが、少しずつズレがあるな。俺はそれぞれの剣筋に沿って魔剣『灼熱』を当てて弾く。
時間にして2秒も掛かって居ない。刀を弾かれたツキガラスはそれぞれ同じように飛び退る。
「「「「「「な!」」」」」」
同時に驚嘆の声を上げるなんてまだまだだな。ツキガラスの刀は暗殺者だけあって軽い。上位者の刀使いならもっと1振り1振りが重くて、俺でも弾くなんて真似は出来なかっただろう。
「暗殺者なんだろ。剣士の真似事は通用しないぞ。もっと姑息な手を使えよ。」
俺の煽りに5人のツキガラスがギリと奥歯を鳴らした。
同時に再び飛び退くとその姿を消した。最初のツキガラスが居た辺りから昼間だと言うのに黒い霧が漂い始め、俺がニヤニヤしながら待って居ると林の木々を埋め尽くした。
先程まで感じられたツキガラスの気配が完全に捉えられ無くなり、目でも見ることができなくなった。これでツキガラスの舞台が整ったということなのだろう。
煽った甲斐があったぜ。でもこれじゃあな。
「おいおい、これじゃあツキガラスじゃなくてヤミガラスに改名しねえといけねえぞ。ハハハハ」
何処からかツキガラスの陰々とした声が漂って来た。
「言っとけ・・・もう、完全に仕留める。」
じゃあ俺も本気モードになるとするか。
まぁ居ないのは仕方ない。昨日はあれ程激しく愉しんだのだから日が出ていればギルドにでも出ているのかも知れない。
俺は手早く服を着て、バラナビィーチグランドホテルを出て、もう一度錬金術師ランドルトの様子を見に行った。
釣り上げられた海獣リバイスの下でランドルトとベラベララが何か怒鳴り合いながら作業をしていた。
他の錬金術師達は近くで寝ていた。徹夜なのだろうか。俺が声を掛けると今は忙しいと連れなかった。
海獣リバイスの腹は割かれ、下腹部を開かれて何かを組み込もうとしているようだ。多分機械の構造体だと思うが。
この調子なら数日で形になりそうだ。資金調達がもっと居るかも知れんな。
そろそろユキの方も場所探しも終わるだろうし、魔物狩りのついでに探して見るか。
俺は港街ラワヴァッツを外れた岬の方にこんもりとした森があるのを海から見ていた。岬の先に入江があれば確認もしたいな。
俺は宿にも戻らずそのまま倉庫の様な工房を離れてのんびりと歩いて、後を着けて来る者を誘った。
街を離れて林の中に入ると襲われた。投げつけられた何かを避けて後ろを振り向くとそこに居たのはテンペストのツキガラスだった。姿は見えないが逃げ隠れせず20m程離た場所に立っているようだ。
「なんの積りだ、ツキガラス」
喋ったのか声だけが漂って聞こえた。
「分かってる筈だ、D」
「はん、俺は依頼を熟して報告しただけだぜ。違法行為をしたのはテンペストだろうが。逆恨みって奴だな。」
「俺は既に調査員を2人殺った。もうお前を殺ってこの国から逃げるしか無い。」
「へえ、面白いな。じゃあバラナビィーチグランドホテルの刺客もお前か?」
「違う」
ツキガラスの気配が影に揺らめいて消えた。
さっきの攻撃は牽制だったようだな。ツキガラスの姿は見えないが奴の投げた棒手裏剣みたいな物は四方から飛んで来た。逃げ道を塞ぐ様な攻撃は流石A級冒険者だな。
でもそんな温い攻撃は俺に効かねえぞ。
俺はゆらりと前進する。ツキガラスの気配は前だ。後方から来た攻撃を避けて、側面の棒手裏剣をスキル『固定』で受け止める。
そのまま棒手裏剣を前に投げつけるが林の木々に小気味よい音を立てて付き立たる。ツキガラスの気配を抜けて飛んで行ったみたいだな。
俺はインベントリから魔剣『灼熱』を取り出して魔力を込めた。
観えない気配が動揺したみたいだ。
おいおい、一流の暗殺者なら動揺すんなよ。姿が見えて無いのを良いことに俺の背後に回り込もうと走ったな。
魔剣『灼熱』を持って円弧を描くように振り回し斬撃を放つ。同心円状に描かかれた斬撃が広がり、周りの木々を切り倒すと同時に背後方向から苦痛の気配が漏れた。
残心からそちらを見ると姿は見えないが木の影に血が落ちていた。気配も近くにあるようだ。
「いくら何でも甘く見すぎだろ、ツキガラス」
俺の攻撃を避けきれずに何処かに受けたみたいだな。多分飛び上がって避けたなら脚の何処かだろう。
俺は魔剣『灼熱』を肩に担ぎツキガラスの間抜けざまを指摘してやる。
「暗殺者なのに気配がだだ漏れってえのは洒落にならんな」
「くっ、貴様がおかしいのだ。俺の気配を探れる奴は同業でも居なかったのに!」
「なんとまあ、レベルが低いなぁ」
俺の言葉に怒りを覚えたのかツキガラスは姿を現した。感じた通り血を落とした場所の直ぐ近くだ。まぁ傷は大した事は無さそうでツキガラスが腰を落として構える。
「『朧人形』」
ツキガラスの姿が5人に増えて俺を取り囲む。
ほうほう、分身の術だな。俺は増えたツキガラスに構わず、スキル『ダッシュ』で正面のツキガラスに肉薄して魔剣『灼熱』を水平に振るった。
ツキガラスはしゃがみ込んでこれを避けたが周りのツキガラスが同時に四方から俺に刀を袈裟懸けに振るってくる。ほぼ同時だが、少しずつズレがあるな。俺はそれぞれの剣筋に沿って魔剣『灼熱』を当てて弾く。
時間にして2秒も掛かって居ない。刀を弾かれたツキガラスはそれぞれ同じように飛び退る。
「「「「「「な!」」」」」」
同時に驚嘆の声を上げるなんてまだまだだな。ツキガラスの刀は暗殺者だけあって軽い。上位者の刀使いならもっと1振り1振りが重くて、俺でも弾くなんて真似は出来なかっただろう。
「暗殺者なんだろ。剣士の真似事は通用しないぞ。もっと姑息な手を使えよ。」
俺の煽りに5人のツキガラスがギリと奥歯を鳴らした。
同時に再び飛び退くとその姿を消した。最初のツキガラスが居た辺りから昼間だと言うのに黒い霧が漂い始め、俺がニヤニヤしながら待って居ると林の木々を埋め尽くした。
先程まで感じられたツキガラスの気配が完全に捉えられ無くなり、目でも見ることができなくなった。これでツキガラスの舞台が整ったということなのだろう。
煽った甲斐があったぜ。でもこれじゃあな。
「おいおい、これじゃあツキガラスじゃなくてヤミガラスに改名しねえといけねえぞ。ハハハハ」
何処からかツキガラスの陰々とした声が漂って来た。
「言っとけ・・・もう、完全に仕留める。」
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