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冒険者Dと近隣国
秘密基地2
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どうやらユキはまだまだ食べられそうだ。だが、水の残った樽とコップの置かれた籠をインベントリに仕舞うと俺は立ち上がった。
ユキも立ち上がったが体型が変わって無い。あれだけ食べれば嫌でも腹が膨れるのだが。少し考えて気にしないことにした。
再びユキの案内で池を離れ、沢下へ降る。
すると間もなく海に出た。成程これだけ近ければ池が地下道で海と繋がれる訳だ。そこには手漕ぎの小舟が1艘岩場に繋がれていた。
「もう一箇所は何処だ」
聞くとユキは沖合いの対岸を示した。ここからだと港街ラワヴァッツの湾の向こう側に突き出た岬が見えた。そちらにも森があるようだ。
それなりに遠いのだがと小舟を俺が見ると、ユキは首を振った。てっきりその小舟で湾を渡り対岸に渡るのかと思ってしまったが違う方法をとるらしい。
「Dがドラゴンになれば直ぐ着く」
そりゃそうかも知れないがな、駄目だぜ。俺を見上げでワクワクしているユキには悪いが出来ない相談だ。
「そんな事したら大事になり過ぎる。そんなに俺に乗りたいのか?」
「うん!」
子供のような返事に笑って仕舞う。
仕方ないので俺がユキを背負うといつものように重さと気配が消えて、声だけが残る。
「ゴー!」
俺はスキルを使って海上を駈け出し、少し沖に出た所で空に駆け上がった。50mほどの高さから見下ろす景色は天気も良くて絶景だった。
余り高く上がり過ぎると低い見えない雲に突入して全身ずぶ濡れになって仕舞う。眼下では漁船が出て漁をしている。
投網が投げられ、浅い海の魚を取っているのだ。水深50mほどの深さに地引網を掛けると魔物が掛かってしまうからこの辺は遠浅なのだろう。海獣リバイスなどが現れて良い水深では無いのだ。
のんびりと空を駆けて30分程度でユキが指し示した岬近くの浜に降りた。それ降りろとばかりに体を揺するとユキの体温と柔らかな双丘を感じて重さが戻る。
何故かユキが興奮しているようだ。空を駆けて何か興奮するような事があったか?
背中から降りたユキが先を進むので後を追うと岬の森の中を抜けて反対側に出た。反対側は砂浜でなく崖になっていた。しかも岩礁に波が当たって飛沫を飛ばしている。
成程海は深そうだが少々波が荒いな。港街ラワヴァッツからは見えないし多少の手入れは必要だが使えなくは無いな。
「どう?」
ユキの質問に俺は言った。
「良くやった、ユキ。2番目の場所以外は使えそうだ。」
「2番目の方が格好いいのに」
「確かにな」
池に沈めて置いて海に出るのは良いが通路の様子も分からんし、近隣の住民を誤魔化すか、立ち入らない工夫が必要だ。出来なくは無いが手間が掛かり過ぎる。
最良の場所は3番目の此処だな。
俺は崖から海に飛び降り、海の上に立つ。目立つ岩をインベントリに収納すると別の場所に出し、護岸を作り出す。
更にスキルで崖下を大きくくり抜いて海面より1m程高い位置に体育館程の空間を作り上げた。崖の下が殆どこの空間になるな。高さもある程度必要だから5m程のアーチ型にしてある。これなら上からの圧力を横に逃がせるのだ。だから土砂は取り除くのではなく、押し固めるようにして強度を持たした。
今度は海中も整える為に海面の『固定』を解除して海中に入った。でも俺は濡れない。それどころか俺の周り50cm程は空気の層になっている。
スキル『撥水』の力だ。このスキルの持ち主は魔力が少なく、掌の水を撥水するくらいしか出来なかった。スキル『撥水』は魔力を使い、撥水出来る空間を広げる事が出来るのだ。だから、まぁ俺くらいしか有効に使えないと言える。
海中の岩も大小を問わずそれなりに広めにインベントリに取り除き、砂場を露出させた。壁となる岩礁に小さめの取り除いた岩を嵌め込み、強度を向上させた上で『同化』させて行った。
『同化』のスキルは大工仕事をしていた男から頂いた。大工は煉瓦積みなどをする時にモルタルを挟んで、全体を確認した上でこのスキル『同化』を使っていた。大工ならほとんどの者が身に付けるらしい。
俺は海中から出ると崖下にくり抜いた空間を整え始めた。
簡単な炊事が出来るように窯と上水道を用意する。少し離して下水穴を作り排水とトイレを作る。
余った空間にはインベトリから出したソファとベッドを置く。
空間を作った時に用意した窪みには明かりの魔道具が置いてある。優秀な魔道具で接近センサ付きなので無人の時は消えて魔石を節約してくれる。
壁の色は暗褐色なのでセンスは無いが地層が丁度良い模様だ。当座はこれで問題無いが出入り口で少し悩んだ。
崖上から階段を作ると誰かが来て、この場所を見つけて仕舞うかも知れない。下手に魔法で隠蔽すると目立つ事もあるのだ。
俺は海側に岩を積み上げる事で自然の階段を作った。少し登り降りに不自由があるが問題ないだろう。
岩の階段を下まで降りれば空間が見えてしまうので此処だけは隠蔽を付与して置く。知らなければそのまま海に降りて仕舞う位置だ。
海面近くの岩から崖に飛び込まなければ中に入れない。簡易的に作ったにしてはまずまずだろう。
俺は崖上で休んでいたユキを呼び、中に入ると休憩することにした。日が沈み掛かるまでの僅かな時間で此処までの物を用意したことにユキは驚かなかった。
でも、俺が用意したソファやベッドを見た時は興奮したのだがな。
う~ん、ユキのツボが分からん。
ユキも立ち上がったが体型が変わって無い。あれだけ食べれば嫌でも腹が膨れるのだが。少し考えて気にしないことにした。
再びユキの案内で池を離れ、沢下へ降る。
すると間もなく海に出た。成程これだけ近ければ池が地下道で海と繋がれる訳だ。そこには手漕ぎの小舟が1艘岩場に繋がれていた。
「もう一箇所は何処だ」
聞くとユキは沖合いの対岸を示した。ここからだと港街ラワヴァッツの湾の向こう側に突き出た岬が見えた。そちらにも森があるようだ。
それなりに遠いのだがと小舟を俺が見ると、ユキは首を振った。てっきりその小舟で湾を渡り対岸に渡るのかと思ってしまったが違う方法をとるらしい。
「Dがドラゴンになれば直ぐ着く」
そりゃそうかも知れないがな、駄目だぜ。俺を見上げでワクワクしているユキには悪いが出来ない相談だ。
「そんな事したら大事になり過ぎる。そんなに俺に乗りたいのか?」
「うん!」
子供のような返事に笑って仕舞う。
仕方ないので俺がユキを背負うといつものように重さと気配が消えて、声だけが残る。
「ゴー!」
俺はスキルを使って海上を駈け出し、少し沖に出た所で空に駆け上がった。50mほどの高さから見下ろす景色は天気も良くて絶景だった。
余り高く上がり過ぎると低い見えない雲に突入して全身ずぶ濡れになって仕舞う。眼下では漁船が出て漁をしている。
投網が投げられ、浅い海の魚を取っているのだ。水深50mほどの深さに地引網を掛けると魔物が掛かってしまうからこの辺は遠浅なのだろう。海獣リバイスなどが現れて良い水深では無いのだ。
のんびりと空を駆けて30分程度でユキが指し示した岬近くの浜に降りた。それ降りろとばかりに体を揺するとユキの体温と柔らかな双丘を感じて重さが戻る。
何故かユキが興奮しているようだ。空を駆けて何か興奮するような事があったか?
背中から降りたユキが先を進むので後を追うと岬の森の中を抜けて反対側に出た。反対側は砂浜でなく崖になっていた。しかも岩礁に波が当たって飛沫を飛ばしている。
成程海は深そうだが少々波が荒いな。港街ラワヴァッツからは見えないし多少の手入れは必要だが使えなくは無いな。
「どう?」
ユキの質問に俺は言った。
「良くやった、ユキ。2番目の場所以外は使えそうだ。」
「2番目の方が格好いいのに」
「確かにな」
池に沈めて置いて海に出るのは良いが通路の様子も分からんし、近隣の住民を誤魔化すか、立ち入らない工夫が必要だ。出来なくは無いが手間が掛かり過ぎる。
最良の場所は3番目の此処だな。
俺は崖から海に飛び降り、海の上に立つ。目立つ岩をインベントリに収納すると別の場所に出し、護岸を作り出す。
更にスキルで崖下を大きくくり抜いて海面より1m程高い位置に体育館程の空間を作り上げた。崖の下が殆どこの空間になるな。高さもある程度必要だから5m程のアーチ型にしてある。これなら上からの圧力を横に逃がせるのだ。だから土砂は取り除くのではなく、押し固めるようにして強度を持たした。
今度は海中も整える為に海面の『固定』を解除して海中に入った。でも俺は濡れない。それどころか俺の周り50cm程は空気の層になっている。
スキル『撥水』の力だ。このスキルの持ち主は魔力が少なく、掌の水を撥水するくらいしか出来なかった。スキル『撥水』は魔力を使い、撥水出来る空間を広げる事が出来るのだ。だから、まぁ俺くらいしか有効に使えないと言える。
海中の岩も大小を問わずそれなりに広めにインベントリに取り除き、砂場を露出させた。壁となる岩礁に小さめの取り除いた岩を嵌め込み、強度を向上させた上で『同化』させて行った。
『同化』のスキルは大工仕事をしていた男から頂いた。大工は煉瓦積みなどをする時にモルタルを挟んで、全体を確認した上でこのスキル『同化』を使っていた。大工ならほとんどの者が身に付けるらしい。
俺は海中から出ると崖下にくり抜いた空間を整え始めた。
簡単な炊事が出来るように窯と上水道を用意する。少し離して下水穴を作り排水とトイレを作る。
余った空間にはインベトリから出したソファとベッドを置く。
空間を作った時に用意した窪みには明かりの魔道具が置いてある。優秀な魔道具で接近センサ付きなので無人の時は消えて魔石を節約してくれる。
壁の色は暗褐色なのでセンスは無いが地層が丁度良い模様だ。当座はこれで問題無いが出入り口で少し悩んだ。
崖上から階段を作ると誰かが来て、この場所を見つけて仕舞うかも知れない。下手に魔法で隠蔽すると目立つ事もあるのだ。
俺は海側に岩を積み上げる事で自然の階段を作った。少し登り降りに不自由があるが問題ないだろう。
岩の階段を下まで降りれば空間が見えてしまうので此処だけは隠蔽を付与して置く。知らなければそのまま海に降りて仕舞う位置だ。
海面近くの岩から崖に飛び込まなければ中に入れない。簡易的に作ったにしてはまずまずだろう。
俺は崖上で休んでいたユキを呼び、中に入ると休憩することにした。日が沈み掛かるまでの僅かな時間で此処までの物を用意したことにユキは驚かなかった。
でも、俺が用意したソファやベッドを見た時は興奮したのだがな。
う~ん、ユキのツボが分からん。
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