無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

試験潜航

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ベラベララのひと通りのチェックが終わるとランドルトと話をしてお互いに頷き会う。
ベラベララが俺に付いて指示を出して来た。
「旦那、ハンドルは動かさず両方のスロットルをゆっくり回してくだせえ。スロットルの開閉が推力の調整でスロットルを動かす事で方向舵が効き、前に進みまさあ。」

言われた通りにすると取水が進みジェットエンジンに水流が起されて、排出されて前に進み始めた。防音など何も無いので振動もエンジン音もダイレクトに座席に響いてくる。
ゆっくりと動き、眼の前の映像が変わって来る。
「ペダルを奥に踏めば下降、手前に踏めば上昇でさあ。左右のペダルの踏み方で艦艇を動かせまさあ。」

つまり両方のペダルを踏み込めば下降していき、両方のペダルの手前を踏めば上昇する訳だ。左右で踏み方を変えると左右にローリング出来る訳だな。まだどちらも踏み込まないで置こう。

海上の光が差し込んで居るから海中の様子が分かる。俺が大岩を排除しておいたから眼の前にはあまり邪魔な岩は無いが海藻を揺らめかす小さな岩があり、魚が遊泳している。
どんな仕掛けにしてあるのか分からないが左右から取り込まれた映像は眼の前で立体的に見ることが出来て、感覚を掴みやすい。

ゆっくりとした波が海獣挺シーモンスター『リバイアー』を揺らす。岬の此方側は外洋に直接出て行けるので波が高い。もう少し沈降しないと推進方向に依ってはかなり揺らされるだろう。

俺はユキに陸地と外洋の方向を確認する。どうやら岬の先で波に揺られて海岸線に沿った方向へ変わってしまったようだ。
「こりゃ不味いぞ、ランドルト。海図が必要だ。」

俺がランドルトに問題点を言う。この世界では地図ですら戦略的に隠されているのに海図なんて存在する筈が無い。いや、海を行く船があるのだから何処かにあるのかも。
ハルッツの記憶にも無かった。まぁハルッツは港街ラワヴァッツの中でしか漁をしていなかったから不必要だったわ。

こりゃなんとかしないとなと考えながら、海上近くを方向をユキに確認しながら、港街ラワヴァッツの中を小舟に注意しながらゆっくりと回遊して、ドッグに戻って来る。

ああ、後進が出来ないから向きが逆になるな。なんとか水魔法を工夫しながら戻った。
ランチを引き上げられて、海獣挺シーモンスター『リバイアー』を降りる。凄く気疲れしてしまった。

俺達が降りた後に弟子達が群がり、あちこちを確認している。ランドルトとベラベララも知った状況を確認し合って口論になっていた。
何を喧嘩してるんだ?俺も加わり欠点をあげつらう。

まぁこの世界初の潜水艦の試作機だ問題が無い訳無いさ。操船の為に制動の水流も、舳先に方向転換用の水流も必要だ。言わばバウスラスターだな。
海図と併用して海底を記録出来る様な装置も必要だろう。そんな機能の話をしていたらランドルトが深刻な顔をされて言われた。
「ディ、実は魔石が足りん」

聞けば今回の僅か30分程度の試験で買い求めた水属性の魔石500個をほとんど使い果たしたと言うのだ。そういや、翼竜艇ドラゴンラダーも風属性の魔石を1回2時間の飛行で同じ位消費していたな。
うぇ~、燃費悪すぎだろ。幾ら海の魔物を討伐すれば得られると言ってもさすがに当分は集まらんぞ。

魔石、魔石関係で何か無かったかと考えたら思い出した事があった。アミバ•モトーレン伯爵だ。
アミバの記憶を探ると特殊なスライムが利用出来そうだった。ランドルトにその話をすればベラベララが興味を示し、3人で魔石の回復装置の目処がだった。

俺がその特殊なスライムを捕獲してくればだが。話をしていたらいつの間にかユキが居なかった。既に秘密基地は潜水艇の整備基地と化してユキと睦合う場所では無くなっていた。
知らん間に真夜中で腹を空かせてしまった。見渡せはドワーフが所狭しとごろ寝しているし、使用済みの鍋とか器が所構わずに台所に放置されて居る。

纏めて俺が洗浄して片付け、大鍋にまたもや煮込みを用意して置く。起きて腹を空かせてればこいつらが食い尽くすだろう。
俺はインベントリから自分用に以前購入しておいた定食を出して、食べようとしたらユキが眼の前に現れた。物欲しそうに見るので自分の分を渡して、別のセットを取り出して食う。
いったい何処に隠れて居たんだか。食いながらユキにこれからの予定話をする。ひと休みしたら出掛けると言ったら同行すると言うので俺たちは食事の後に秘密基地を出て、砂浜にある移動工房エレクサンドで寝たのだった。
なんでそんなとこに行ったのかなんて野暮だ。

夜明け前に起き出すとユキも付いてくる。何も言わなくても俺の背中に乗って気配も体重も消して声だけになった。
少し声音が興奮している。俺はスキル『無貌』で覇王龍ズァークになると南を目指して飛び立った。

目指すは南方にあるジャングルだ。そこに特殊なスライムが住む場所があるのだ。



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