無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

アルヴァンチェリ〜決着

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「それよりガイザを連れて行け」

俺が唐突にガイザの話に触れたからかマーキュロが眉を寄せた。
「そして、二度と俺の前に姿を現すな。俺はアルヴァンチェリの長老とやらには興味が無いんでな。」

マーキュロの後ろからメアリーがアカンベェをする。ウハハハ、可愛い女だな。なんで姿を消しやがるんだろ。むしろ見せつけた方が良いぜ。

俺はメアリーにニヤリと笑って見せる。それが気に入らなかったのかマーキュロが言った。
「・・・貴様は危険過ぎる。」
「そうかよ。勝手にそう思えば良いさ。だがな、今度は殺すぜ!」

俺はマーキュロにだけに向けて殺気を放つ。
スキルによる殺気は物理的な力を帯びてマーキュロを数m後退させた。マーキュロは俺の殺気を浴びて額から大量の汗を流しながら膝まづいた。
理由も分からず一緒に押し込まれたメアリーは目を白黒させてマーキュロの顔を覗いて驚いた。
「あんた!マーくんに何したのよぉー!」
「カカカカ、さぁてな」

これだけやっておけばマーキュロは早々には立ち直れないだろ。メアリーはマーキュロに声を掛けながら一生懸命に揺すっている。

俺のスキル『無貌』でコピーできるのはガイザの『金剛』だがあまり役に立たねえな。一番魅力的なのは『無遠』なんだが、アルマに言わせればスキル『無貌』が効かねえらしいしな。

取り敢えずやってみるか。俺はツカツカとマーキュロに近付いて行った。それに気付いたメアリーが俺を見て顔を青くする。
「な、何よ!なにするつもり!」

まぁ、煩いから先にメアリーの『無視』で確認してみるか。女は苦手なんだなんだがな。

メアリーの言葉を無視して俺はメアリーの頭を掴んでスキル『無貌』を使う。バチッと高電圧に跳ね返されたような音がして俺の手が弾かれると共にメアリーがアガッと目を剥いた。
とても手が痛いんだが。

メアリーから手を離して見ると掌が焦げて黒くなっている。拒否されたと言う事か。初めてのケースだが俺はニヤリとしてもう一度トライする。
パチッと同じように拒否されるが抵抗感は少なくなっている。やはりな、思ったとおりだ。『無』のスキルには抵抗されるが出来ない事は無さそうだ。

再度トライすると今度はスキル『無貌』が行使出来てメアリーが泥人形に変わった。メアリーの記憶が俺の中に流れ込んで来る。
自分の姿が変わるのを感じた。不意に声を掛けられた。
「ディー?」

ユキだった。ユキはマーキュロを追い掛けていたはずだ。殺気をマーキュロに浴びせる前にその背中から離れたから近くから『隠形』しつつ、見ていたのだろう。
「ああ」

俺はメアリーの姿と声で答えてから、スキル『無貌』を解除して元の姿に戻った。そして自分のスキルに『無視』があるのを確認した。
「ディー・・・」

ユキは俺が元の姿に戻ったので安心したらしい。メアリーも泥人形から元に戻って横倒しになった。気絶しているみたいだな。
「もう少し待ってろ」

俺はユキにそう言うと今度はマーキュロのスキル『無遠』を奪いに掛かった。落ちて居たからかメアリーよりは抵抗が少ない。

パチッと抵抗されたが直ぐにマーキュロも泥人形になった。元に戻るとスキル『無遠』を確認するが酷く疲れた。
ユキが立っている所に行こうとして膝からが落ちた。なんてザマだ。空かさすユキが俺に肩を貸してくれた。
「今なら俺を殺れるぜ」

ユキに小声で言ってやるとユキは暫く無言だったが返事をした。
「・・・無理、半傷状態から反撃を喰らって首を折られる」

俺はユキに向かってニイと笑ってスキル『無遠』を使う。一歩が森の眼前までの移動に変わった。

自分のスキル『無貌』ではここまでの精神的疲れは生じないのに他の奴らのはとんでも無く疲れやがる。

思わず木の根に座り込み、ユキを突き放した。離れた所で俺を見ていたユキに対してスキル『無視』を使うとユキの目の焦点が変わった。
眼の前にいた筈なのに見失ったと言う顔だ。クククッ視覚嗅覚触覚存在感を無視させられて戸惑っているのが良く分かった。
疲れはするが早めにそのスキル能力を掴むのは必要だった。スキル解除するとユキが安堵しているのが分かった。
「ディー・・・」

どうやら言葉にならないようだ。俺のスキル『無貌』を見てから色々考えただろうがな。無論自分の存在を全て知られているのでは無いかという疑念は捨てられないだろうがな。それで良いさ。

暫く休めば常時発動のスキル『常態回復』が効果を発揮していた。これは騎士の男が持っていたスキルで疲れ知らずだが戦闘時バフを掛けられても打ち消してしまう欠点がある。

俺は立ち上がると森の中に入って行く。少し離れてユキが付いてくる。俺のスキル『無貌』を見て何やら考えているみたいだな。

秘密基地の入口から地下に降りていくとドワーフ達が寛いで居た。錬金術師ランドルトとベラベララが仲睦まじく一つのテーブルでお喋りをしていた。ケッ、変なものを見てしまった。
「おい、ランドルト。終わったのか」

俺が声を掛けるとランドルトがにたりと笑う。
「勿論じゃろ。また、何時でも出れるぞぃ」
「ああ、それな。もう使わないぞ」

俺の言葉にドワーフ全員が驚愕した。
「状況が落ち着いたんで帰ることにしたんだ。お前たちはどうする?まだ此処に居るなら別行動になるが」

ランドルトはベラベララを見返す。そして少し話を交わすと言った。
「済まんがD、俺はまだ此処に居たい。」

俺は少し驚いた。ランドルトなら俺に付いてくると思っていたからだ。









    
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