無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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冒険者Dと近隣国

故郷に向けて

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大都市バラナビィーチに残る事になったランドルトの為に森近くの浜に蒸気圧駆動の無限軌道車エレクサンドを出し、海獣艇シーモンスターリバイアーも置いて行くことにした。もちろん弟子たちも一緒に残るから俺だけが居なくなる事になるな。

まぁこれからアンナ達と合流するからひとりと言う訳では無いんだが。
あれからユキは俺にべったりしなくなった。別に遠慮は要らないんだがな。背中がちょっぴり寂しいなんて事は無いぞ。居ても気配も重さも感じないからな。

大都市バラナビィーチに戻り、冒険者ギルドにも顔を出す。ここを離れる事を伝えるとギルマスのライアンは喜色を浮かべた。なぜだ。
塩漬け案件を片付けてスッキリさせたギルドの大恩人の筈なんだがな、俺は。
受付嬢ミリュエルの顔色は少しも変わらないのが偉くつまらない。少しは演技でも良いから残念そうな顔をしゃがれだぜ。
それから酒場に偽装したマジェント共和王国の連絡係にも一声掛けておいた。此処を出るとしか伝えなかったが問題無いだろ。

実はアンナ達にはまだ伝えて居なかったが俺は一度故郷に顔を出そうかと考えていたのだ。アルヴァンチェリとか言う胡散臭い連中の話を聞くと故郷の特殊性に何故か納得が行くのだ。まぁアルヴァンチェリに触発されて自分探しをするようなもんかな。

往路をそのまま帰るのは芸が無いのでウクイラナ経由で俺の故郷近くを通りアンナ達を帰すつもりだ。そんな俺の腹案も関係無くアンナ達を乗せた馬車の横を俺は馬に乗っていた。

ベルーシからウクイラナに通る関門は何のお咎めも無く通れたのはアンナの爵位のお陰かな。まぁ公爵令嬢一行様だからな。疑われるような事は何も無いさ。

ウクイラナの街や村は活気があった。戦争中とは思えない程の熱気は自分達の国を守る気概に溢れていたな。まぁ食料や物不足はあっても関係無いようだ。

旅の道々で遭遇する魔物は殆ど俺一人で倒して解体などは女達に任せた。森や山は少ない平地ばかりで乾燥地帯めいてはいたが支流が多くて決して作物が育たない訳では無い様だった。
アロシア帝国内は本当に何も無くて乾燥地帯ばかりで見るものもなかったからな。そう言う意味でもウクイラナな豊かだ。
離れて行ったウクイラナを取り戻そうとアロシア帝国がするのも頷ける。ここで生産された小麦やモロコシなんかもマジェント共和王国にも輸出されているみたいだな。まぁマジェント共和王国でも大麦小麦は作られて居るが種類が異なる様だった。俺は食う方が専門で作る方は人並みだから偉そうな事は言えんな。

俺から離れたユキは女達と仲良く馬車の中や外でも話に花を咲かせている。俺にはあんまり話さないのにやっぱり女同士だと違うのかも知れんな。ちと、寂しいなんて言わんぞ。

内陸に入って旅をしていたのに遠くに再び海が見えだした。俺は馬を馬車に寄せてアンナと話をする。
「海を越えた方に雪を冠した山々が見えるだろう?あれが世界に名だたるアララット山系だ。」
「へーそうなのですか?」

あんまり関心が無さそうだな。なら良いか。
「俺はあちらに用事があるからアンナ達はこのまま内陸を通ってマジェント共和王国に繋がるミリエット街道を進んてくれ」
「何故です?」

ん?何故ってなあ。
「だから言ったろ。アララット山系に俺は用事があるんだよ」
「なら、私達も行きます。」

・・・何故だとこちらも聞きたい。少し考えて俺は言った。
「馬ならまだしも馬車じゃ行けない場所なんだ。」
「そんな山奥に何があるんです?」

・・・しつこいな。俺がまた連絡不能にでもなると思ってるのか。まぁ、なるかも知れんな。
「ああ、なんだ・・」

なんでだか分からんがとても言い難いぞ。
「何です?」

馬車内で話に夢中になっていた他の女達もいつの間にか静かに俺とアンナの会話を聞いていたぜ。
とても言い難いが俺は思い切って言った。
「・・・俺の故郷があるんだよ」
「なら、絶対行きます!」

行きたい、見たい、面白そうとか女達が様々に勝手なことを言い始めた。
特にアンナは何故か目を爛々と輝かせて言ったぜ。
「アララット山系はイスラーム大帝国の東にある。大アララット、中アララット、小アララットで出来てる」

ユキがアララットに付いて話してきた。良く知ってるな。
「イスラーム大帝国って確かトオルゥコがかつての栄華を取り戻すと言って近隣の小国を統合した帝国よね」

誰が言ったのか分からんけどその通りだよ。イーランやアニメルアまで統合したんだよ。お陰で物凄い紛争を起こしてるのさ。未だにゲリラや過激派が跋扈していて落ち着きが無い国さ。
「ディーはそんな国の出身なの?」

ちと違うから修正してやるか
「俺の村は元アニメルアの中アララットの森の中にあるんだわ。知らん内にイスラーム大帝国に取り込まれていただけさ」

馬車の中の女達には良く分からなかったらしい。
「つまりだ、俺の村は近隣の街や村から存在を知られて無いんだよ。言伝えでハドゥインとか呼ばれているんだわ。」













    
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