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第一章
エピローグ
しおりを挟む「絵のモデルになってくれない?」
そう言ったのは、まるで御伽噺にでてくる王子様のような男だった。
癖のないサラサラな髪はミルクティーみたいに甘い色で、色素の薄いヘーゼルの瞳は夕日を反射して宝石みたいに輝きを放つ。
形の良い唇がもう一度開けば、砂糖を煮詰めたような声が甘く囁いた。
「だからさ、うちにおいでよ」
全ては、この言葉から始まった。
もしもタイムスリップができたなら、俺は間違いなくこの日に飛ぶだろう。そして、このイケボなエセ王子に絆されて頷いた自分を100発殴ってやるんだ。
『後悔先に立たず』
このことわざは、天国にいるじいちゃんの口癖だった。それは、後悔しないように、事前に注意すべきという戒め。
やっちまったことを後から悔やんでもどうにもならないんだぞ!って、あんなに口酸っぱくして言ってくれたよな。
でもな……
ごめん、じいちゃん。
あなたの孫は、今この瞬間は後悔してるけどさー……
「おいっ!なんで朝ご飯の支度中に縄もってきてんだよ!はぁ?なるほど……って、このタイミングで新しいプレイに挑戦してんじゃねぇ馬鹿野郎がぁああっ!!」
……実は、意外と結構幸せかも?
高級マンションに似つかわしくない下世話なツッコミは、今日も元気に響き渡る。
《第一章 ~END~ 》
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