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第二章
4. 相談
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学食についた俺は、窓際のテーブル席を確保して座った。昼休みということもあり、周囲の席は沢山の学生で溢れている。
「あ、早川さんだ!」
スマホのメッセージに気がついて開く。
【授業お疲れ様。今からお昼ご飯いただきます。いつもありがとう。】
そんな文章に添付されているのは、俺が今朝作り置きしたオムライスの写真だ。
最近は恒例になりつつあるこのお昼のやりとりに、顔のニヤケは加速してしまう。
【美味しいといいな! 俺も今から昼飯。夜は早川さんの好きなー……】
そこまで打った時だった。
「何それ! 信じらんないっ!!」
甲高い声が学食に響く。
振り返ると、それは近くのテーブル席に座っている女子グループだった。
何やらすごい剣幕で叫んだ彼女達の中心には、一人の女子が俯いて座っている。
よく見れば、その子は泣いていた。
何か事情があるのだろう。
あまりジロジロ見るのも悪いと思い、慌てて俺はスマホに視線を戻した。
「悪いのは、私なの……。だって全部、私の勘違いだったんだもん……」
けれど、席が近いせいで嫌でもその会話は聞こえてしまう。盗み聞きしてしまう形になってしまい、少し気まずい。
涙ながらに語られる言葉に、周囲の子が口々に言った。
「だからって! ひどいよ」
「だって。キスしたって言ってたじゃん」
「……その先も、したんでしょ?」
涙する子は、震えながら頷いた。
「うん……。私、こういうの初めてだったから浮かれちゃって……、馬鹿みたい」
どうやら、酷い男に誑かされたらしい。
こんなに可愛い子を泣かすなんて、信じられない男もいるもんだと驚く。
(100%その男が悪いじゃんか! そんな男コテンパンにぶん殴ってやれ!)
心の中で拳を握ってエールを送る。
しかし、肝心の彼女は、どこか諦めたような表情で呟いた。
「でも、よく考えたらね。だって彼、一言も言ってなかったの」
次の瞬間、その子が言った台詞に俺の世界は止まった。
「私のこと『好き』って……」
うん? 好き?
「あ、『付き合おう』とも……」
あれ? 付き合おう?
俺の頭の中で、走馬灯のように早川との出会いから今日までの日々が流れてゆく。
いつの間にか、手にしていたスマホの画面は完全にブラックアウトしていた。
「もう、今日は帰ろ」
そう言ってその子を連れ出す女子達と入れ替わるように、祥吾と暁人がやって来た。
「蒼大、悪い。待たせたな」
「ごめんね! マミちゃん! さ、食券買いにーー………」
気づけば、俺は口を開いていた。
「なぁ、相談があるんだけど……」
スマホを握りしめたままそう言った俺に、二人は不思議そうに顔を見合わせる。
「……えっと。と、友達の話なんだけど」
そして俺は、少し遅めの学食を食べながらポツリポツリと話した。
キスも、その先もする相手。
でも、決定的な言葉をくれない相手。
そんな二人の関係は、ずばりーー………?
「セフレじゃないの? だって、好きって言われてないんでしょ?」
学食に響く無情な友の声。
垂れ目がちな瞳が珍しく鋭く光る。
「え…………」
春はあっという間に過ぎ去り、本日今年の最高気温を叩き出した真夏の空の下でーー……
俺の心は今、氷河期を迎えたのだった。
「あ、早川さんだ!」
スマホのメッセージに気がついて開く。
【授業お疲れ様。今からお昼ご飯いただきます。いつもありがとう。】
そんな文章に添付されているのは、俺が今朝作り置きしたオムライスの写真だ。
最近は恒例になりつつあるこのお昼のやりとりに、顔のニヤケは加速してしまう。
【美味しいといいな! 俺も今から昼飯。夜は早川さんの好きなー……】
そこまで打った時だった。
「何それ! 信じらんないっ!!」
甲高い声が学食に響く。
振り返ると、それは近くのテーブル席に座っている女子グループだった。
何やらすごい剣幕で叫んだ彼女達の中心には、一人の女子が俯いて座っている。
よく見れば、その子は泣いていた。
何か事情があるのだろう。
あまりジロジロ見るのも悪いと思い、慌てて俺はスマホに視線を戻した。
「悪いのは、私なの……。だって全部、私の勘違いだったんだもん……」
けれど、席が近いせいで嫌でもその会話は聞こえてしまう。盗み聞きしてしまう形になってしまい、少し気まずい。
涙ながらに語られる言葉に、周囲の子が口々に言った。
「だからって! ひどいよ」
「だって。キスしたって言ってたじゃん」
「……その先も、したんでしょ?」
涙する子は、震えながら頷いた。
「うん……。私、こういうの初めてだったから浮かれちゃって……、馬鹿みたい」
どうやら、酷い男に誑かされたらしい。
こんなに可愛い子を泣かすなんて、信じられない男もいるもんだと驚く。
(100%その男が悪いじゃんか! そんな男コテンパンにぶん殴ってやれ!)
心の中で拳を握ってエールを送る。
しかし、肝心の彼女は、どこか諦めたような表情で呟いた。
「でも、よく考えたらね。だって彼、一言も言ってなかったの」
次の瞬間、その子が言った台詞に俺の世界は止まった。
「私のこと『好き』って……」
うん? 好き?
「あ、『付き合おう』とも……」
あれ? 付き合おう?
俺の頭の中で、走馬灯のように早川との出会いから今日までの日々が流れてゆく。
いつの間にか、手にしていたスマホの画面は完全にブラックアウトしていた。
「もう、今日は帰ろ」
そう言ってその子を連れ出す女子達と入れ替わるように、祥吾と暁人がやって来た。
「蒼大、悪い。待たせたな」
「ごめんね! マミちゃん! さ、食券買いにーー………」
気づけば、俺は口を開いていた。
「なぁ、相談があるんだけど……」
スマホを握りしめたままそう言った俺に、二人は不思議そうに顔を見合わせる。
「……えっと。と、友達の話なんだけど」
そして俺は、少し遅めの学食を食べながらポツリポツリと話した。
キスも、その先もする相手。
でも、決定的な言葉をくれない相手。
そんな二人の関係は、ずばりーー………?
「セフレじゃないの? だって、好きって言われてないんでしょ?」
学食に響く無情な友の声。
垂れ目がちな瞳が珍しく鋭く光る。
「え…………」
春はあっという間に過ぎ去り、本日今年の最高気温を叩き出した真夏の空の下でーー……
俺の心は今、氷河期を迎えたのだった。
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