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第二章
10. ミッション②
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「そのニ、異性の友達とも遊ぼう……?」
これは簡単だ!
俺は、さっそく暁人を召喚した。
「また合コンしようぜっ!」
朝の挨拶をして開口一番にそう言った俺に、暁人と祥吾は顔色を変えた。
「いやいや! 何言ってんのマミちゃん。俺、まだ死にたくないよ!!」
「また電話がかかってくるぞ……」
何かに怯え始める二人を、よく分からないが励ましておいた。ついでに、その長い腕をブンブン掴んで駄々をこねてみる。
「いいじゃんか! 俺は異性と遊びたいの! なぁなぁ、お願い。紹介してくれよ」
「……っ、や、まって。そんなに可愛くおねだりしないで! 祥吾っ、たすけて」
「蒼大が望むなら、俺は姉貴のスカートを借りて履いてきてもいい」
「……可愛くなんてお願いしてねぇし、祥吾は絶対お姉さんに怒られそうだからやめとけよ。ってか、逮捕されるぞ」
なんだ、こいつら……?
俺は、大事な友達二人が心配になった。
結局異性と遊ぶことは叶いそうもなく、不貞腐れていた放課後。
普段はわりと早く帰る暁人が、俺の肩を組んで言った。
「ちょっと遊んで夜ごはん食べて帰るくらいでも、十分なんじゃない?」
なるほど!
とりあえず早川には、無難なメッセージを送っておくことにする。
【ごめんなさい。急だけど、友達と夕飯食べて帰ります。冷蔵庫の作り置き良かったら食べて。先に寝ててもいいからね。】
【わかった。楽しんでおいで。】
そうして街へと繰り出した俺達は、ファミレスでご飯を食べた後、ついでにカラオケに寄り道することになった。
「は~い! みんな、げんき~?」
暁人はなぜか教育テレビのテーマソングを振り付け付きで完璧に歌いこなしている。
それも、超いい声で。
祥吾は歌わずに、なぜか暁人の曲を黙々と選曲してDJと化していた。
(いや、だからなんで幼児向けの曲ばっかりなんだよ……?)
かくゆう俺も、今時の曲はよく分からず、とりあえず演歌をいっぱい歌っておいた。
幼児向けの曲と演歌ばかりが聴こえてくるこの部屋はさぞかし変だっただろう。
途中トイレに行こうと廊下へ出た時、隣の部屋から顔を覗かせていたお姉さん達と店員が、何とも言えない可笑しな顔をしていたのは見なかったことにしよう。
そのうちに全員ハイテンションになり、結局オールでカラオケになったのは言うまでもない。
久しぶりに歌いまくってご機嫌で家に帰ると、笑顔の早川が待ち構えていた。
「おかえり。楽しんでおいでとは言ったけど、朝帰りだとは思わなかったね」
「…………ひょえ」
その後、速攻でベッドに連れ込まれた。
それから数日、喉の調子が悪くなったのはカラオケのせいにしておこう。
「マミちゃん、もうオールはやめよう……」
「……電話が、また電話がくるぞ…………」
大学で再開した二人が何かに怯えていたが、俺はのど飴を舐めるのに必死だった。
ガラガラの声で、問いかける。
「早川さん! お、俺のこ、こ、こ、こここ子守唄、聴く?」
「…………喉が治ったらね」
気を取り直して! 次行ってみよう!!
これは簡単だ!
俺は、さっそく暁人を召喚した。
「また合コンしようぜっ!」
朝の挨拶をして開口一番にそう言った俺に、暁人と祥吾は顔色を変えた。
「いやいや! 何言ってんのマミちゃん。俺、まだ死にたくないよ!!」
「また電話がかかってくるぞ……」
何かに怯え始める二人を、よく分からないが励ましておいた。ついでに、その長い腕をブンブン掴んで駄々をこねてみる。
「いいじゃんか! 俺は異性と遊びたいの! なぁなぁ、お願い。紹介してくれよ」
「……っ、や、まって。そんなに可愛くおねだりしないで! 祥吾っ、たすけて」
「蒼大が望むなら、俺は姉貴のスカートを借りて履いてきてもいい」
「……可愛くなんてお願いしてねぇし、祥吾は絶対お姉さんに怒られそうだからやめとけよ。ってか、逮捕されるぞ」
なんだ、こいつら……?
俺は、大事な友達二人が心配になった。
結局異性と遊ぶことは叶いそうもなく、不貞腐れていた放課後。
普段はわりと早く帰る暁人が、俺の肩を組んで言った。
「ちょっと遊んで夜ごはん食べて帰るくらいでも、十分なんじゃない?」
なるほど!
とりあえず早川には、無難なメッセージを送っておくことにする。
【ごめんなさい。急だけど、友達と夕飯食べて帰ります。冷蔵庫の作り置き良かったら食べて。先に寝ててもいいからね。】
【わかった。楽しんでおいで。】
そうして街へと繰り出した俺達は、ファミレスでご飯を食べた後、ついでにカラオケに寄り道することになった。
「は~い! みんな、げんき~?」
暁人はなぜか教育テレビのテーマソングを振り付け付きで完璧に歌いこなしている。
それも、超いい声で。
祥吾は歌わずに、なぜか暁人の曲を黙々と選曲してDJと化していた。
(いや、だからなんで幼児向けの曲ばっかりなんだよ……?)
かくゆう俺も、今時の曲はよく分からず、とりあえず演歌をいっぱい歌っておいた。
幼児向けの曲と演歌ばかりが聴こえてくるこの部屋はさぞかし変だっただろう。
途中トイレに行こうと廊下へ出た時、隣の部屋から顔を覗かせていたお姉さん達と店員が、何とも言えない可笑しな顔をしていたのは見なかったことにしよう。
そのうちに全員ハイテンションになり、結局オールでカラオケになったのは言うまでもない。
久しぶりに歌いまくってご機嫌で家に帰ると、笑顔の早川が待ち構えていた。
「おかえり。楽しんでおいでとは言ったけど、朝帰りだとは思わなかったね」
「…………ひょえ」
その後、速攻でベッドに連れ込まれた。
それから数日、喉の調子が悪くなったのはカラオケのせいにしておこう。
「マミちゃん、もうオールはやめよう……」
「……電話が、また電話がくるぞ…………」
大学で再開した二人が何かに怯えていたが、俺はのど飴を舐めるのに必死だった。
ガラガラの声で、問いかける。
「早川さん! お、俺のこ、こ、こ、こここ子守唄、聴く?」
「…………喉が治ったらね」
気を取り直して! 次行ってみよう!!
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