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オメガ3
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オメガの男性には女性と同じ、胎内に子を孕むための器官がある。外見ではアルファやベータと差異はないが、唯一同性同士での生殖が可能なのだ。その機能を使うために、アルファを誘うフェロモンを、発情期になるとより大量に振り撒く。
「ああぁっ、あ、あっ、ん……! あぁ、んっ。ほし……やっ、欲しくないぃ。あっ、あ……気持ち、よく、ないっ……!」
「すごいな……これ……っ。吸いついて、扱いてくる……っ。なあ、気持ちいい? 気持ちいいだろっ?」
「あっ、ああ、おっきいの、奥に入れないでぇ……。やだっ、やだ……! あぁ……あ、だめ、おかしくなる……っ」
太く大きい熱いものでぐずぐずに蕩けた中を掻き分けて、男は立花の下肢をより高く抱え上げる。心では抗っていても身体は底まで堕とされる──今夜だって、そうなるのに時間はかからない。発情期のオメガを初めて抱く若い男は、最初はベッドにも上がらず遠巻きに様子を眺めていたが、事も半ばになるとフェロモンに取り込まれ、1番長く立花を抱いていた。
「……ああ、んっ、あ、きちゃう……もっと、奥……や、奥にきてぇ……。中に、精液、いっぱい注いでぇ……」
「ははっ……。やっぱりオメガは淫乱なんだなぁ。じゃあ、全部溢さず飲めよ……!」
限界まで張りつめた亀頭球が臀部にぴたりとあてられて、立花が言葉で望んだ通り、男の精液が中に注がれる。ヒートに入ったアルファの射精の量は倍以上に多く、時間も長い。どくどくと放たれる度に、組み敷かれている立花は男の胸を押して這い出ようとする。
「や、いや……出さないで。中に……いや……!」
「ああ? 出してください、だろうが。オメガらしく媚びてねだれよ」
「いや……っ。お願い、抜いて……。口で、するからっ。中には出さないで……!」
後で出されたものを掻き出すだけでは、完全に避妊は出来ないのだ。堕胎の薬を服用すると、半日は頭痛と吐き気に苛まれる。体力的にも精神的にもかなりきつい。
発情促進剤は強力だが、本来の発情期のように本能を全て剥き出しにさせるものではない。フェロモン分泌を促し、アルファのヒートを誘発させることこそ出来るが、完全に理性を失う訳ではない……常用量の範囲内であれば。
いやいや、と反抗する立花の髪を掴み、男はぴしゃりと頬を打つ。痛みで現実に戻れるから、それでいい。
「おやおや。オメガの扱い方がなっていませんな。力で従えるのではなく、快楽で躾をするのがここでのルールというもの」
装いを崩していない、初老の男が立花への乱暴を窘める。この集まりで年長の男──仁居は立花を抱いた初めての客だった。仁居はいつも新顔に立花を抱かせてから、最後にたっぷりと道具と薬を使って立花の身体を虐め抜くのだ。
上質なツイードのジャケットを椅子にかけ、仁居は若い男を退かせる。能力の高いアルファの中でも、階級というものが存在し、同列の者でさえも従えることが出来るのだ。
立花はこの男が嫌いだ。大抵のアルファはセックスをして満足すれば終わりなのに、仁居はオメガの身体に快楽を刷り込ませようとする。
「随分汚れてしまったね、立花。だが、まだ抱かれ足りないだろう?」
「ひ……うぅ。あっ、あ、あぁ……」
つんと尖った乳首を指先で弾いたり摘まんだりしながら、立花に問いかける。そうされてもむずむずするだけだったそこも、仁居によって感じる場所に変えられてしまった。
「も……出ちゃうっ。あ、あっ、やああぁ」
達しそうになると手をぴたりと止められて、それを何度も繰り返される。立花の放出するフェロモンの濃度はより濃くなるが、今この場でアルファ達を統率しているのは階級の高い仁居だ。その最も地位の高いアルファに今から抱かれる自身を想像して、後孔をじとりと濡らした。
──嫌いだ……言うことをきかない身体も、それに群がるアルファ達も。
思考にもやがかかってじきに何も考えられなくなる。心地のいい目眩とふわふわとトリップする感覚。さらに速効性の強い薬を舌下に置かれて、立花は形のなくなるそれを唾と一緒に吐き出した。
「これ以上悪戯をするつもりなら私も容赦はしないよ。ここに男のものをくわえておかないと狂ってしまうように、君の身体を改造しようか」
愛液を垂らし続ける秘部を指でぐるりとかき混ぜられて、立花はか細い悲鳴を上げる。力なく首を振ると、立花は四つん這いになりシーツの上に落ちた薬を舌で掬った。別の男に顎を取られて口を開く。薬を服用したことを確認すると、仁居は凶悪なまでに育ったそれを立花の後孔に押し当てた。
──早く、早く……早くっ!
ずぶずぶとはしたない音を立てて長大なものが、襞を余すことなく擦りながら遡ってくる。苦しさをも凌駕する快感に、立花は上半身をのたうちまわせながら叫んだ。
「ああぁっ、あ、あっ、ん……! あぁ、んっ。ほし……やっ、欲しくないぃ。あっ、あ……気持ち、よく、ないっ……!」
「すごいな……これ……っ。吸いついて、扱いてくる……っ。なあ、気持ちいい? 気持ちいいだろっ?」
「あっ、ああ、おっきいの、奥に入れないでぇ……。やだっ、やだ……! あぁ……あ、だめ、おかしくなる……っ」
太く大きい熱いものでぐずぐずに蕩けた中を掻き分けて、男は立花の下肢をより高く抱え上げる。心では抗っていても身体は底まで堕とされる──今夜だって、そうなるのに時間はかからない。発情期のオメガを初めて抱く若い男は、最初はベッドにも上がらず遠巻きに様子を眺めていたが、事も半ばになるとフェロモンに取り込まれ、1番長く立花を抱いていた。
「……ああ、んっ、あ、きちゃう……もっと、奥……や、奥にきてぇ……。中に、精液、いっぱい注いでぇ……」
「ははっ……。やっぱりオメガは淫乱なんだなぁ。じゃあ、全部溢さず飲めよ……!」
限界まで張りつめた亀頭球が臀部にぴたりとあてられて、立花が言葉で望んだ通り、男の精液が中に注がれる。ヒートに入ったアルファの射精の量は倍以上に多く、時間も長い。どくどくと放たれる度に、組み敷かれている立花は男の胸を押して這い出ようとする。
「や、いや……出さないで。中に……いや……!」
「ああ? 出してください、だろうが。オメガらしく媚びてねだれよ」
「いや……っ。お願い、抜いて……。口で、するからっ。中には出さないで……!」
後で出されたものを掻き出すだけでは、完全に避妊は出来ないのだ。堕胎の薬を服用すると、半日は頭痛と吐き気に苛まれる。体力的にも精神的にもかなりきつい。
発情促進剤は強力だが、本来の発情期のように本能を全て剥き出しにさせるものではない。フェロモン分泌を促し、アルファのヒートを誘発させることこそ出来るが、完全に理性を失う訳ではない……常用量の範囲内であれば。
いやいや、と反抗する立花の髪を掴み、男はぴしゃりと頬を打つ。痛みで現実に戻れるから、それでいい。
「おやおや。オメガの扱い方がなっていませんな。力で従えるのではなく、快楽で躾をするのがここでのルールというもの」
装いを崩していない、初老の男が立花への乱暴を窘める。この集まりで年長の男──仁居は立花を抱いた初めての客だった。仁居はいつも新顔に立花を抱かせてから、最後にたっぷりと道具と薬を使って立花の身体を虐め抜くのだ。
上質なツイードのジャケットを椅子にかけ、仁居は若い男を退かせる。能力の高いアルファの中でも、階級というものが存在し、同列の者でさえも従えることが出来るのだ。
立花はこの男が嫌いだ。大抵のアルファはセックスをして満足すれば終わりなのに、仁居はオメガの身体に快楽を刷り込ませようとする。
「随分汚れてしまったね、立花。だが、まだ抱かれ足りないだろう?」
「ひ……うぅ。あっ、あ、あぁ……」
つんと尖った乳首を指先で弾いたり摘まんだりしながら、立花に問いかける。そうされてもむずむずするだけだったそこも、仁居によって感じる場所に変えられてしまった。
「も……出ちゃうっ。あ、あっ、やああぁ」
達しそうになると手をぴたりと止められて、それを何度も繰り返される。立花の放出するフェロモンの濃度はより濃くなるが、今この場でアルファ達を統率しているのは階級の高い仁居だ。その最も地位の高いアルファに今から抱かれる自身を想像して、後孔をじとりと濡らした。
──嫌いだ……言うことをきかない身体も、それに群がるアルファ達も。
思考にもやがかかってじきに何も考えられなくなる。心地のいい目眩とふわふわとトリップする感覚。さらに速効性の強い薬を舌下に置かれて、立花は形のなくなるそれを唾と一緒に吐き出した。
「これ以上悪戯をするつもりなら私も容赦はしないよ。ここに男のものをくわえておかないと狂ってしまうように、君の身体を改造しようか」
愛液を垂らし続ける秘部を指でぐるりとかき混ぜられて、立花はか細い悲鳴を上げる。力なく首を振ると、立花は四つん這いになりシーツの上に落ちた薬を舌で掬った。別の男に顎を取られて口を開く。薬を服用したことを確認すると、仁居は凶悪なまでに育ったそれを立花の後孔に押し当てた。
──早く、早く……早くっ!
ずぶずぶとはしたない音を立てて長大なものが、襞を余すことなく擦りながら遡ってくる。苦しさをも凌駕する快感に、立花は上半身をのたうちまわせながら叫んだ。
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