2 / 58
オメガ2
しおりを挟む
『ふりん、って何? うわき、ってどういう意味? それで出来た子って、言われたの……』
ベータ同士の組み合わせではまずオメガは生まれないらしい。授業で先生に理屈を説明してもらったが、さっぱり頭に入らなかった。もう二度と言わないで、とその日はご飯も食べさせてくれないくらいに怒られたのだ。
だからオメガもその単語も含めて、立花は家でも外でも出来るだけ言葉を喋らなくなった。悪意を込めていなくても、何故か他人には悪いほうに取り込まれてしまうのだ。
「……お勉強も、運動も今より頑張るから……。それでも、オメガだと……ダメなの?」
放たれた言葉は立花の心を折るには十分だった。
「オメガじゃ何をやっても無駄だな。アルファに媚びへつらう人生しか選べないからな」
「無駄……?」
「ああ、オメガに生まれてかわいそうだなぁ。立花」
──でも、オメガは運命のアルファを見つけて番うんだって、教わった。
人にだったか本で読んだかは定かではないけれど。いくら無駄だとかわいそうだと言われても、そんな確証のない心の支えがあった。父親と母親に生まれも存在も否定されて、もう何もかも意味はなくなってしまった。
……────。
見慣れた薄暗い部屋中に、立花は無自覚に甘い色香を振り撒いていた。オメガの誘惑に抗えない男達は、立花につけられた革の首輪を引っ張り、奉仕を要求する。
「ほら、もう物欲しそうな顔してる。悪い子だね、立花」
「ん……っ」
全て口内には収まりきらず、立花は男のものを様々な角度から舐め上げたり吸いついたりする。反応を伺うときに上目遣いになると、「もっと奥までくわえろ」と無理矢理に立花の後頭部を掴んで動かす。
「ん、ん……っ、あ……」
喉奥に男の凶器が刺さり、むせ返りそうになる。もう1人の男は立花の背後に回り、蜜を垂らし始めている秘部に指を突き入れた。無遠慮に中の粘膜を擦られて、立花は腰を小刻みに揺らす。
「すご……喉めちゃくちゃ締まる……っ! どうー? 立花ちゃん、俺の美味しい?」
オメガを発情させるための薬を静脈から入れられ、立花は擬似的に発情期を引き起こしている。これのせいで本来なら3ヶ月に1度の発情期は不安定になり、抑制剤も効きづらくなった。
──誰のでもいいから、精液、欲しい……。
心と身体が解離するような感覚を覚えて、奥歯を鳴らしながら泣いて喘いだ。立花ははしたなく両足を拡げて、雄を受け入れる体勢になる。
「あー……まだ完全にはトんでないな。もっと強いやつ飲ませてよ」
「や……それだけはやだ……! おねがい……それ以外なら、言うこと聞くから……!」
急激な発情期を迎えて、立花の身体はぼろぼろだった。懇願する立花に拒否権などない。後孔を2本の指で開かれて、粘膜に直接タブレット状の媚薬を擦り付けられた。
「……あ、やだ……いや……」
中がうごめいて、入れられたものが徐々に形を失っていくのが分かる。立花は自ら指を突っ込んで取り出そうとするも、奥まで届かず悪戯に内壁を擦るだけだった。
この薬を使われると、最後には訳が分からなくなって何も考えられなくなる。理性を崩し、欲望を剥き出しにさせるそれに、立花は恐怖を抱いていた。
「イイ子になるためのお薬だよ。一緒に気持ちよくなろうね、立花」
──いい子になったって、僕の大切な人達は戻ってこない……。
もう顔も覚えていない両親。立花が思い忍んでも、再度家族が1つになることはなかった。
「ああぁ……あ、や……おかしく、なる……っ! きちゃうぅ……きちゃうからぁ」
「ほんと……ヤバいよ。孕ませてぇ……」
「あっ、うぅ……。しゅごいのぉ……あっ、あ、ああぁ、ん……!」
一心不乱に腰を打ち付ける男にしがみついて、立花の性器からはひっきりなしに白蜜が溢れる。くるりと身体を反転させられて、二の腕を掴まれながら好き勝手に再奥を突かれた。快感を声に出して逃がしてしまわないと、とても正気ではいられない。
「あ、あぁ、ん……! あっ、だめっ、なかは……ダメ……!」
ぐらぐら揺れる意識の中で、せめて避妊をして欲しい、と懇願する。オメガの匂いにあてられたアルファの本能は、弱々しい言葉では止まらない。必死に理性に爪を立てても、アルファに求められるとどうにもならなくなってしまう。
「やっ……いや……。あっ、あぁ、あっ。きもち、よくないぃ……。ああぁ、あ、ん……なか、中はやめて……出さないで」
「嘘はいけないね、立花。ここにたくさん出して欲しいんだろう? ん? ほら、厭らしくねだりなさい」
男の節張った手で、空っぽのお腹をさすられる。痩せて薄くなった腹に、立花の体内に全て収まったアルファの凶器の形が浮かび上がっている。やがてこの場にいるアルファの全員が、フェロモンでヒートを引き起こし始め、それぞれが好き勝手に立花の身体を弄ぶ。
──ほしい、欲しい……アルファの、精液……。なか、いっぱいにして欲しい。
ベータ同士の組み合わせではまずオメガは生まれないらしい。授業で先生に理屈を説明してもらったが、さっぱり頭に入らなかった。もう二度と言わないで、とその日はご飯も食べさせてくれないくらいに怒られたのだ。
だからオメガもその単語も含めて、立花は家でも外でも出来るだけ言葉を喋らなくなった。悪意を込めていなくても、何故か他人には悪いほうに取り込まれてしまうのだ。
「……お勉強も、運動も今より頑張るから……。それでも、オメガだと……ダメなの?」
放たれた言葉は立花の心を折るには十分だった。
「オメガじゃ何をやっても無駄だな。アルファに媚びへつらう人生しか選べないからな」
「無駄……?」
「ああ、オメガに生まれてかわいそうだなぁ。立花」
──でも、オメガは運命のアルファを見つけて番うんだって、教わった。
人にだったか本で読んだかは定かではないけれど。いくら無駄だとかわいそうだと言われても、そんな確証のない心の支えがあった。父親と母親に生まれも存在も否定されて、もう何もかも意味はなくなってしまった。
……────。
見慣れた薄暗い部屋中に、立花は無自覚に甘い色香を振り撒いていた。オメガの誘惑に抗えない男達は、立花につけられた革の首輪を引っ張り、奉仕を要求する。
「ほら、もう物欲しそうな顔してる。悪い子だね、立花」
「ん……っ」
全て口内には収まりきらず、立花は男のものを様々な角度から舐め上げたり吸いついたりする。反応を伺うときに上目遣いになると、「もっと奥までくわえろ」と無理矢理に立花の後頭部を掴んで動かす。
「ん、ん……っ、あ……」
喉奥に男の凶器が刺さり、むせ返りそうになる。もう1人の男は立花の背後に回り、蜜を垂らし始めている秘部に指を突き入れた。無遠慮に中の粘膜を擦られて、立花は腰を小刻みに揺らす。
「すご……喉めちゃくちゃ締まる……っ! どうー? 立花ちゃん、俺の美味しい?」
オメガを発情させるための薬を静脈から入れられ、立花は擬似的に発情期を引き起こしている。これのせいで本来なら3ヶ月に1度の発情期は不安定になり、抑制剤も効きづらくなった。
──誰のでもいいから、精液、欲しい……。
心と身体が解離するような感覚を覚えて、奥歯を鳴らしながら泣いて喘いだ。立花ははしたなく両足を拡げて、雄を受け入れる体勢になる。
「あー……まだ完全にはトんでないな。もっと強いやつ飲ませてよ」
「や……それだけはやだ……! おねがい……それ以外なら、言うこと聞くから……!」
急激な発情期を迎えて、立花の身体はぼろぼろだった。懇願する立花に拒否権などない。後孔を2本の指で開かれて、粘膜に直接タブレット状の媚薬を擦り付けられた。
「……あ、やだ……いや……」
中がうごめいて、入れられたものが徐々に形を失っていくのが分かる。立花は自ら指を突っ込んで取り出そうとするも、奥まで届かず悪戯に内壁を擦るだけだった。
この薬を使われると、最後には訳が分からなくなって何も考えられなくなる。理性を崩し、欲望を剥き出しにさせるそれに、立花は恐怖を抱いていた。
「イイ子になるためのお薬だよ。一緒に気持ちよくなろうね、立花」
──いい子になったって、僕の大切な人達は戻ってこない……。
もう顔も覚えていない両親。立花が思い忍んでも、再度家族が1つになることはなかった。
「ああぁ……あ、や……おかしく、なる……っ! きちゃうぅ……きちゃうからぁ」
「ほんと……ヤバいよ。孕ませてぇ……」
「あっ、うぅ……。しゅごいのぉ……あっ、あ、ああぁ、ん……!」
一心不乱に腰を打ち付ける男にしがみついて、立花の性器からはひっきりなしに白蜜が溢れる。くるりと身体を反転させられて、二の腕を掴まれながら好き勝手に再奥を突かれた。快感を声に出して逃がしてしまわないと、とても正気ではいられない。
「あ、あぁ、ん……! あっ、だめっ、なかは……ダメ……!」
ぐらぐら揺れる意識の中で、せめて避妊をして欲しい、と懇願する。オメガの匂いにあてられたアルファの本能は、弱々しい言葉では止まらない。必死に理性に爪を立てても、アルファに求められるとどうにもならなくなってしまう。
「やっ……いや……。あっ、あぁ、あっ。きもち、よくないぃ……。ああぁ、あ、ん……なか、中はやめて……出さないで」
「嘘はいけないね、立花。ここにたくさん出して欲しいんだろう? ん? ほら、厭らしくねだりなさい」
男の節張った手で、空っぽのお腹をさすられる。痩せて薄くなった腹に、立花の体内に全て収まったアルファの凶器の形が浮かび上がっている。やがてこの場にいるアルファの全員が、フェロモンでヒートを引き起こし始め、それぞれが好き勝手に立花の身体を弄ぶ。
──ほしい、欲しい……アルファの、精液……。なか、いっぱいにして欲しい。
11
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
宵の月
古紫汐桜
BL
Ωとして生を受けた鵜森月夜は、村で代々伝わるしきたりにより、幼いうちに相楽家へ召し取られ、相楽家の次期当主であり、αの相楽恭弥と番になる事を決められていた。
愛の無い関係に絶望していた頃、兄弟校から交換学生の日浦太陽に出会う。
日浦太陽は、月夜に「自分が運命の番だ」と猛アタックして来て……。
2人の間で揺れる月夜が出す答えは一体……
メビウスの輪を超えて 【カフェのマスター・アルファ×全てを失った少年・オメガ。 君の心を、私は温めてあげられるんだろうか】
大波小波
BL
梅ヶ谷 早紀(うめがや さき)は、18歳のオメガ少年だ。
愛らしい抜群のルックスに加え、素直で朗らか。
大人に背伸びしたがる、ちょっぴり生意気な一面も持っている。
裕福な家庭に生まれ、なに不自由なく育った彼は、学園の人気者だった。
ある日、早紀は友人たちと気まぐれに入った『カフェ・メビウス』で、マスターの弓月 衛(ゆづき まもる)と出会う。
32歳と、早紀より一回り以上も年上の衛は、落ち着いた雰囲気を持つ大人のアルファ男性だ。
どこかミステリアスな彼をもっと知りたい早紀は、それから毎日のようにメビウスに通うようになった。
ところが早紀の父・紀明(のりあき)が、重役たちの背信により取締役の座から降ろされてしまう。
高額の借金まで背負わされた父は、借金取りの手から早紀を隠すため、彼を衛に託した。
『私は、早紀を信頼のおける人間に、預けたいのです。隠しておきたいのです』
『再びお会いした時には、早紀くんの淹れたコーヒーが出せるようにしておきます』
あの笑顔を、失くしたくない。
伸びやかなあの心を、壊したくない。
衛は、その一心で覚悟を決めたのだ。
ひとつ屋根の下に住むことになった、アルファの衛とオメガの早紀。
波乱含みの同棲生活が、有無を言わさず始まった……!
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる