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2章
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今日は一日ギルドの整理依頼を遂行する。
ただ今倉庫の整理中。最初はちゃんと区分して管理しようとしてたらしい形跡はあるんだけど、たぶん忙しくて棚に入れるのを後回しにして積み上げていったら、今やこんな有り様になっちゃった。ってとこなんだろうな。
とりあえず俺のわかる種類毎に分けていってる。植物っぽい。鉱石っぽい。よくわからない。の3種類だ。分け終わったら植物っぽいの山から手を付ける。初級冒険者用の図鑑を見ながらさらに種類別に分けて魔力残量別に分ける予定。
植物は依頼を受けて採取に行ったりもしてるから、ちょっと見分けられるようになってきた。
外に行く依頼の時は絶対にギィかルークがついて来る。最初は危ないからってついて来てたんだけど、E級の俺が採取に行くような場所にそんな危険な生物がいるはずもなく。過剰戦力過ぎた。
今は俺が受ける依頼と同じものを受けてもらって同じ場所でそれぞれ採取する。で、採取した物を見比べて合ってるかどうか、状態はどうかとかを答えあわせしてもらうようにしてる。
魔力は見えてないのにギィやルークが選ぶのはいい状態のやつばっかりだ。査定もそれぞれしてもらって報酬にどれくらいの差が出るのかも確認してる。
やっぱり図鑑で見るだけより実物がある方がわかりやすいし覚えやすいと思うんだよな。
今日の倉庫整理はここまでにして、次は2階で書類整理をしよう。今日のカウンターは、エルルーシアさんとフリオと、査定を主に担当しているマリアンヌさんだ。誰かに言っておけばいいかな。と倉庫を出たら丁度マリアンヌさんが査定が終わった鉱石が入った木箱を抱えて倉庫に来ようとしているところだった。
「マリアンヌさん、俺が運びますから。重そうだし置いておいて下さい」
「なにそれカイト君!そんなこと言って、お姉さんをキュンキュンさせてどうするつもりなの!?
ちょっとフリオ!あんたもカイト君を見習いなさいよ!!」
「…マリさん俺より力強いじゃないですか…」
「そういうことじゃないのよっ!!あんたそんなだからモテないの!あー、カイト君にあんなゴツい番犬が居なければお姉さん誘っちゃったのになぁ」
マリアンヌさんは姉御肌の妙齢のお姉さん。あの食堂での事件の翌日、恐る恐るやって来た俺に
「あんなゴツい男に愛されちゃってカイト君も大変よね。お姉さん、カイト君みたいなかわいい男の子が大好きだから、乗り替えたくなったらいつでも言ってね!」
って挨拶してくれて、後ろにいたギィにめちゃくちゃ威嚇されてた。
「はは…。中入れときましたんで。この後はギルド長室の書類整理に行ってきます」
「はい。頑張ってくださいね」
「了解。副長は外出中だけどギルド長がいるから」
「ギルド長が仕事サボらないように、カイト君見張っててよ!」
「行ってきます」
三者三様の返事を貰って2階へ移動する。あんな感じだけどマリアンヌさんもエルルーシアさんも元冒険者でフリオと同じぐらいには戦えるって言うんだから凄いよな…。
ギルド長室では処理済みだけどファイリングが終わってない書類をそれぞれのファイルに綴じて仕舞う作業だ。部屋の隅に俺の机を用意してくれてその上に片付ける書類が積んである。
1枚1枚確認して綴じていく。
あ、知らない単語が出てきた。ホームって読めるけど意味がわからない。
「ギルド長、ホームって何ですか?」
「ん?見せてみろ。
あぁ、拠点の更新申請だな」
「拠点…。家ですか?」
「そうだな。冒険者はあちこち移動することが多いから長期滞在の場合でも大抵宿に泊まるんだが、中には定住する冒険者もいるんだ。そういうやつは宿ではなく家を借りて拠点にする。土地はギルドの持ち物で家は住む奴の物だ。ギルドに土地の使用料を払う契約になるな。
この申請書のやつはエリカに拠点を持って、カイトみたいな初級冒険者とか親のいない子どもとかを住まわせて面倒を見てるやつだな」
初級冒険者用の寮みたいな感じかな?親のいない子どももいるってことは孤児院併設的な?
ギィもルークも結構長くエリカにいるみたいだけど宿に泊まってるな。いつかはエリカを出て行くってことなのかな。
俺はエリカがいいけどな…。
「お前が受けてる訓練で一緒になってるやつの中にも、そこに住んでるやつがいるぞ」
「あ、そうなんですか?」
「知らなかったのか?」
「…まだあんまり仲良くなれてなくて」
えへって感じで笑っておく。
俺が受けてる訓練っていうのは初心者講習って感じの物でD 級E級の中で希望者が集まって受ける。講師はギルド員やC級以上の冒険者だ。
ギィは全部自分が教えるから受ける必要はないって言ったけど、ルークが同年代の冒険者に顔見知りを作っておいた方がいいって言って、俺も同じくらいの友達が欲しかったから受けたいって主張して、結局ギルド内で行われるギルド員が講師の座学の訓練は好きなのを受けてよくて、外でやる訓練はギィかルークが講師のやつだけ受けてもいいってなった。
で、何度か参加してるんだけど、すごい遠巻きにされてるんだよなぁ。でも俺でも俺みたいなのがいきなり来たら警戒するって思う。だって始めて他のD 級E級の冒険者を見たけど装備の充実具合がまるで違った。俺の装備の性能も素材も凄すぎた。そりゃ、ギィやルークあと魔王が揃えた装備だから最高級品だよな。お前何者だってなるよなぁ。その上武器がパチンコと棒だしな…。
いいんだ。気長にいくさ。
「ま、ぼちぼち頑張れや!
そろそろギィが戻る時間だろ。今日はもう終わっていいぜ」
「あ、はい。じゃあ今日はこれで帰ります。お先に失礼します」
「おぅ、気をつけてな」
帰りは必ずギィが迎えに来る。ギィが来るのが遅くて俺の仕事が先に終わったときは食堂でギィが来るのを待つ約束だ。
2階から降りて行くと、壁際に作られている待合スペースにギィがいるのが見えた。
珍しく他の冒険者と一緒にいる。男1人女2人の3人パーティかな?ギィとも親しそうだ。あんな風に笑って話してるのはルークといる時ぐらいしか見たことない。
近接戦闘タイプに見える女の人がギィの腕に抱きついて何か言っているのを見て俺の足は一歩も進まなくなってしまった。
なんだろう、何かモヤモヤする…。
ただ今倉庫の整理中。最初はちゃんと区分して管理しようとしてたらしい形跡はあるんだけど、たぶん忙しくて棚に入れるのを後回しにして積み上げていったら、今やこんな有り様になっちゃった。ってとこなんだろうな。
とりあえず俺のわかる種類毎に分けていってる。植物っぽい。鉱石っぽい。よくわからない。の3種類だ。分け終わったら植物っぽいの山から手を付ける。初級冒険者用の図鑑を見ながらさらに種類別に分けて魔力残量別に分ける予定。
植物は依頼を受けて採取に行ったりもしてるから、ちょっと見分けられるようになってきた。
外に行く依頼の時は絶対にギィかルークがついて来る。最初は危ないからってついて来てたんだけど、E級の俺が採取に行くような場所にそんな危険な生物がいるはずもなく。過剰戦力過ぎた。
今は俺が受ける依頼と同じものを受けてもらって同じ場所でそれぞれ採取する。で、採取した物を見比べて合ってるかどうか、状態はどうかとかを答えあわせしてもらうようにしてる。
魔力は見えてないのにギィやルークが選ぶのはいい状態のやつばっかりだ。査定もそれぞれしてもらって報酬にどれくらいの差が出るのかも確認してる。
やっぱり図鑑で見るだけより実物がある方がわかりやすいし覚えやすいと思うんだよな。
今日の倉庫整理はここまでにして、次は2階で書類整理をしよう。今日のカウンターは、エルルーシアさんとフリオと、査定を主に担当しているマリアンヌさんだ。誰かに言っておけばいいかな。と倉庫を出たら丁度マリアンヌさんが査定が終わった鉱石が入った木箱を抱えて倉庫に来ようとしているところだった。
「マリアンヌさん、俺が運びますから。重そうだし置いておいて下さい」
「なにそれカイト君!そんなこと言って、お姉さんをキュンキュンさせてどうするつもりなの!?
ちょっとフリオ!あんたもカイト君を見習いなさいよ!!」
「…マリさん俺より力強いじゃないですか…」
「そういうことじゃないのよっ!!あんたそんなだからモテないの!あー、カイト君にあんなゴツい番犬が居なければお姉さん誘っちゃったのになぁ」
マリアンヌさんは姉御肌の妙齢のお姉さん。あの食堂での事件の翌日、恐る恐るやって来た俺に
「あんなゴツい男に愛されちゃってカイト君も大変よね。お姉さん、カイト君みたいなかわいい男の子が大好きだから、乗り替えたくなったらいつでも言ってね!」
って挨拶してくれて、後ろにいたギィにめちゃくちゃ威嚇されてた。
「はは…。中入れときましたんで。この後はギルド長室の書類整理に行ってきます」
「はい。頑張ってくださいね」
「了解。副長は外出中だけどギルド長がいるから」
「ギルド長が仕事サボらないように、カイト君見張っててよ!」
「行ってきます」
三者三様の返事を貰って2階へ移動する。あんな感じだけどマリアンヌさんもエルルーシアさんも元冒険者でフリオと同じぐらいには戦えるって言うんだから凄いよな…。
ギルド長室では処理済みだけどファイリングが終わってない書類をそれぞれのファイルに綴じて仕舞う作業だ。部屋の隅に俺の机を用意してくれてその上に片付ける書類が積んである。
1枚1枚確認して綴じていく。
あ、知らない単語が出てきた。ホームって読めるけど意味がわからない。
「ギルド長、ホームって何ですか?」
「ん?見せてみろ。
あぁ、拠点の更新申請だな」
「拠点…。家ですか?」
「そうだな。冒険者はあちこち移動することが多いから長期滞在の場合でも大抵宿に泊まるんだが、中には定住する冒険者もいるんだ。そういうやつは宿ではなく家を借りて拠点にする。土地はギルドの持ち物で家は住む奴の物だ。ギルドに土地の使用料を払う契約になるな。
この申請書のやつはエリカに拠点を持って、カイトみたいな初級冒険者とか親のいない子どもとかを住まわせて面倒を見てるやつだな」
初級冒険者用の寮みたいな感じかな?親のいない子どももいるってことは孤児院併設的な?
ギィもルークも結構長くエリカにいるみたいだけど宿に泊まってるな。いつかはエリカを出て行くってことなのかな。
俺はエリカがいいけどな…。
「お前が受けてる訓練で一緒になってるやつの中にも、そこに住んでるやつがいるぞ」
「あ、そうなんですか?」
「知らなかったのか?」
「…まだあんまり仲良くなれてなくて」
えへって感じで笑っておく。
俺が受けてる訓練っていうのは初心者講習って感じの物でD 級E級の中で希望者が集まって受ける。講師はギルド員やC級以上の冒険者だ。
ギィは全部自分が教えるから受ける必要はないって言ったけど、ルークが同年代の冒険者に顔見知りを作っておいた方がいいって言って、俺も同じくらいの友達が欲しかったから受けたいって主張して、結局ギルド内で行われるギルド員が講師の座学の訓練は好きなのを受けてよくて、外でやる訓練はギィかルークが講師のやつだけ受けてもいいってなった。
で、何度か参加してるんだけど、すごい遠巻きにされてるんだよなぁ。でも俺でも俺みたいなのがいきなり来たら警戒するって思う。だって始めて他のD 級E級の冒険者を見たけど装備の充実具合がまるで違った。俺の装備の性能も素材も凄すぎた。そりゃ、ギィやルークあと魔王が揃えた装備だから最高級品だよな。お前何者だってなるよなぁ。その上武器がパチンコと棒だしな…。
いいんだ。気長にいくさ。
「ま、ぼちぼち頑張れや!
そろそろギィが戻る時間だろ。今日はもう終わっていいぜ」
「あ、はい。じゃあ今日はこれで帰ります。お先に失礼します」
「おぅ、気をつけてな」
帰りは必ずギィが迎えに来る。ギィが来るのが遅くて俺の仕事が先に終わったときは食堂でギィが来るのを待つ約束だ。
2階から降りて行くと、壁際に作られている待合スペースにギィがいるのが見えた。
珍しく他の冒険者と一緒にいる。男1人女2人の3人パーティかな?ギィとも親しそうだ。あんな風に笑って話してるのはルークといる時ぐらいしか見たことない。
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