君の熱で私は溶かされる

kyouta

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第一話

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 ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ。

 目覚ましのアラームが鳴っている。最悪の1日の始まりだ。

 だるい身体を起こし顔を洗いにいく。

 父と母に『おはよう』を言い、顔を洗ってリビングで朝食を食べる。
 ヨーグルトとバナナを食べ終えたら歯を磨き制服に着替える。

 そして、しばらく目を瞑る。

 行きたくない、このままベットに潜り込んで寝ていたい。

 また、地獄の1日の始まりだ。



 校門の前には毎朝一人先生が立っている。日によって変わるけど、今日は体育の教科担任の杉野すぎの先生だ。

「おはよう雪宮!」

「おはようございます」

 朝から大きな声で元気な人だ。正直朝からこのテンションはきつい。

 早く校舎に入ろうとした時、杉野先生よりもきつい人の声が後ろから聞こえた。

「おはようございまーす杉野先生っ」

「おお大西おはよう! 赤のブレザー似合ってるな!」

「ほんとですかー? 嬉しいですけど今のご時世セクハラになるんで気をつけてくださいねー」

「おっとすまない、どこか一つ生徒の良い特徴を伝えたくてな」

 それはつまり私には良い特徴がないってことね。余計嫌いになったわ。

「おはよう雪宮さん。今日もよろしくね?」

 先生と話している時より声のトーンが低い。先生の前だから無視するわけにもいかない。

「おはよう……」



 それから私たちは別々に教室へと向かった。

 先に着いていた大西さんはいつも一緒にいるグループの二人、斉藤 心さいとう こころ久保田 琴音くぼた ことねと談笑していた。

 私が席に着くなりこちらを見てにやにやとしている。どうせ朝一緒になって不快だったとか言っているんだろう。

 チャイムと同時に担任の高崎たかさき先生が入ってきてホームルームが始まる。

 その後も何の問題もなく授業を消化していくが、途中何度か机に大西たちがぶつかってきたけどいつも通りだ。



 お昼の時間になり教室を出る。この空間で食べても全く美味しくないし息苦しい。

 私たち生徒の教室とは別に音楽室や化学室などがある別館の非常階段でいつも昼食をとっている。
 ここは誰も来ないし静かでいい。教室だとクラスメイトのうるさい声やあの三人組の嫌がらせがあってダメだ。

 一年生の時は誰もいなくて快適だったけど、二年になって一人増えてしまった。

 私が先に階段に腰をかけていると後ろから声をかけられる。

「こんにちは雪宮さん、購買行かないからやっぱり早いね」

「一階にある購買からわざわざ三階のここまで来なければいいのに」

「ここで食べたいから毎日くるよ」

 彼は如月 太陽きさらぎ たいよう。私と同じ学年でいわゆる学校一のイケメンというやつだ。

 なんでそんな人気者がこんな人気のない階段で私なんかと一緒にお昼を食べているかというと、正直私にもわからない。

 気づいたら居座るようになってて、最初は嫌だったけど今はいい。そんなに話しかけてこないし静かにパンを食べている。

 最初はお互い完食するまで無言で食べ終えたら少し話す時間がある。彼とは隣のクラスだからクラスメイトの話や勉強の話、彼の部活の話が多い。今日はテストの話だ。

「あと少しで中間テストだけど結構やばいかも……」

「あらま、ゴールデンウィークはサッカー漬けだったの?」

「合宿だったから全然出来なかったんだよね。勉強の時間はあったけど疲れて寝ちゃった」

「流石にハードでしょ。寝ずにやってる人の方がすごい」

 彼は二年生だけどレギュラーだ。うちの学校は公立だけどそこそこ強いらしい。だからプレッシャーとかきっと常に感じながらやってるんだろうな。

「もし迷惑じゃなかったらなんだけど、雪宮さん勉強教えてくれませんか?」

 申し訳なさそうに、断られるかもしれないっていう緊張な態度が伝わってくる。

 私は勉強が得意な方だから彼さえ良ければ全く断る理由がない。うまく教えられるかはわからないけど……。

「私でいいの?」

「もちろんだよ! 雪宮さんとなら集中して勉強できる気がするんだ」

 純粋に嬉しかった。頭がいいからって理由なら誰でもいいじゃんって思うけど、集中か。

「わかった。上手く教えられるか分からないけど引き受けるよ」

「ありがとう! 来週のテスト期間からお願いしたいから、空いてる日連絡お願い」

 私たちは連絡先を交換している。前に彼から言われて何となく交換した。

「おっけ。じゃあよろしくね」

 話の区切りがついたところで予冷がなった。彼は嬉しそうに先に屋内に入っていったけど、私でよかったのかな。

 来週までテスト範囲の問題集は終わらせておこう。
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