生産スキルで国作り! 領民0の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A

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第94話 帰還

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「ここが貴様が作ったアムステルダムという村か」

 俺はシューシュを連れて、アムステルダムへと帰還した。

「そうだ」
「思ったより立派な防壁があるのだな。案外発展しているのか?」
「人が少ないから発展してるとはいえませんよ。確かに防壁は結構立派ですけど」

 人口はまだ100人もいない。

 まだまだ増やしていかないとな。

 門番のホムンクルスに門を開くように命令をした。
 すぐに門は開き、俺たちは村の中へと入った。

「ふむ、確かに人間は少なそうだが……ホムンクルスはかなりいるな」
「ホムンクルスの方が多いくらいですからね」
「これだけいるのなら一体くらい……」
「解剖しちゃダメです」
「貰いたいと、言おうとしたのだが」
「あ、そうですか……研究を手伝わせたりするんですか」
「いや、解剖する」
「結局解剖じゃねーか! 絶対あげませんよ!」

 相変わらずのやり取りをしていると、アイナとそれからメイがこちらに駆け寄ってきた。

「お帰りなさいませゼンジさん……ってその人は?」
「ああ、新しくここに住む、シューシュさんだ。賢者って言って凄く頭の良い人なんだ」
「へーそうなんですか」

 メイはというと、新しい人が来たので声を出せずにいる。
 相変わらず人見知りな奴だ。

 ただよく考えたら、さっきはアイナと並んでこっちに来たよな。

 俺のいない間にアイナと仲良くなったのかもしれない。
 それは良いことだ。

 そのあと、村の皆全員にシューシュを紹介した。

 態度が結構偉そうなので、大歓迎というわけではなかったが、頭の良い人だというのは分かったみたいで、文句は言われなかった。
 シューシュも空気を読んで、そこまで過激な発言は村人の前ではしなかった。

「じゃあ、シューシュさんの研究所を作成しよう。木材はあったよな」
「はい、ありますよ。ホムンクルスちゃんたちが頑張って集めていますので」

 とりあえず大きな家を現時点で作成可能なので、それを作って研究所として使ってもらおう。

 俺は家を作成したい場所に木材を運ばせて、生産スキルで家を作成した。

「ふむ、これだけの規模の家を一瞬で作るとはな。やはりそのスキルは調べがいがありそうだな」

 シューシュは興味深そうに、家が建つ様子を見ながらそう言った。

 そのあと、シューシュの元の家から持ってきた道具や家具、アナホムの研究所から取ってきた本などを作った家に運び込む。

「じゃあ、我はしばらくの間、アナホムの資料を読む。それが終わったら貴様の研究を開始する」

 そう言って家に入っていった。

「あの人怖そうだったね……」

 シューシュが家に入った瞬間、メイが話しかけてきた。

「そうでもないぞ」

 確かに口調は偉そうだし、何か顔つきがマッドサイエンティストっぽい感じで、怖いというにも分からないではないが、ビビリの意地っ張りだということは短い付き合いだが、よく分かったので、怖いという意識は全くない。

「そうなの? でも変わった人ではあるでしょ? 上手くやっていける自信はない」
「まあ、メイはなるべく近付かない方がいいかもな」

 メイにもスキルはあるし、何か解剖するとか言ってくるかも。案外押しに弱い奴なので、思わずうなずいてばらされる何てこともあり得るかもしれない。いや、まあ止めるけど。

「そういえば、アイナと仲良くなったのか」

 疑問を尋ねてみた。

「うーん……仲良くなったというか、ちょっと困っているというか」

 メイはいきなり歯切れが悪くなる。

 話をしているとアイナが俺たちに近付いてきた。

「あ、メイ師匠! 今日もよろしくお願いします!」

 いきなりそんなことを言いながら、アイナがメイに近付いてきた。メイは焦ったような表情になる。

「え、えーと……とりあえず走ってきて……うん、基礎体力を付ければいいかな~……なんて」
「分かりました!」

 アイナはそう言って、走りに行った。

「何だ今の」
「それが何か面倒なことになってて……」

 なぜかアイナに師匠にされているとメイは説明した。

「戦い方とか教えられるのか? 魔剣のおかげで強いんだろ?」
「無理」
「じゃあどうするんだ? 今から破門にするのか?」
「そ、それは無理だぁ。どうすればいいか教えてよ~」
「俺には分からん」
「は、薄情な~友達だろう~?」

 今にも泣き出しそうにメイはいうので、仕方ないから俺はどうすればいいか考える。

「お前、少年漫画とか好きだから、何かそこから取れないのか?」
「ま、漫画と現実は違うのでは?」
「それでも、走れとか適当に教えるよりかはましじゃね?」「うーん……そうかなぁ。それで強くなれるかなぁ?」

 個人的にアイナが一緒に戦うというのは反対だ。
 危険な目に遭って欲しくない。

 ただ、俺のために強くなりたいと言っているのは、正直嬉しくはあった。なので、本人が強くなりたいという気持ちを無下にするのは、正直嫌だ。

「じゃあ、お前自身が剣を学べば? それまでアイナには体力づくりをしてもらえばいいんじゃないか? メイも今より強くなれて、いいだろ?」
「誰に学ぶの?」
「誰? うーん、そうだなぁ」

 俺がこの世界に来て、一番剣を使うのが上手いのはアガントだ。
 だが、領主にそんな事頼めないだろうし……
 ホムンクルスは最初からある程度剣術に詳しいので、教えてもらえるだろう。

「ホムンクルスに教えてもらったらどうだ?」
「え~? ホムンクルスに?」

 不満げな顔だ。
 どうも、ホムンクルスに何かを教わるのに抵抗があるようだ。

「あまり贅沢は言うな」
「わ、分かったよ」

 近接ホムンクルスは戦うだけで、それを教えることは出来ないので、中級ホムンクルスに任せることにした。中級ホムンクルスでも、剣術は習得している。

 俺はしばらくメイに剣術を教えるよう、中級ホムンクルスに命令をした。

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