生産スキルで国作り！　領民０の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A

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第95話　戦争

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　メイは中級ホムンクルスに剣を教わり始めた。

　アイナに見えない場所で教わっているようだ。まあ、師匠が何で教えてもらってるんだって話だからな。

　どうもメイは筋が良かったのか、元々独学でちゃんと剣を扱えていたようだ。
　そうじゃないと、いくら身体能力が高くなると言っても、そこまで強くはなれないからな。

　この様子なら、すぐに上達するだろう。

　すぐに教えられるようになりそうだな。

　それにしても良かったな。
　何だかんだ言ってメイは、アイナと仲良くなれたし村に馴染めそうだ。
　一生馴染めない可能性もあると思ってたからな。

　さて、またフラメリウムに行って、依頼を受けてくるかな。

　そう思ってアムステルダムを出ようとすると、中級ホムンクルスリーダーが報告をしてきた。

「フラメリウム領主のアガントがゼンジ様に面会を求めているとの報告がありました。通しますか？」

　そう言ってきた。

　アガントが、何のようだ？

「また一人か？」
「数人兵を連れているようです」
「そうか……追い返すわけにもいかないし、通してくれ」

　アガントの関係を変に悪化させたくはない。
　ここは通すことにした。

「かしこまりました」

　中級ホムンクルスリーダーはそう言って、門番のホムンクルスに伝令を送った。

　しばらくして、アガントがかなり急いだ様子で向かってきた。

「久しぶり……ってほど前でもないか。とにかく元気そうで何よりだ」

　とアガントが握手を求めてきたので、俺は「そちらこそ」と言って応じた。

「さて、それでは早速だが本題に入ろう。あまり長々と話をしている時間がないんだ。今日も君の力を借りに来たんだ」

　アガントは切羽詰まったような表情でそう言った。

「俺の力をですか？　また何かあったのでしょうか」
「ああ、簡単に説明すると、戦争が起きているんだ」
「せ、戦争ですか？」
「そうだ。今、俺たちがラマク帝国のポロナイズ地方の南側、アブダル海峡の向こうにあるシープイン王国が、出兵をしてきた。強力な海軍があっさりとクランプトン港を落としてさらに北に進軍してきている」

　聞いたことのない地名を一気に言われて、俺は混乱する。

　ポロナイズ地方ってのが、フラメリウムとかアムステルダムとかがある地方の事かな？

　そんでその南に海があって、その向こう側にシープイン王国があると。

　あれ？　ここって地球で言うとオランダがある場所なんだよな。
　オランダの南って海なのか？　
　何か欧州の北にあるイメージだったから、海があるのは北だと思っていたのだが。

　うーん……まあ、俺の地理の知識はそんなにないし、勘違いだったかなぁ？

　どこかおかしいと思いつつも、それに付いて考えるのはやめた。

「そのシープイン王国ってのは、強いんですか？」
「強い。元々はそこまで強くなかったけど、かなり強くなっている。何やら魔物を意のままに操って軍隊に編入しているようなんだ」
「え？」

　魔物を操るというのに、俺は引っかかった。

「もしかしてそれって……」
「ブラックドラゴンを操っていたのと同じ可能性がある。現時点は確証はないけどね」
「なるほど……」

　魔物が軍にいるとなると、今までそんな軍隊と戦闘したことがないだろうから、戦いにくいかもしれないな。

「皇帝に援軍を頼んだんだけど、正直頼りにはならないんだ今の皇帝は。援軍は寄越すだろうけど十分な数来るとは思えない。だから、君に協力を要請したんだ」

　正直戦争はしたくないけど……
　でも、これって他人事じゃないよな。
　その軍隊はこのアムステルダムまで来る可能性がある。
　そうなると、今まで作り上げたものがめちゃくちゃにされてしまうかもしれない。

　俺はここを守るためにも、戦うと決めた。

「分かりました。協力します」

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