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第110話 防衛戦開始

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 俺は生産スキルで、塔や防壁などの防衛施設を作っていった。

 ルバッツには、結構資材の貯えがあったため、素材の収集自体は少量で済んだ。

 元々、防壁で囲まれたルバッツを、さらにもう一段の防壁で囲んだ。最初からあった防壁は、結構前に建てられたもののようで、古く劣化しており、さらに防壁自体の高さも低かったため、これで防御力はだいぶ強化できた。

 大砲などの強力な武器も作ることが出来た。
 ただ、火薬の材料となる硝石や硫黄などの材料が、そこまで大量になかったので、大量生産することは出来なかった。
 四つ作ることが出来た。

 アガントの部下に大砲を使うのが上手い人が数人いるので、大砲はその人たちが使う事になる。

 生産スキルのレベルだが、色んなものを作ったが上がることはなかった。
 多分もう少しで上がると思うけど、相当必要な経験値が多くなってるな。
 これ40とかになったら、とんでもない量作る必要がありそうだ。

 数日後、アードス砦が落ちたという報告が来た。

 敵の様子を観察している斥候の情報によると、敵は砦を落としたあと、急ピッチで出陣の準備を始めているらしい。

 ルバッツまで来るのも、そう遠い話ではないだろう。

 遂に戦争が始まるのか……

 まだ完全に覚悟は決まっていないが、その時が来たら命令をしないといけない。

 何だか緊張して眠れない日々が続いた。

 そして、それからさらに数日後。

 敵軍がルバッツに向けて出陣したという報告があった。

 その数は三万はいるのではないかというほどの大軍だそうだ。

 ただ、魔物の数は500体程度と、俺の想像よりかは少なかった。

 魔物種類は、ワイバーンやらサイクロプスやら、何か聞くだけで強そうだと思うやつらばっかりだったので、数は少ないけど一体一体の強さは凄いのだろう。

 アガントは兵を出陣はさせずに、籠城して戦う事にしたようだ。

 攻城戦は守りの方が有利になるので、そう判断したようだ。
 敵軍の今までの戦い方を分析したところ、奇策を使ったりはしてこなくて、正攻法で城を攻略しているようなので、こちらも真っ向から迎え撃つつもりのようだ。
 数の上ではこちらは敵の半分程度だが、俺が強化したこの都市を正攻法で落とすには、三倍は必要だという事で、十分勝てるとアガントは言った。

 ただ不安要素もある。敵には魔物がおり予想しない方法で、城を落としてくる可能性がある。
 例えばワイバーンとかだと、空から来られると城壁も意味をなさなくなるし、サイクロプスが投石をすると、城壁がぶち壊されるかもしれない。

 魔物に上手く対処できるかどうかが、勝利のカギを握ることになりそうだ。

 厄介な魔物は、メイやレヴィ、ベルフェに優先的に排除してもらった方が良さそうだ。

 敵軍が出陣したという情報を聞いて、十日後。

 遂に敵軍がルバッツのすぐ近くまでやってきた。
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