生産スキルで国作り! 領民0の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A

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第116話 退治

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 レッドドラゴンとの戦いが始まった。

「ベルフェ。奴が高度を下げてきたら、何かを投げて攻撃してくれ」
「何かって何? このハンマーは貰った物だし、投げたくないよ」
「ハンマーは投げなくてもいい。ほかの武器を投げてくれ……えーと」

 投げるのにいい武器は何だろうか。

 槍かな。
 兵士たちは、基本的に剣ではなく長い槍を装備している。
 リーチが剣より長いから強いんだろう。

 兵士たちから槍を借りて投げよう。
 何人か武器がなくなって、戦えない兵士が出てしまうが、レッドドラゴンを退治できるなら、そのくらい何の問題もないだろう。

 防壁内で待機している兵士たちに、槍を貸してくれるようお願いをした。

 案外あっさり借りられた。自分で買ったものではなく支給されたものだし、レッドドラゴンは怖いので一刻も早く落として欲しいようだった。

 借りた槍をベルフェに持たせる。

 現在レッドドラゴンは、雲の上にいるようで、どこにいるのか分からない。

 こちらに攻撃するのなら、向こうも一度下降して来なくてはいけない。そのタイミングで、槍を投げさせる。

 レッドドラゴンの唸り声が鳴り響いた。来るか?

 雲を突き破って、レッドドラゴンが下降してきた。

 目的地は町中だ。このまま黙って下降させれば、町に炎を吐かれるだろう。それは絶対に阻止しなくてはならない。

「ベルフェ! 槍を投げろ!」

 指示を出して、ベルフェがレッドドラゴンに向かって槍を思いっきり投げた。

 物凄い速度で飛んでいく。

 しかし、レッドドラゴンもかなり素早く、身のこなしがいい。この前のブラックドラゴンに、体格こそ劣るが、スピードは上のようだ。ベルフェの槍を回避した。

 危険を察知したようで、もう一度上空に行き、視認できない位置まで消えていった。

 そしてもう一度下降してきた。
 今度はさっきより速い速度だ。

 これは当てられるか?

 ベルフェは俺が指示を出す前に、槍を持って投げようとする。ベルフェは両手に槍を持っており、まずは右手で持っていた槍を投げた。全身を使って投げたようには思えないが、それでもかなりの速度で槍は飛んでいった。

 もう一本左手で持っていた槍を投げた。利き腕は右だと思っていたが、それが間違いじゃないかと思うくらい、左で投げた槍も、とんでもない速度で飛んでいった。特殊ホムンクルスに利き腕という概念は存在しないのかもしれない。

 二本の槍が、レッドドラゴンに向かって飛んでいく。後で投げた槍が、少し後ろを飛んでいる。

 レッドドラゴンは、まず最初の槍を避けたが、もう一本の槍は避けきれなかった。

 胸の辺りに命中する。

 レッドドラゴンは、血を流し、苦しそうな叫び声を上げながらも、空を飛び続けたが、最終的に町に落下した。

 てかやばい。あの位置は大丈夫か? 人がいたりしてないか?

 心配しながら向かうと、落ちた場所は広場のようで、事前に人も避難していて、被害者はいなかった。
 レッドドラゴンは、槍が刺さり苦しんではいたが、まだ死んでいなかった。
 しかし、飛びあがることが出来ないのでは、倒すのは楽である。

「ベルフェとどめを刺せ」
「了解ー」

 ハンマーをレッドドラゴンの頭に振り下ろた。頭は粉々に砕け、レッドドラゴンは絶命した。
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