68 / 68
連載
第118話 これから
しおりを挟む
俺たちは敵兵を追い払うことに成功した。
「ゼンジ! よくやってくれた! 今回レッドドラゴンも倒せたし、討ち取った敵兵の数も多い。もう敵は攻めてこれないはずだ! 君の働きのおかげだ!」
アガントに褒められたが、喜べる気分じゃなかった。
ホムンクルスたちが俺の命令で人を大勢殺した。
敵兵は引いてくれなかったため、夥しい数の兵が死んだようだ。途中からまともに戦場を見ることが出来ていないので、その様子はわかっていない。
覚悟は決めたつもりだったが、やはり心が痛んだ。
そのあと、勝利を祝って宴があったが、とてもじゃないが喜ぶ気分にはならなかった。
これでとりあえず敵兵の脅威はさったかもしれないし、帰れるだろうか?
なるべく戦いたくはないが……
でも、魔物たちがクラスメイトの誰かが使ったスキルで操られている可能性があるから、そのうち時間が経てば、また魔物を操って再び攻めてくるかもしれない。
その度に、こうやって戦争をして、敵兵を殺すというのは正直しんどかった。
――諸悪の根源を何とかしないといけない……
敵の魔物を操っているクラスメイトの誰かを止める。
殺すまではしなくても、スキル石を取り上げて、スキルを使えないようにする必要があるようだ。
翌日。
「今回の戦の勝利で、しばらく相手は攻めてこれないだろう。ただ、奪われた領地はまだ戻っていない。ここをまず取り返す必要がある」
これで戦争が完全に終わったとは、アガントも考えていないようだ。
「ゼンジ、君も手伝ってくれるか」
アガントに尋ねられて、少し考える。
奪われた領地を取り戻すために戦う事も必要かもしれないが、結局スキルを使ったクラスメイトを何とかしないと難しいだろう。
戦争で領地を取り戻していって、そして敵国を侵略して、そのあとクラスメイトを何とかするという方法を取っていたら、どれだけ大勢の人を殺さないといけないだろうか。耐えられる気がしない。
どうしかして、敵国に侵入して、何とかしてスキルを使っているクラスメイトの元まで行く。そしてスキル石を取り上げるのが一番いいと思う。奪われた領地もそれから取り返した方が、楽だろうし。
俺はアガントに自分の考えを伝えた。
「確かにスキルを使っている奴を何とかしないと、結局何度も攻められるのは目に見えているね。でも、具体的にどうやればいいだろうか」
「そ、それはまだ考えていません」
「まず、敵国の情報をもっと調べて、スキルを使っている奴を特定する必要がある。そして潜入して、スキルを使っている奴を倒す。これは君たちの力量があれば、何とかなるかもしれないな……」
アガントは考える。
「情報は部下を使って調べようか。そして、君たちがスキルを使っている者を無力化し、そのあと、領地を取り戻すための戦いをしよう」
※あとがき
書籍化企画進行中です。
詳しくは近況ボードをご覧になってください。
「ゼンジ! よくやってくれた! 今回レッドドラゴンも倒せたし、討ち取った敵兵の数も多い。もう敵は攻めてこれないはずだ! 君の働きのおかげだ!」
アガントに褒められたが、喜べる気分じゃなかった。
ホムンクルスたちが俺の命令で人を大勢殺した。
敵兵は引いてくれなかったため、夥しい数の兵が死んだようだ。途中からまともに戦場を見ることが出来ていないので、その様子はわかっていない。
覚悟は決めたつもりだったが、やはり心が痛んだ。
そのあと、勝利を祝って宴があったが、とてもじゃないが喜ぶ気分にはならなかった。
これでとりあえず敵兵の脅威はさったかもしれないし、帰れるだろうか?
なるべく戦いたくはないが……
でも、魔物たちがクラスメイトの誰かが使ったスキルで操られている可能性があるから、そのうち時間が経てば、また魔物を操って再び攻めてくるかもしれない。
その度に、こうやって戦争をして、敵兵を殺すというのは正直しんどかった。
――諸悪の根源を何とかしないといけない……
敵の魔物を操っているクラスメイトの誰かを止める。
殺すまではしなくても、スキル石を取り上げて、スキルを使えないようにする必要があるようだ。
翌日。
「今回の戦の勝利で、しばらく相手は攻めてこれないだろう。ただ、奪われた領地はまだ戻っていない。ここをまず取り返す必要がある」
これで戦争が完全に終わったとは、アガントも考えていないようだ。
「ゼンジ、君も手伝ってくれるか」
アガントに尋ねられて、少し考える。
奪われた領地を取り戻すために戦う事も必要かもしれないが、結局スキルを使ったクラスメイトを何とかしないと難しいだろう。
戦争で領地を取り戻していって、そして敵国を侵略して、そのあとクラスメイトを何とかするという方法を取っていたら、どれだけ大勢の人を殺さないといけないだろうか。耐えられる気がしない。
どうしかして、敵国に侵入して、何とかしてスキルを使っているクラスメイトの元まで行く。そしてスキル石を取り上げるのが一番いいと思う。奪われた領地もそれから取り返した方が、楽だろうし。
俺はアガントに自分の考えを伝えた。
「確かにスキルを使っている奴を何とかしないと、結局何度も攻められるのは目に見えているね。でも、具体的にどうやればいいだろうか」
「そ、それはまだ考えていません」
「まず、敵国の情報をもっと調べて、スキルを使っている奴を特定する必要がある。そして潜入して、スキルを使っている奴を倒す。これは君たちの力量があれば、何とかなるかもしれないな……」
アガントは考える。
「情報は部下を使って調べようか。そして、君たちがスキルを使っている者を無力化し、そのあと、領地を取り戻すための戦いをしよう」
※あとがき
書籍化企画進行中です。
詳しくは近況ボードをご覧になってください。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8,084
この作品は感想を受け付けておりません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。