死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A

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第12話 ブラックウルフ戦

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 ブラックウルフとの戦いが始まった。

 三対一なので、こちらが間違いなく有利だ。

 ブラックウルフは、俺の方をじっと睨んでいる。
 どうやら、標的になったようだ。
 鋭い牙の生えた口を大きく開けて、飛びかかってきた。
 横にいたミラがすかさず俺の前に立ち、剣でブラックウルフの攻撃をガードした。

 守られているばかりでいるわけにはいかない。
 横に移動し、ミラの剣に噛みついているブラックウルフに飛び蹴りをした。

 ゴーストとなった俺の蹴りは非常に強く、ブラックウルフは勢いよく吹き飛んでいった。
 ブラックウルフは大きさ的に人間よりデカい。
 体重は分からないが、恐らくかなり重いだろうが、それを吹き飛ばすほどの威力が出ているようだ。

 かなりのダメージを与えられたとは思うが、ブラックウルフは耐久力も優れているようで、普通に立ち上がる。
 さらに鋭くなった目つきで、ブラックウルフは俺を睨み付けてきた。
 めっちゃ怒ってるようだ。
 流石にちょっと怖い。

 ブチ切れて俺しか見えなくなった状態のブラックウルフを、ネズオが角で突いた。
 腹の辺りに角が突き刺さる。

「ガアアアア!」

 強い痛みを感じたようで、ブラックウルフは雄たけびを上げた。

 防御を行っていたミラが、今度は攻撃に転じた。
 ブラックウルフの喉元に、剣を突き刺した。

 これがとどめとなった。

 俺たちはブラックウルフに勝利した。
 基本ゴースト同士は、お互いを吸収するため戦っているとなると、協力して戦うということはないだろうか、これからも常に数的には有利な状態で戦うことが出来る。
 よほど強い魔物のゴーストじゃない限りは、今後も負けることは少なそうだな。

 いつも通りブラックウルフの生前の記憶が、俺の頭に流れてきた。

 ダンジョンで生まれてから、様々な冒険者を殺し、最後には冒険者にやられるという記憶だった。
 このブラックウルフには子供がいたようで、その子供たちもその時一緒に殺され、物凄く無念さを感じて死んだようだ。

 ブラックウルフからすると、自分の住処を荒らしてくる人間を撃退していたら、最後には子供もろとも殺されたという感じなので、それは無念だった事だろう。

『スキル"死霊王"の効果でブラックウルフが配下になりました。ブラックウルフの所持スキル"悪食"を手に入れました』

 いつもの声が聞こえてきた。
 悪食? 食べ物に関するスキルか?
 うーん、ゴーストなので物を食べる必要は一切ない。
 全く無駄なスキルになった気がする。
 魔物は生前のスキルをゴーストになっても持ち続けているのなら、こういうこともあるか。

 配下になったはいいけど、記憶を見る限り、ブラックウルフは人間全般を恨んでいるので、元人間の俺に従ってくれるのだろうか?
 今はゴーストなので関係ないのか? それともスキルの効果で感情など関係なく、従わせるのだろうか。

 と若干心配になっていたが、杞憂だった。
 ブラックウルフはその後、意識を取り戻すと、穏やかな表情になり、俺にすり寄ってきた。
 指示も聞くかどうか試してみる。
「お座り!」「お手!」などと言ってみたら、その指示に従った。
 ネズオと同じく、指示の意味が通じているみたいだ。

 ブラックウルフはデカいし、鋭い目つきで睨んできていたので、正直めちゃくちゃ怖かったけど、こうやって懐いてこられると、結構可愛く見えるな。
 頭を撫でてみる。もふもふと心地の良い感触が手に伝わる。
 そう言えば、茜は犬を飼いたがっていたな。
 経済的な事情で飼う事で着なかったが、もしかしたらブラックウルフがいるのを見ると、喜んでくれるかも……
 まあ、欲しがっていたのはチワワとかだったので、そんなに喜ばないかもしれないけど。

「ブラックウルフはそれなりに強い魔物ですので、頼もしいですね。名前がないようなので、付けてみてはいかがですか?」
「名前か……うーん、ちょっとすぐには思いつかないから、帝都に向かいながら考えていいか」
「承知しました」

 名前を考えるために、いつまでも町にとどまっているわけにはいかない。
 ブラックウルフを配下にした後、俺たちは再び帝都へと走り出した。


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