死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A

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第15話 撃退

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「う、うわああああ! 襲ってきたよ!」

 同じく霊となっている男を見つけ、話ができるかと茜は思ったが、向こうは一切そんな気はないようで、襲いかかってきた。
 茜は驚いて叫び声を上げる。

「あ、茜!」

 青葉は急いで盾を構えて、茜を守った。
 男は盾に向かってタックルする。
 なかなかの勢いで男は激突してきたが、本当に当たったのか疑わしいくらい、青葉に衝撃が伝わらなかった。
 音も、ポスッと気の抜けた音が響いただけである。
 どうやら、硬さで攻撃を守ると言うより、衝撃を吸収するタイプの盾のようだ。

「茜攻撃して!」
「わ、分かった! えい!!」

 茜を剣を構えて男を斬った。

 肩のあたりを斬り裂く。
 血は出ず、光が飛び散った。

「ぐあああああああ!!」

 男は苦しげな悲鳴を上げながら、もがき始める。
 その後、光の粒子となり、茜と青葉の体に吸収されていった。

「ええ? た、倒したの?」
「体に入ってきたんだけど……大丈夫なのこれ?」

 不安になっていると、

『ブラズ・ハードを倒しました。レベルが2に上がりました。レベル5でゴーストからレイスに進化可能です』

 と言う声が、二人の頭に同時に響き渡ってきた。

「な、なんか聞こえなかった? レベルがどうたらこうたらっての」

 茜は困惑する。

「茜にも聞こえてたんだ。レベルか……異世界にはあるある。で、進化するとレイスになる?」
「レベルとか進化とかって、なんかポケ○ンみたいだね」

 茜は子供の頃ゲームはしてたが、その頃の知識で止まっていた。

「今は僕たちはゴーストって状態で、進化したらレイスになる……か……」
「進化したら強くなるのかな?」
「そうかも……まあ、進化してみたらどうなるか分かるでしょ」
「さっきの人はゴーストだったんだよね。ここで死んだからゴーストになったのかな?」
「恐らく……僕たちみたいに処刑された人は多そうだし、ほかにゴーストになった人たちがいても、不思議じゃない」
「死んだ場所でゴーストになるのかな? じゃあ、お兄ちゃんがここにいないのは何で?」
「……まだゴーストになってないんじゃないの? 僕たちも自分の体が完全に食べられてから、ゴーストになってたし」
「そ、それならもうなっててもおかしくない? 結構経ってるよ……」
「それはそうだね……」

 青葉は考える。

「ゴーストになるには条件があって、兄さんはそれを満たしてなかった。と言うのも考えられる。全員がゴーストになってたら、もっと地上はゴーストだらけになってそうだし」
「じゃ、じゃあ、お兄ちゃんはもしかしたら……」
「分からない。とにかく少し待ってみよう」

 青葉と茜は、信二がゴーストとになるのを待つ。
 数時間待ったが、ゴーストとなったシンジがこの場に来ることはなかった。

「もう諦めよう」

 先に青葉がそう言った。

「や、やだぁ……」
「もしかしたら、本当は普通は死んだ場所じゃない場所でゴーストになるもので、僕たちがおかしいだけかもしれない。それにゴーストになれなかったということは、別に悪いことじゃない」
「どういうことよ」
「俺の読んでる異世界物には、異世界に転移したり転生したりしてたけど、死んだあとはチートキャラに転生して、ハーレム気付いたりするのがお決まりなんだ。僕たちもこうやって転移したから、きっと兄さんも転生して楽しくやっていけるさ」
「そっか……お兄ちゃん私たちの面倒で手いっぱいで女っけなかったし、幸せになってたらいいな……」
「うん」

 青葉は頷く。
 口では納得したような感じではあったが、二人とも寂しそうであった。

「でも、もう二度と話せないのは寂しいな……」
「……」

 茜はポロリと本音を漏らした。
 青葉も同じ気持ちだった。返答はせずに、黙って俯いた。

「私たちはこれから何をすればいいのかな?」
「決まってる」

 茜の質問に青葉は、力を込めて返答する。

「僕たちを殺した奴らに復讐するんだ」


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