死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A

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第17話 次の目的地

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「見つからないねー」

 二人は城を探していたが、先程倒した騎士以外にゴーストは見つからなかった。

「もしかして、そんなにゴーストってなりやすいものじゃないのかも? それに、ほかのゴーストも僕たちみたいにほかのゴーストを倒して吸収しているのなら、必然的に数は少なくなるよね」
「えー!? それじゃあ、めっちゃ時間かかりそうじゃん!」
「うーん……気長にやるしかないか……」

 青葉も少しだけうんざりした様子だった。

 それから城を探し続ける。

 魔術師のような格好をした人が7人いる部屋に二人は入った。

「魔術の研究をしているのかな?」

 中の様子を見て青葉がそう予想した。
 魔術に関しては青葉は興味があったので、魔術師たちがやっていることを青葉は観察する。

「あ! あの人!」

 その部屋の隅の方で座っている人物を茜が指さした。

「僕たちをこの世界に召喚した人だ……」

 信二、茜、青葉の三人を異世界に召喚した魔術師のイーサンの姿があった。

「この人が私たちをこっちに召喚したんだよね! ムカッ! この、この!」

 茜はイーサンを剣で斬りつける。
 当然のごとく全く当たらない。

「いや、この人は命令に従っただけだろうし……悪いのは皇帝だよ」
「それでも許せないよ!」

 青葉は諫めたが、茜は腹の虫が収まらないようだ。

 イーサンは、「はぁー」とため息をついた。

「いくら皇帝の命令とは言え、異世界の人を何の意味もなく呼び出して……そして、結果三人は処刑された……三人のうち二人は、まだ子供だった……いつまでこんなこと続けなければいけないんだ……」
「仕方ないですよ……やらないと俺たちが殺されますから……」

 がっくりと落ち込んでいる様子をイーサンは見せる。
 流石に茜は「う……」と顔をしかめた。

「こ、これくらいで許してやろう」
「これくらいも何も、一切ダメージは与えられてないんだけどね」

 青葉は呆れるような表情を浮かべてそう返答した。

「俺これからその皇帝に報告行かないと、憂鬱ですよ」

 魔術師の人がそう言ったら、同情するような視線をその魔術師に向けた。

「皇帝に会いに行く? もしかしてこの人についていったら、皇帝が見れるのかな?」
「見に行く意味なんてないでしょ……と言いたいけど、僕もちょっと敵の顔を見てみたい」

 二人はそう言って、皇帝に報告をしに行くと言った魔術師のあとをつけた。

 皇帝は執務室にいた。
 退屈そうに椅子に座っている。
 特に何かをしているというわけではないようだ。

「てりゃあああ!!」

 皇帝の姿を見た瞬間、茜が斬りかかる。
 イーサンの時と同じように、空振るだけだった。
 ゴーストの存在は皇帝も認識できないようで、一切気付いていないようだった。

 茜は何度も皇帝に斬りかかるが、もちろん何度やろうとも結果は同じだ。
 最終的に諦めて斬るのをやめた。

「気は済んだ?」
「済まないよ。今度はちゃんと斬れるようになってここに来よう」
「うん」

 茜の言葉に青葉は頷いた。

 その後、城中を探したが、ゴーストは見つかる事はなく、二人は城を出てほかの場所にゴーストを探すため向かった。





 城を出た俺たちは、その後、帝都を捜索した。
 しかし、茜と青葉は見つからなかった。
 というか、帝都は予想以上に広い町で、人も大勢いる。
 仮にいたとしても、見つけるのは相当困難であった。

 三日ほど探し続けたが、茜と青葉どころか、ゴーストすら見つけることが出来ない。

 それでも俺は諦めきれずに、探していたが、

「シンジ様……少しいいですか?」

 今で黙って捜索を手伝ってくれたミラが、業を煮やしたのかそう聞いてきた。

「何だ?」
「このまま探しても埒があきません。というか、恐らくお二人はゴーストにならなかった可能性が高いと思います。もし仮にゴーストになられていたとしても、もう発見するのは不可能です。手がかりが無さすぎます。このまま探し続けても、時間を使うだけなので、ここは帝都を離れ、レイスに進化すべくアンデッド系のモンスターが多いスポットに行ってみるべきかと思います」
「……」

 それは俺も薄々気づいていたことだった。
 帝都は広いとはいえ、ずっと動いても疲れたりしないゴーストである俺たちが、三日探し続けたら、もう行っていない場所ないというくらい、隅々までは探し終えている。

 それでも見つかっていないということは、少なくとも帝都にはいないということだ。

 帝都以外の場所を探すとなると、流石にもう見つけるのは不可能に近い。
 生きている人間は、目撃情報などから探すことも可能だが、ゴーストとなるとそれも不可能。
 手がかりが完全にゼロの状態で探すのは流石に難しい。

 俺はミラの顔を見つめたが、返答はできなかった。

 探すのをやめるという決断は、簡単にはくだせなかった。

 二人がゴーストにならず成仏していたのなら、それはそれで悪いことではないかもしれない。確かに会えないことは寂しいが、それでもこの世界にゴーストとして残ることは、決して幸せなことであるとは思えない。

 ただ、二人がゴーストになっていて、それでほかのゴーストに倒されて吸収でもされてしまったら、魂ごと死んでしまうかもしれない。もしそんなことになっていたと思ったら、平常心ではいられなかった。

 ミラもそれが分かっているから、二人がゴーストになっている可能性は低いと、強調したんだろう。

「私たちには皇帝を討つという目標があるはずです。ここで立ち止まっているわけにはいきません。ルシエルはアカネ様とアオバ様にとっても、怨敵でありますし、絶対に倒さなければなりません」

 ミラの言葉は正しかった。

「……分かった。ただ、すんなりとは諦めきれないんだ。あと一日中だけ探す。それで見つからなかったら、諦める。それでいいか?」
「……はい」

 ミラは少し申し訳なさそうな表情で頷いた。

 それから俺たちは言葉通り帝都を探し回ったが、結局茜と青葉は見つけることはできなかった。

「行こう……」

 二人の捜索を諦めた俺たちは帝都を出ること決めた。

 とにかく絶対に皇帝だけは討ってやる。

 その気持ちだけは、さらに高まった。





 帝都を出ると決めた俺は、次の目的地を決めるため、ミラと話し合っていた。

「まずは進化しないと、話ならないし、ゴーストがいっぱいいそうな場所に行ってみようか。ここからはどこが近い?」

 俺がそう尋ねると、ミラは少し考えたあと、返答した。

「帝都から近いアンデッドが多い場所は……霊城レプロートですね」
「霊城レプロート? どんな場所なんだそこは」
「大昔は普通の城だった場所ですが、100年くらい前に攻城戦が行われ、そこで新型の魔法兵器が使用されたため、兵士民間人問わず、大量の戦死者が出ました。その城は侵攻した側の手に落ちたのですが、それ以降、アンデット系の魔物が多数湧き出るようになり、統治不可能な状態となったため、放棄されました。それ以降もずっと放棄され、今では冒険者が訪れるスポット化しているようです」
「なるほど……ただ、ゴーストの特性を考えると、もしかしてそこにはゴーストはいなくて、レイスとかほかのアンデッド系の魔物しかいないんじゃないか?」

 ゴーストはゴーストを吸収することで、レイスになるっぽいので、100年後戦死者が出まくった直後は、ゴーストが大量にいただろうが、今は大方ゴースト同士の戦いで決着が付き、勝者はレイス以上のアンデッドになったんだろう。
 アンデッド系のモンスターが次々に湧いてきたというのもそういうことだと思われる。

「かもしれませんね。ただ、今の我々は、人間など生き物には触れませんが、レイスなどの半分霊体のような魔物には、触ることができるかもしれません」
「……確かに……それで倒せればレイスを配下に……倒した時に得られる経験値もゴーストよりも多そうで、レベルアップも早まりそうだな。でも、倒せるか?」

 レイスってゴーストの進化系だよな。
 俺たちの上位互換ってことだ。
 負けるかもしれない。

「それは分かりませんが……一応、こちらには四人なので、何とか倒せるかもしれません」
「数ではたしかに有利かもしれないな。霊城に行くまでに新しいゴーストを配下にできるかもしれないし。とりあえず向かってみるか」
「はい」

 俺はミラの提案にのり、霊城レプロートへと行く事に決めた。
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