死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A

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第20話 シミア

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「最悪ね……この私が人間ごときの配下になってしまうなんて……」

 目覚めた瞬間、シミアは悪態をついてきた。

 あまりにも不機嫌そうな様子だったので、どう声をかければいいか迷っていると、

「じっと見てないで何かいいなさいよ」

 とシミアは睨みつけながらそう言ってきた。顔は良いが性格はあまり良くなさそうだ。

「えーと、状況はちゃんと理解してるってことでいいか? 俺の名前もわかるか?」

 基本初対面は敬語な俺だが、相手がタメ口なのでそれに引っ張られて、タメ口で話す。

「わかってるわ。記憶が流れてきたもの。あなたはシンジっていうのよね? 出身はこの世界じゃなく異世界」
「ああ、そうだ」

 俺は頷いた。

「そこのオオカミやネズミ、女については分からないけど、多分私と同じく配下にしたのよね。私は、シミア・サティースよ。よろしく」

 ミラたちにもシミアは自己紹介をした。

 それに応えるように、ミラも自己紹介をした。クロとネズオについても、名前を教えた。

「変な名前ね」

 あまり評判は良くなかった。

「サティース殿、先程からシンジ様への態度がなっていないようですが」
「シミアでいいわよ。当然じゃない。こんな人間の男……どうせこの私を配下にしてやらしい事をするに決まっているわ。今の私はこの男の命令には逆らえないんですもの」
「す、するわけないだろ!」

 若干妄想したことはあるとはいえ、実行はしない。
 もちろん実行する勇気がないからではなく、倫理的にダメだから、やらないだけだ。誓ってそれは本当だ。

「どうかしら。ミラちゃんにはもうすでに手を出したんでしょ?」
「出すわけあるか!」
「そ、そうです! シンジ様がそんなことするわけありません!」
「本当? その男、故郷ではやらしいかっこうをした女の子が写っている、本とか映像とかを何度も見ていたわ」
「なっ……!」

 と、とんでもない事をしている時の記憶を見られたようだ。 
 そ、そりゃあ、俺も男だしある程度エロい物も見てきた。というか、見た事ない奴の方が異常だし。
 てか、ミラは俺が異世界に召喚されて以降の記憶しか見てないと言っていたが、人によって見る記憶が違うのだろうか?

「シンジ様がそんなことしているわけがありません!」

 怒りながらミラは否定する。
 いや、それは事実なんだ……
 申し訳ない気分になる。

「してたわよ。というか、あなたもその男の記憶を見たんじゃないの?」
「見ましたが……こちらの世界に召喚されてからの記憶以外はあまり見ていません」
「じゃあ、知らないって言い切れないじゃない。というか私は逆に異世界に来てからの記憶はほとんど見てないわね。なぜか、人喰い蜂に食い殺されて死んでたみたいだけど」

 やはりミラとは見た記憶が違うようだ。

「い、言い切れませんが、そんな方ではないとは、分かっています! シンジ様は嫌らしいことなど考えない、高潔な方です! ですよね!」
「え、えーと……」

 ミラには物凄い誤解されているみたいだ。
 全然、高潔じゃないんだけど。
 何でそんな誤解されてるんだ?

「こ、高潔ではないかもなぁ……」
「ほら、否定しないわ」
「シ、シンジ様?」

 ミラは少しショックを受けているようだ。なぜそんな幻想を抱いたのだろうか。逆に不思議である。

「か、仮にシンジ様が少しやらしくても、問題ない……というか、それならば、私がシンジ様の性欲を満たして上げる義務が……」

 ミラが若干顔を赤くして変なことを呟いている。

「まあでも、私を正気に戻してくれたのは感謝するわ。死んだ後の記憶も薄らとあるけど、あんな状態でずっと彷徨っていたかもって考えると、ゾッとする。それならあなたの配下になって、たまに抱かれたりした方が全然マシよ」
「だから抱かないっての……」

 人の話を聞かない女だ……

「てか、こんなこと話してる場合じゃない。早く霊城の攻略をしよう」
「あなた達、霊城を攻略しようとしていたのね……そうじゃないとこんなところ来ないか」
「シミアは生前ここを攻略しようとしてたんだよな。どんな場所なんだ?」
「入った瞬間やられたからあんまり分からないわよ。あなた私の生前の記憶見たんでしょ?」
「見たな。そういえば、あっさりやられた」

 俺が見た記憶では、霊城に入った瞬間、男の姿をしたアンデット系の魔物に、体を触られた瞬間、がっくりと倒れ込みそのまま死亡した、という最後だった。

「デス・ハンドっていうリッチの特性よ。自分より実力が大きく劣る相手は、触っただけで即死させる力」
「リッチっていうのかあの魔物は。ゴーストになった俺たちも効くのかな?」
「さあ? ただ……死んだ後の記憶も朧げながらあるけど、リッチには襲われたことないわね。見えてないんじゃないからしら」
「リッチには見えないのか」
「でも、レイスには多分私の姿が見えてるわよ。レイスに追いかけられて、怖くて逃げたのは何となく覚えているわ」

 レイスは見えるのか。
 てか、怖くて逃げるのかレイスは。
 もしかすると、ゴーストからすると、レイスは格上のやばい存在で、それを本能的に理解してるのかもしれない。

 向こうが見て襲ってこれるということは、逆も可能だろう。

「俺たちはアンデッド系の魔物を倒して、配下にするためにここに来たんだ。霊城にいるレイスを倒そう」

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