変異の町―create new life―

家頁愛造(やこうあいぞう)

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第二章 二葉藍子

約束

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 長い休憩時間となり、教室内は授業から解放されリラックスした生徒たちの雑談で賑わっている。

 「よいしょっと」

 いつもこの時間は自分の椅子を玲子の机の側へと持っていき、一つの机に二人で昼食の時間を過ごしている。

 クラスのみんなは食堂へ行く生徒で三分の一くらいは居なくなり、教室に残った者は一人あるいは二、三人のグループに別れていた。

 高校に入っておよそ一ヶ月ほど経過したが、大体のみんなが特に新しい繋がりがあるわけでもなく、昔からの親友とくっ付くといった感じで、私もそうであった。

 小、中学校と玲子以外に友達が全くいなかったというわけでもないが、少子過疎化が著しく進んだ地域ということもあり、同年代の子供たちは数が非常に少なくその上、家もかなり離れていた。
 そのような理由もあって学校外での遊び相手のほとんどは比較的近所に住む玲子、あるいは祖父であったのだ。
 おまけにただでさえ少ないかつての女子同級生たちは他のクラスへと配置されてしまった。
 この教室で知る人物は玲子しかいないのだ。
 
 きっと他のみんなもそんな感じなのだろう。
 玲子と一緒なクラスになれたのは本当に幸いなことであった。
 もしかするとそれは偶然ではなく学校側が住所や生い立ちから判断して配慮した結果なのかもしれない。
 本当は勇気を出して新しい人間関係を作っていかなければならないのだろうけど……
 
 「ところで藍子」

 「なに、玲子?」

 「今週の日曜日にさ、久しぶりにみんなで集まって映画でも見にいかない? 今、面白そうなホラー映画やってるのよね」

 優等生でありながらも遊びの計画を立てるのはもっぱら玲子である。
 それにしても本当に玲子っていつ勉強してるのだろうか?
 きっと地頭が良いのだろう。
 優柔不断で受け身的な自分とは対照的に、行動的で計画性のある彼女は実に頼もしく、小、中学生の頃はグループのまとめ役的存在だった。
 小学生の時、初めて大人抜きの自分たちだけでバスに乗って、とても自転車ではたどり着けそうにない地方都市へ遊びに出かけられたのも玲子のおかげであった。
 あの時、映画館やゲームセンターやレンガ造りのお洒落なカフェ、ブティックなど、普段は行けないようなこの町にはない色々なお店を好きなようにみんなで巡って、華やかな新しい世界を感じ、言いようのない感動を味わったものだ。
 断る理由など何もない。

 「うん行く! 絶対行くから!」

 「よーし、それじゃあ決まりね。じゃあご飯食べ終わったら他のクラス行ってみんなに連絡しようよ」

 「分かったわ」

 こうして私たちは楽しい週末の予定を立て、学校での一日を終えるのだった。
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