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第21話 エマ、パワーストーン店にディアス伯爵、訪れる
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エマのパワーストーン店にディアス伯爵、訪れる
……やってしまったか……。
ディアス=ランス伯爵は、書斎の椅子に深く腰を沈めたまま、天井を仰いだ。
重い溜息が、自然と零れる。
数日前。
国境の関所を越えたという、あの男――アンドレオ=モナコラの話を耳にした時から、嫌な予感はしていた。
よりにもよって、エマの店へ。
よりにもよって、皇女様への無礼。
「……止めるべきだったか」
つぶやきは、誰にも届かない。
だが、無理もない。
あの男の性格を思えば、行き着く先など、火を見るより明らかだった。
尊大で、短慮。
自分が「伯爵」であるという事実だけを、武器だと勘違いしている男。
――しかも、相手が誰かも調べずに。
ディアスは、机の上に置かれた報告書を指で叩いた。
エマのパワーストーン店。
そこに出入りしている人間の顔ぶれを、少しでも調べていれば、決して近づこうとは思わなかっただろう。
剣聖の師匠が護衛している店だぞ……力づくなど無知すぎる。
「……完全に地雷原だ」
苦笑とも溜息ともつかない息を吐く。
そして、もう一つ。
自分自身の判断も、甘かった。
「アメジスト」
扉の外に声をかける。
「支度はいいか?」
「はい、パパ」
柔らかな返事と共に、扉が開く。
淡い紫の髪を結った娘――アメジストは、まだ3歳、まだまだ甘えん坊な年頃である。
「ママにあうの?」
「そうだ、エマの店に行く」
ディアスは立ち上がった。
「……直接、話をしたくてな」
それは、確認でもあり、謝罪でもあり、そして……頼み事でもあった。
◇
エマのパワーストーン店は、相変わらず静かだが、賑わいを見せていた。
無駄な喧騒はなく、だが人の流れは途切れない。
店全体に、落ち着いた空気が満ちている。
「いらっしゃいませ」
出迎えたエマは、ディアスの姿を見て、少しだけ目を細めた。
「ディアス伯爵。ようこそ」
「……ああ」
胸の奥が、僅かに痛む。
この穏やかな声と表情。
かつて、自分が婚約者だった頃とは、多くのことが変わってしまった。
「今日も、娘と一緒だ」
「まま、あいたかった」
アメジストが駆け寄ってエマに抱き着く。
「今日は腕輪、作る?」
エマは、柔らかく微笑んだ。
「つくる」
アメジストはうなずいた。
そこで、受付にいたペネロペが気がついて駆け寄る。
「アメジストちゃん、わたくしが教えてあげる、ですわ」
今度はペネロペに手を繋がれてパワーストーンの体験コーナーへと二人は移動するのだった。
「面談室をお使いになりますか?」
「頼めるか」
◇
面談室は、外の喧騒を完全に遮断する、落ち着いた空間だった。
紅茶が置かれ、扉が閉まる。
しばしの沈黙。
先に口を開いたのは、ディアスだった。
「……まずは謝罪したい、アンドレオの件だ」
エマは、静かにうなずく。
「来ましたよ。ええ」
短い言葉に、すべてが含まれていた。
「……すまない」
ディアスは、深く頭を下げた。
「私が止めるべきだった。隣国の伯爵だからと躊躇した。
結果として、君に迷惑をかけた」
「謝る必要はありません」
エマは、淡々と答えた。
「あの方が選んだ行動です」
その言葉が、余計に胸に刺さる。
「……話は変わるが、今日来た理由を正直に言おう」
ディアスは、背筋を正した。
「今、領地の安全を真剣に考えている」
エマは、黙って耳を傾ける。
「エマの付与アイテムのおかげで国境沿いの魔物が討伐できた。
しかし、いつまた魔物が戻ってくるかわからない。
だから、国境沿いに魔物が入ってこれない方法を考えている」
そこで。
「君の力を借りたい。
魔物避けの結界――あるいは、それに準ずるものを」
エマは、少し考えるように目を閉じる。
「……実は」
そして、ゆっくりと言う。
「昔、ディアス様と婚約していた頃。
ランス伯爵領の地質を、少し調べていました」
ディアスの眉が動く。
「調べていた、のか?」
「はい、その頃は婚姻後の領内運営を考えていましたから……」
エマは立ち上がり、工房へ続く扉を開けた。
「こちらです」
持ってきたのは、数個の石。
白、黒、茶色。
縞模様の入った、丸みを帯びた石だった。
「天眼石――別名、アイアゲートです」
ディアスは、息を呑む。
「……眼のような模様だな」
「ええ。この“眼”の模様が重要なのです」
エマは、石をそっと机に置く。
「これは、メノウの一種ですが、魔力の流れを視覚的に“睨み返す”性質を持ちます」
「睨み返す?」
「魔物は、無意識に魔力の流れを感じ取ります。
この石に付与魔法を施すと――」
エマは、はっきりと言った。
「侵入を“強者に見られている”と錯覚し、近づけなくなります」
守護石。
付与魔法をかければ、かなり強力になる。
「付与に聖魔法をかければ、悪意を持った盗賊除けにもなります」
ディアスは、深く息を吐いた。
「……さすがは、エマだ。感心するな、ありがたい」
「どうされますか?」
エマは、穏やかに微笑む。
「そうだな」
ディアスは一瞬、頭の中で計算してから告げる。
「……注文したい」
ディアスは、即座に決断した。
「数は多くなる。領内で採れる鉱石なら、石の用意と
取り付けは、こちらで行う」
「承知しました」
「国境線に沿って、一定間隔で設置したい」
「それが最も効果的ですね」
「値段を後で教えてくれ、予算内のギリギリまで頼みたい」
「ご注文ありがとうございます」
二人の会話は、淡々としていた。
だが、ディアスの胸の内では、はっきりと理解していた。
――エマは、昔から。
誰よりも、先を見ていた。
「……本当に」
思わず、零れる。
「君を失ったのは、この領地にとっても私にとっても痛手だったよ。
もう一度、やり直せないのか?」
「一度、加工した原石は、もう元には戻せません」
エマは、静かに答えた。
それから、静かに紅茶を口にした。
その言葉が断りの返事だと、ディアスは理解した。
窓の外では、国境へと続く道が、遠くまで伸びている。
その先で起きる“火種”を、ディアスは、もう見過ごすつもりはなかった。
――やってしまった、では済まない。
エマたちに迷惑をかけてしまった。
隣国フランセ王国へモナコラ伯爵の件は、正式に苦情を言わねばならない。
そう考えながら、ディアス=ランス伯爵は、怒りで拳を握りしめるのだった。
……やってしまったか……。
ディアス=ランス伯爵は、書斎の椅子に深く腰を沈めたまま、天井を仰いだ。
重い溜息が、自然と零れる。
数日前。
国境の関所を越えたという、あの男――アンドレオ=モナコラの話を耳にした時から、嫌な予感はしていた。
よりにもよって、エマの店へ。
よりにもよって、皇女様への無礼。
「……止めるべきだったか」
つぶやきは、誰にも届かない。
だが、無理もない。
あの男の性格を思えば、行き着く先など、火を見るより明らかだった。
尊大で、短慮。
自分が「伯爵」であるという事実だけを、武器だと勘違いしている男。
――しかも、相手が誰かも調べずに。
ディアスは、机の上に置かれた報告書を指で叩いた。
エマのパワーストーン店。
そこに出入りしている人間の顔ぶれを、少しでも調べていれば、決して近づこうとは思わなかっただろう。
剣聖の師匠が護衛している店だぞ……力づくなど無知すぎる。
「……完全に地雷原だ」
苦笑とも溜息ともつかない息を吐く。
そして、もう一つ。
自分自身の判断も、甘かった。
「アメジスト」
扉の外に声をかける。
「支度はいいか?」
「はい、パパ」
柔らかな返事と共に、扉が開く。
淡い紫の髪を結った娘――アメジストは、まだ3歳、まだまだ甘えん坊な年頃である。
「ママにあうの?」
「そうだ、エマの店に行く」
ディアスは立ち上がった。
「……直接、話をしたくてな」
それは、確認でもあり、謝罪でもあり、そして……頼み事でもあった。
◇
エマのパワーストーン店は、相変わらず静かだが、賑わいを見せていた。
無駄な喧騒はなく、だが人の流れは途切れない。
店全体に、落ち着いた空気が満ちている。
「いらっしゃいませ」
出迎えたエマは、ディアスの姿を見て、少しだけ目を細めた。
「ディアス伯爵。ようこそ」
「……ああ」
胸の奥が、僅かに痛む。
この穏やかな声と表情。
かつて、自分が婚約者だった頃とは、多くのことが変わってしまった。
「今日も、娘と一緒だ」
「まま、あいたかった」
アメジストが駆け寄ってエマに抱き着く。
「今日は腕輪、作る?」
エマは、柔らかく微笑んだ。
「つくる」
アメジストはうなずいた。
そこで、受付にいたペネロペが気がついて駆け寄る。
「アメジストちゃん、わたくしが教えてあげる、ですわ」
今度はペネロペに手を繋がれてパワーストーンの体験コーナーへと二人は移動するのだった。
「面談室をお使いになりますか?」
「頼めるか」
◇
面談室は、外の喧騒を完全に遮断する、落ち着いた空間だった。
紅茶が置かれ、扉が閉まる。
しばしの沈黙。
先に口を開いたのは、ディアスだった。
「……まずは謝罪したい、アンドレオの件だ」
エマは、静かにうなずく。
「来ましたよ。ええ」
短い言葉に、すべてが含まれていた。
「……すまない」
ディアスは、深く頭を下げた。
「私が止めるべきだった。隣国の伯爵だからと躊躇した。
結果として、君に迷惑をかけた」
「謝る必要はありません」
エマは、淡々と答えた。
「あの方が選んだ行動です」
その言葉が、余計に胸に刺さる。
「……話は変わるが、今日来た理由を正直に言おう」
ディアスは、背筋を正した。
「今、領地の安全を真剣に考えている」
エマは、黙って耳を傾ける。
「エマの付与アイテムのおかげで国境沿いの魔物が討伐できた。
しかし、いつまた魔物が戻ってくるかわからない。
だから、国境沿いに魔物が入ってこれない方法を考えている」
そこで。
「君の力を借りたい。
魔物避けの結界――あるいは、それに準ずるものを」
エマは、少し考えるように目を閉じる。
「……実は」
そして、ゆっくりと言う。
「昔、ディアス様と婚約していた頃。
ランス伯爵領の地質を、少し調べていました」
ディアスの眉が動く。
「調べていた、のか?」
「はい、その頃は婚姻後の領内運営を考えていましたから……」
エマは立ち上がり、工房へ続く扉を開けた。
「こちらです」
持ってきたのは、数個の石。
白、黒、茶色。
縞模様の入った、丸みを帯びた石だった。
「天眼石――別名、アイアゲートです」
ディアスは、息を呑む。
「……眼のような模様だな」
「ええ。この“眼”の模様が重要なのです」
エマは、石をそっと机に置く。
「これは、メノウの一種ですが、魔力の流れを視覚的に“睨み返す”性質を持ちます」
「睨み返す?」
「魔物は、無意識に魔力の流れを感じ取ります。
この石に付与魔法を施すと――」
エマは、はっきりと言った。
「侵入を“強者に見られている”と錯覚し、近づけなくなります」
守護石。
付与魔法をかければ、かなり強力になる。
「付与に聖魔法をかければ、悪意を持った盗賊除けにもなります」
ディアスは、深く息を吐いた。
「……さすがは、エマだ。感心するな、ありがたい」
「どうされますか?」
エマは、穏やかに微笑む。
「そうだな」
ディアスは一瞬、頭の中で計算してから告げる。
「……注文したい」
ディアスは、即座に決断した。
「数は多くなる。領内で採れる鉱石なら、石の用意と
取り付けは、こちらで行う」
「承知しました」
「国境線に沿って、一定間隔で設置したい」
「それが最も効果的ですね」
「値段を後で教えてくれ、予算内のギリギリまで頼みたい」
「ご注文ありがとうございます」
二人の会話は、淡々としていた。
だが、ディアスの胸の内では、はっきりと理解していた。
――エマは、昔から。
誰よりも、先を見ていた。
「……本当に」
思わず、零れる。
「君を失ったのは、この領地にとっても私にとっても痛手だったよ。
もう一度、やり直せないのか?」
「一度、加工した原石は、もう元には戻せません」
エマは、静かに答えた。
それから、静かに紅茶を口にした。
その言葉が断りの返事だと、ディアスは理解した。
窓の外では、国境へと続く道が、遠くまで伸びている。
その先で起きる“火種”を、ディアスは、もう見過ごすつもりはなかった。
――やってしまった、では済まない。
エマたちに迷惑をかけてしまった。
隣国フランセ王国へモナコラ伯爵の件は、正式に苦情を言わねばならない。
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