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第90話 剣聖エリーゼ 対 最強マセロナ
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リュシアンの背後、聖灰殿の扉が再び破壊音と共に吹き飛ぶ。
「全力でこい! 魔族の強さを教えてやるッ!!」
銀鎧の女騎士、マセロナ・グレイヴが赤く光る眼を爛々と輝かせ、剣を構える。
対する剣聖エリーゼ。桃色の髪が空気を切り、剣を高々と掲げる。
「わたしも、容赦しない!」
瞬間、上段から一気に振り下ろされる剣閃。地を割るような衝撃が走るが、マセロナはそれを冷静に剣で受け流す。次の瞬間――
「ぐはっ……!」
マセロナの左拳が、鋼の如くエリーゼの腹部を打ち抜く。風を切る音と共に、エリーゼの体が吹き飛び、背後の建物を貫いて崩落させた。
「エリーゼ!!」
駆けつけようとするアリスター。だが、そこへ一足先に駆け寄ったのは、拘束から解放されたばかりのダリルだった。
「エリーゼ殿、大丈夫ですかッ!」
しかし、エリーゼは彼の制止も聞かずに跳ね起きた。
「今よ……!」
突きの構え。剣の穂先がまっすぐマセロナへ向けられる。速度は稲妻のごとく。マセロナが剣で軌道を逸らした次の瞬間――
「今度はこちらからよッ!!」
エリーゼの左足が回し蹴りとなって襲いかかる。マセロナの脇腹に炸裂し、その巨躯が後方の石造りの建物へと突っ込む。
粉塵が上がり、石が砕ける音が響く。
アリスターは顔をしかめ、マスキュラも険しい表情で天井を見上げた。
「このままじゃ、神殿ごと潰れる……」
その時、ヴェルト――いや、“仮面の案内人”ガーランが前に出た。
「マセロナ、相変わらずの強さだな!」
声にマセロナの眉が動く。
「……誰だ、貴様は?」
ヴェルトはゆっくりと仮面を外す。
「忘れたか? 俺だよ――ガーラン王子だ」
マセロナの目が見開かれた。
「……ガーラン王子!? なぜここに」
「ちょっと、リュシアンに用事があってな」
ガーランは微笑みを浮かべつつ、神殿を見回す。
「このまま二人が戦い続ければ、この神殿が崩れる。決着は、魔王国王選別大会でつけたらどうだ?」
しばしの沈黙の後、マセロナは剣を引き、静かに頷く。
「それも、そうだな。こんな場所で剣聖との決戦を済ませるのは、あまりに惜しい」
そして、エリーゼに鋭い視線を向けながら言い放つ。
「この戦いの決着は、それまで預けておく」
そう言い残すと、マセロナは騎士団を率いてその場を去った。
静けさが戻った神殿。その中心に、未だ拘束され逃げ遅れた男――リュシアン。
ヴェルトは彼に向かって一歩、また一歩と歩み寄る。
「リュシアン……お前は逃がさない」
その声には、幾重もの怒りと悲しみ、そして正義が込められていた。
こうして、戦いは一旦の終焉を迎えた。
だが――
「最後に、伝えたいことがあります」
静かに、クラリスの声が響いた。彼女の霊がふたたび現れ、エリーゼたちを見つめていた。
「ありがとう。真実を追い求め、私の声に耳を傾けてくれて……」
彼女の姿は、柔らかな光となって、その場のすべての人々の心に宿るのであった。
【エリーゼ=アルセリア】
レベル:41
HP:716
MP:421
攻撃:807【582+剣225】
防御:992【567+上下425】
早さ:998【788+脚210】
幸運:100MAX
スキル:──剣聖──フェンリルの加護 金龍の加護
装備:武器 テオドリック帝国 王家の剣
防具 上半身 剣聖のドレスチェスト
下半身 剣聖のレッドプリーツ
脚 剣聖のブレイズブーツ
「全力でこい! 魔族の強さを教えてやるッ!!」
銀鎧の女騎士、マセロナ・グレイヴが赤く光る眼を爛々と輝かせ、剣を構える。
対する剣聖エリーゼ。桃色の髪が空気を切り、剣を高々と掲げる。
「わたしも、容赦しない!」
瞬間、上段から一気に振り下ろされる剣閃。地を割るような衝撃が走るが、マセロナはそれを冷静に剣で受け流す。次の瞬間――
「ぐはっ……!」
マセロナの左拳が、鋼の如くエリーゼの腹部を打ち抜く。風を切る音と共に、エリーゼの体が吹き飛び、背後の建物を貫いて崩落させた。
「エリーゼ!!」
駆けつけようとするアリスター。だが、そこへ一足先に駆け寄ったのは、拘束から解放されたばかりのダリルだった。
「エリーゼ殿、大丈夫ですかッ!」
しかし、エリーゼは彼の制止も聞かずに跳ね起きた。
「今よ……!」
突きの構え。剣の穂先がまっすぐマセロナへ向けられる。速度は稲妻のごとく。マセロナが剣で軌道を逸らした次の瞬間――
「今度はこちらからよッ!!」
エリーゼの左足が回し蹴りとなって襲いかかる。マセロナの脇腹に炸裂し、その巨躯が後方の石造りの建物へと突っ込む。
粉塵が上がり、石が砕ける音が響く。
アリスターは顔をしかめ、マスキュラも険しい表情で天井を見上げた。
「このままじゃ、神殿ごと潰れる……」
その時、ヴェルト――いや、“仮面の案内人”ガーランが前に出た。
「マセロナ、相変わらずの強さだな!」
声にマセロナの眉が動く。
「……誰だ、貴様は?」
ヴェルトはゆっくりと仮面を外す。
「忘れたか? 俺だよ――ガーラン王子だ」
マセロナの目が見開かれた。
「……ガーラン王子!? なぜここに」
「ちょっと、リュシアンに用事があってな」
ガーランは微笑みを浮かべつつ、神殿を見回す。
「このまま二人が戦い続ければ、この神殿が崩れる。決着は、魔王国王選別大会でつけたらどうだ?」
しばしの沈黙の後、マセロナは剣を引き、静かに頷く。
「それも、そうだな。こんな場所で剣聖との決戦を済ませるのは、あまりに惜しい」
そして、エリーゼに鋭い視線を向けながら言い放つ。
「この戦いの決着は、それまで預けておく」
そう言い残すと、マセロナは騎士団を率いてその場を去った。
静けさが戻った神殿。その中心に、未だ拘束され逃げ遅れた男――リュシアン。
ヴェルトは彼に向かって一歩、また一歩と歩み寄る。
「リュシアン……お前は逃がさない」
その声には、幾重もの怒りと悲しみ、そして正義が込められていた。
こうして、戦いは一旦の終焉を迎えた。
だが――
「最後に、伝えたいことがあります」
静かに、クラリスの声が響いた。彼女の霊がふたたび現れ、エリーゼたちを見つめていた。
「ありがとう。真実を追い求め、私の声に耳を傾けてくれて……」
彼女の姿は、柔らかな光となって、その場のすべての人々の心に宿るのであった。
【エリーゼ=アルセリア】
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攻撃:807【582+剣225】
防御:992【567+上下425】
早さ:998【788+脚210】
幸運:100MAX
スキル:──剣聖──フェンリルの加護 金龍の加護
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