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思い出の橋
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" 危険 "わたるな。
点検の結果、著しい劣化がみとめられました
市の職員が取り付けた文章とともに黄色と黒のシマシマのロープで橋が通行できなくなっていた。
" この橋が通れないと向こう側にいくために、1キロ離れた橋まで移動しなくてはいけなくて、農業機械の運搬や年老いた母親を病院まで連れていく等、普段の生活にとても不便だぞ "
そう思ったのはこの橋をよく使い、近くで農業を営んでいる高橋陸人(42歳)だった。
他の人から詳しく話を聞くとどうやら、補修工事は費用がかかり、使う人も陸人を含めた少ない人数しか使っていないため、取り壊しになる予定らしいのだ。
"幼い頃から使っていて生活の為になくてはならない橋なのだからなんとか残すことはできないのだろうか?"
と思いながら、商店街で買い物をしていると普段は見慣れない
"時(人生)買います"
と書かれた札の付いた屋台があることに気付き時間もあったので寄ってみることにした。
「いらっしゃい。この店はあなたの時間(人生)を売ってそれと同等レベルのモノ、経験、契約が手に入る店だよ。」
と店員が言ったので、
「いつも使う橋を補修して使えるようにして欲しいんだができますか?」
と陸人が尋ねると
「その願いだと補修までの3年間の人生を売ってもらうことになるけどそれでもいいならこの契約書にサインして契約成立です。売ってしまった人生で起こった出来事は思い出に残らないのでご注意下さい。」
と店員が言い契約書を出してきたので、陸人はすぐさまサインした。そうするとすぐに自身が補修された橋の前にいることに気付いた。車で橋の前まできたようだったのだが、屋台で契約した時使っていた大型車でなく軽自動車になっているのを見てハッとした。
"この3年の間にお母さんが亡くなってしまったんだ。"
陸人を
"人生を売るといっても、人生を早送りされたようなものだから、世間さま的には親の最期を看取ったようになっているだろうが、俺の思い出にはお母さんの最期はまったく残っていない。こんなことになってまで橋の補修なんてしてもらわなくてよかったんじゃあないのか?"
という大きな後悔が襲いましたが、後の祭りでした。
そんな後悔をした数ヶ月後、田植えシーズンが始まり、陸人が補修してもらった橋を渡っているときでした。
「助けてくれ~」
という声が聞こえたので川を見てみると、小学校高学年位の子供が溺れているがわかりました。すぐさまトラックの荷台にあったロープを着ていたジャンパーにくくりつけ、そのジャンパーを子供に投げてやりジャンパーにつかまるよう子供に促すとともに、子供を助けてくれるようレスキュー部隊の応援を要請しました。
その甲斐あって、子供は助かったのですが、一連の救出劇を目の当たりにした陸人はある思い出を思い出したのです。
"そうだ。俺もガキの頃この川で溺れて、この橋を通った人が気付いてくれたおかげで、助けられたんだ。この橋がなかったら俺も、今の子供も生きてはいない。母親の最期を看取った思い出はないが、この橋のおかげで子供の命が助かったんだから、やっぱり補修してもらってよかった。"
田植えの繁忙状態でイライラする時期にあって、ほっこりするような空気が陸人を包んだのでした。
点検の結果、著しい劣化がみとめられました
市の職員が取り付けた文章とともに黄色と黒のシマシマのロープで橋が通行できなくなっていた。
" この橋が通れないと向こう側にいくために、1キロ離れた橋まで移動しなくてはいけなくて、農業機械の運搬や年老いた母親を病院まで連れていく等、普段の生活にとても不便だぞ "
そう思ったのはこの橋をよく使い、近くで農業を営んでいる高橋陸人(42歳)だった。
他の人から詳しく話を聞くとどうやら、補修工事は費用がかかり、使う人も陸人を含めた少ない人数しか使っていないため、取り壊しになる予定らしいのだ。
"幼い頃から使っていて生活の為になくてはならない橋なのだからなんとか残すことはできないのだろうか?"
と思いながら、商店街で買い物をしていると普段は見慣れない
"時(人生)買います"
と書かれた札の付いた屋台があることに気付き時間もあったので寄ってみることにした。
「いらっしゃい。この店はあなたの時間(人生)を売ってそれと同等レベルのモノ、経験、契約が手に入る店だよ。」
と店員が言ったので、
「いつも使う橋を補修して使えるようにして欲しいんだができますか?」
と陸人が尋ねると
「その願いだと補修までの3年間の人生を売ってもらうことになるけどそれでもいいならこの契約書にサインして契約成立です。売ってしまった人生で起こった出来事は思い出に残らないのでご注意下さい。」
と店員が言い契約書を出してきたので、陸人はすぐさまサインした。そうするとすぐに自身が補修された橋の前にいることに気付いた。車で橋の前まできたようだったのだが、屋台で契約した時使っていた大型車でなく軽自動車になっているのを見てハッとした。
"この3年の間にお母さんが亡くなってしまったんだ。"
陸人を
"人生を売るといっても、人生を早送りされたようなものだから、世間さま的には親の最期を看取ったようになっているだろうが、俺の思い出にはお母さんの最期はまったく残っていない。こんなことになってまで橋の補修なんてしてもらわなくてよかったんじゃあないのか?"
という大きな後悔が襲いましたが、後の祭りでした。
そんな後悔をした数ヶ月後、田植えシーズンが始まり、陸人が補修してもらった橋を渡っているときでした。
「助けてくれ~」
という声が聞こえたので川を見てみると、小学校高学年位の子供が溺れているがわかりました。すぐさまトラックの荷台にあったロープを着ていたジャンパーにくくりつけ、そのジャンパーを子供に投げてやりジャンパーにつかまるよう子供に促すとともに、子供を助けてくれるようレスキュー部隊の応援を要請しました。
その甲斐あって、子供は助かったのですが、一連の救出劇を目の当たりにした陸人はある思い出を思い出したのです。
"そうだ。俺もガキの頃この川で溺れて、この橋を通った人が気付いてくれたおかげで、助けられたんだ。この橋がなかったら俺も、今の子供も生きてはいない。母親の最期を看取った思い出はないが、この橋のおかげで子供の命が助かったんだから、やっぱり補修してもらってよかった。"
田植えの繁忙状態でイライラする時期にあって、ほっこりするような空気が陸人を包んだのでした。
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