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忘年会幹事
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「忘年会の計画は大変だなぁ」
会社からの帰り道で、ヒラ社員の栗林宙が周りに人がいれば、聞こえるぐらいの声で独り言をつぶやいた。
会費
場所
日時
料理・アルコールの種類
誰がどの座席に座るか
これらを忘年会の幹事は決めて、計画を立てなければならない。
料理は食べられないものがある人もいるし、アルコールの種類にこだわりがある人もいる。座らせる席によって会話できるかできないか決まってしまうこともある。
"幹事の役割で大変なのに、ついでに仕事もあるのか……。そもそも忘年会自体好きじゃないんだよなぁ。一次会で、上司や先輩に気を使ってその後、二次会のカラオケに付き合わされ……。喜びがない。"
そんなことを考えながら、自宅への近道である商店街を横切ろうとしたとき、目の前に
"時(人生)買います"
という札の付いた不思議な屋台があることに気付いた。
"幹事をやるにあたってなにかのヒントになるかもしれない"
と思った栗林は屋台によってみることにした。
「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)・健康を売って、それと同程度のモノ、契約、経験が手に入る店だよ。売ってしまった人生の期間中に起こった出来事は思い出に残らないけど、売ってみるかい?」
と店員が尋ねたので、栗林は
「忘年会の幹事が大変なので計画を立ててほしいのですができますか?」
と尋ねると、
「その契約だと、忘年会直後の出勤日までの人生を売ってもらうことになるけど、売るならこの契約書にサインして契約に成立です。」
と店員が言って契約書を出してきたので、栗林はすぐにサインをした。栗林は、サイン直後に自身が会社の更衣室で同僚と一緒にいることに気付いた。
「今回の忘年会は上司に気を使うことがあまりなくてよかったわ。お前の幹事のおかげだよ。」
と同僚が言ったのだが、その思い出は自身には残っていないのでそれとなく
「どうして気を使わなくてよかったの?」
と聞いてみたのだが、どうも喉の調子がおかしい。
「そりゃあ。一次会からカラオケなら上司に気を使わなくていいじゃん。上司らずっと歌ってんのに調子合わせればいいだけだし。」
と同僚の答え聞いて
"一次会がカラオケなら気を使わなくていいよなぁ。だけど二次会はどこ行ったんだろうか?"
と思った栗林は
「俺、酔っ払っててよく覚えてないんだけど二次会はどこ行ったの?」
と尋ねると同僚は、間髪入れずこう答えた。
「隣のカラオケ屋に決まってんじゃん。」
「………。」
栗林は固まってしまった。
会社からの帰り道で、ヒラ社員の栗林宙が周りに人がいれば、聞こえるぐらいの声で独り言をつぶやいた。
会費
場所
日時
料理・アルコールの種類
誰がどの座席に座るか
これらを忘年会の幹事は決めて、計画を立てなければならない。
料理は食べられないものがある人もいるし、アルコールの種類にこだわりがある人もいる。座らせる席によって会話できるかできないか決まってしまうこともある。
"幹事の役割で大変なのに、ついでに仕事もあるのか……。そもそも忘年会自体好きじゃないんだよなぁ。一次会で、上司や先輩に気を使ってその後、二次会のカラオケに付き合わされ……。喜びがない。"
そんなことを考えながら、自宅への近道である商店街を横切ろうとしたとき、目の前に
"時(人生)買います"
という札の付いた不思議な屋台があることに気付いた。
"幹事をやるにあたってなにかのヒントになるかもしれない"
と思った栗林は屋台によってみることにした。
「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)・健康を売って、それと同程度のモノ、契約、経験が手に入る店だよ。売ってしまった人生の期間中に起こった出来事は思い出に残らないけど、売ってみるかい?」
と店員が尋ねたので、栗林は
「忘年会の幹事が大変なので計画を立ててほしいのですができますか?」
と尋ねると、
「その契約だと、忘年会直後の出勤日までの人生を売ってもらうことになるけど、売るならこの契約書にサインして契約に成立です。」
と店員が言って契約書を出してきたので、栗林はすぐにサインをした。栗林は、サイン直後に自身が会社の更衣室で同僚と一緒にいることに気付いた。
「今回の忘年会は上司に気を使うことがあまりなくてよかったわ。お前の幹事のおかげだよ。」
と同僚が言ったのだが、その思い出は自身には残っていないのでそれとなく
「どうして気を使わなくてよかったの?」
と聞いてみたのだが、どうも喉の調子がおかしい。
「そりゃあ。一次会からカラオケなら上司に気を使わなくていいじゃん。上司らずっと歌ってんのに調子合わせればいいだけだし。」
と同僚の答え聞いて
"一次会がカラオケなら気を使わなくていいよなぁ。だけど二次会はどこ行ったんだろうか?"
と思った栗林は
「俺、酔っ払っててよく覚えてないんだけど二次会はどこ行ったの?」
と尋ねると同僚は、間髪入れずこう答えた。
「隣のカラオケ屋に決まってんじゃん。」
「………。」
栗林は固まってしまった。
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