異世界を中国拳法でぶん殴る! ~転生したら褐色ショタで人外で、おまけに凶悪犯罪者だったけど、前世で鍛えた中国拳法で真っ当な人生を目指します~

犬童 貞之助

文字の大きさ
7 / 273
第一章 異世界転生と新天地への旅立ち

1-7 公爵令嬢の憂鬱

しおりを挟む
 時を少々さかのぼり、ロウとディエラが盗賊団拠点を離脱した頃。

 リマージュ中心にある貴族の館で、フードの人物が依頼主──白髪が混じる金髪の、しかし覇気がみなぎる壮年の男性に、任務報告を行っていた。

「盗賊団バルバロイの後方支援に回っている連中も含め、始末が完了した」

「うむ、ご苦労。しかし『赤蠍あかさそり』はどうしたのだ? まさか数合わせに雇った連中に、返り討ちにされたのか?」

 矢継やつぎ早に問いただす男性。その声には隠し切れない焦燥しょうそうが滲んでいた。

 それもそのはず。もし今回の依頼──ジラール公爵令嬢の誘拐が自身の企みであると明るみに出れば、彼が処刑されるだけでは済まないからだ。

 彼の持つ領土や資産も接収され、一族郎党路頭に迷ってしまうことは避けられない。このリーヨン公国で公爵家に手を出すというのは、それほどに危険を伴う行為だ。

 それにもかかわらず公爵家の三女誘拐に踏み切ったのは、くだんの娘に関する、確度の高い噂があったからである。

 いわく、「ジラール公爵三女は人間族ではない」というものだ。

 壮年の男性──サルミネン子爵は、この噂の調査を進めていく中で裏付けとなりうる様々な状況証拠を入手していた。

 例えば、件の少女は隣国にある魔術大学へ無試験で入学したばかりか、魔力適性検査──魔力の総量や個人の資質や種族によって分かれている魔力の色を調べる検査──すら受けていなかったこと。

 加えて、多種族に比べ魔術的な素養で劣るはずの人間族でありながら、入学してニ年で実践的な魔術研究の分野で成果を出し、派閥内で中核を担う存在になっていること。

 更には、彼女が十二歳の時、野外演習の際に紛れ込んだ二階建ての家屋ほどもあるヒポグリフ──鷲頭わしあたまに獅子の胴体で有名なグリフォン、その亜種──のつがいを、単独で仕留めたこと。

 他にも、この三女を生んだとされる妾の女性が魔術的な素養が極めて低いこと、等々。

 この「人間族ではない」という噂、これが獣人やエルフ、ドワーフやハーフリングなどの亜人なら何の問題もない。確かにリーヨン公国の支配者たる公爵家に人間族以外の種族がいた歴史はないが、排斥はいせきしているというわけではないからだ。

 しかし、ジラール公爵もその妾も姿は人間族そのものであり、どちらも優れた魔力を有した家系ではなかった。

 そして、三女は外見からも亜人に見られる特徴が見られない。完全に人間族の姿へ変化できる亜人種も存在するが、人化の術は修練の果てになせるわざであり、年若い亜人が使えるような代物ではなかった。

 故に、仮に公爵の妾が人間族へ変じている亜人種であれば、その娘の幼いうちは亜人の特徴が見て取れたはずだったのだ。

 魔力に関しても問題がある。教育や修練である程度は伸ばせるが、生まれついた才能や種族による違いが大きいのが魔力である。魔力的な資質で劣る人間族が若くして魔術大学に功績を残すなど、長い歴史の中でも異例のことだった。

 これらを総合して、サルミネン子爵は公爵の妾とその娘が魔族なのではないか、と半ば確信していたのだ。

 約900年前に大英雄ユウスケが大陸に巣食っていた魔神と魔族を駆逐して以降、この世界では人間と魔族の接触など禁忌きんき。子を生すなど言語道断である。

 もし公爵令嬢に魔族の血が流れているとなればその血族は例外なく処刑され、領地は宙に浮くことだろう。

 自分がそのことを証明できれば、この大都市リマージュも己の支配領になるかもしれない──そんな考えのもと、サルミネン子爵は危ない橋を渡っているのだ。

 ──それ故に、フードから語られた言葉に彼の肝は冷えた。

「『赤蠍』の二人は、その場に現れた『小さく黒い影』と思わしき少年に殺された」

「馬鹿な……あの手練れ二人がか? いくら『小さく黒い影』相手とはいえ、子供と思い油断したのか」
「油断するしないというより、圧倒的な実力差があった。鋼鉄製の防具を体当たりで半壊させたり、ロックリザードマンの甲殻を使った鎧を蹴り砕いたり。とにかく異常な相手」

 優れた鋼鉄製の防具は、一般に出回っている粗末な武器では傷つけることすら敵わないほどの硬度がある。武器無しに破壊するなど、よほど身体能力に優れた者でなければ不可能な芸当だ。

 他方、ロックリザードマンは渓谷や洞窟に住むリザードマンの亜種で、石材や鉱石を主食としてその成分を外殻に反映し堅硬な鎧とする。個体差はあれど、ものによっては鋼鉄どころか魔力的に変質した金属──マナタイトやミスリルに匹敵するものもある。その素材を利用した鎧は言うまでもなく前者を上回る硬度だ。

 そんなものをやすやすと破壊するなど、子供の力を明らかに逸している。故に、フードはロウのことを“異常”と形容したのだ。

忌々いまいましいことだ。もしや私の計画に感づき妨害してきた魔族かもしれんな」

 子爵が苦々しくこぼすとフードが無機質な声で追従する。

「纏っていた魔力量、身体強化の質。どちらも桁違いだったし十分ありうる。技量面は私が上回っていたと思うけれど、戦っていれば敗北していた可能性もある」
「まさかこのようなことになろうとはな……魔族が組織立って動いていれば国家の危機だ。今すぐにでも公爵令嬢の魔力を確かめ、大公様や他の公爵たちに知らせねば──」

「──その必要はありませんわ」

 焦燥の表情を強くしたサルミネンが、控えていた執事に指示を出そうとした直後──透き通るような美声が言葉をさえぎる。

 輝く象牙色の長髪をなびかせ登場したのは渦中の人物。ジラール公爵三女──エスリウ・ジラールその人であった。

「馬鹿な!? 何故ここに!? 拘束はどうしたのだぁ!」

 寒気立つような微笑みを浮かべる少女を見て大いに取り乱す子爵だが……無理もない。

 彼女はこの屋敷の地下牢で拘束されていたはずであり、その拘束は魔力的な干渉の一切を無効化する特殊な拘束具によってなされていた。身体強化や魔術での解除は不可能なのだ。

 加えて、物理的にも極めて頑丈な特注品。拘束具の鍵を子爵が持っている以上、抜け出せるはずがない。そのはずだった。

「素敵な拘束具でしたけれど、ワタクシ、縛られるより縛る方が好みなのですよ……うふふ」
「「ヒッ……」」

 十四歳とは思えぬ妖艶さと魔性を感じさせる笑みに、捕食者を前にした小動物のようにすくみ上る子爵と執事。

「は、『白狼はくろう』! もはや殺しても構わん! 奴が魔族なら体内に魔石があるはずだ。それをもって証明すれば良い!」

 だから早く始末しろ──そう命じたのに、フードは動かない。

 いや、そもそもフードは、公爵令嬢が登場するのをあらかじめ知っていたかのような落ち着きぶりだ。

「……まさか!?」

 子爵は己の額に脂汗あぶらあせがにじむのを自覚する。

「お嬢様、もうよろしいので?」

「ええ、もうお聞きすることもないですから。痕跡残さないようにお願いしますね」
「承知しました」

 予感が正しかったと証明するかのようなやり取りを聞き、サルミネン子爵は己の命運がとうに尽きていたことを悟った。

◇◆◇◆

「それにしても、コソコソと嗅ぎまわっていた犬をつり出したら、一緒に魔族が釣れるなんてね」

 始末した子爵と執事をたるに詰め、馬車でジラール家別邸へと向かう帰り道、ふとこぼすエスリウ。

 今回の誘拐は不穏分子をあぶり出すために、彼女はあえて身を自由にさせたのだ。

 の娘であり膨大な魔力を内に秘めるエスリウにとって、就寝時にあっても魔力による周囲索敵を行い続けるなど造作もない。本来は身の危険など起こりようがなかった。

「人の世を崩したい者たちが、お嬢様を同志とでも思い探っていたのかもしれませんね」

 フードが無機質な声で答えると、彼女の彫りの深い美しい顔立ちに陰りが差し、銀の眉尻がにわかに下がる。

「はあっ。そういった考えが嫌いだからお父様たちの言う通り人間族に溶け込んで、人の世のための貢献を重ねているというのに……全くもう」

 エスリウはやれやれと嘆息し、宝石のようなすみれ色の瞳が閉じられる。

 ──彼女の母親である魔神バロールは、肉体が滅びても百年ほど時が経てば復活を果たす、神や魔神の中でも特異な存在だ。

 対象を見るだけで惑わし、支配し、硬直させ、焼き殺す。悪夢的な効力を持つ様々な「魔眼」を有したバロールは、魔神の中でも上位に位置している。

 そんな彼女も以前は闘争や支配領域の拡大に明け暮れていたが、破滅と再生を繰り返すうちにそれらが馬鹿らしくなってしまった。ここ数十年など、人が治める世界を見て回ることに楽しみを見出す有様だ。

 そのたわむれの旅で出会ったのが彼女の現在の夫であるジラール公爵。そうして魔神と人が結ばれるという珍妙なことになっていたのだ。

「バロール様やお嬢様の考えは、魔族一般では理解されないものらしいですからね。そういった意味では御屋形様も同様ですが」

 ジラール公爵も見染めた相手が魔族、それも魔族の祖たる魔神の一柱と知った時は動揺し心が迷ったが、彼女が人にあだをなす存在ではないと信じ愛を貫いた。愛欲におぼれたともいうが。

「まあ、お父様とお母様のことは置いておくとして……実際にその少年を見た感想はどうでしたか?」

 自分たちの敵となりうるか──そう主から問われ、フードはしばし黙考する。

「……そうですね、少なくとも人ならば問答無用で襲いかかる手合いではなさそうです。あの少年は『赤蠍』を退ける際に殺さずに意識を奪っていたので、ある程度分別があるように見えました。しかし、盗賊業をやっている以上清廉せいれんでないことは確実ですね。最終的には、『赤蠍』も含めて全員殺害していましたし」

 数秒たっぷり置いたのち、そう評す。しかし、それを聞いてジト目になるエスリウ。

「要するに、よく分からないってことですよね」

 ──長々と語っていても、そういうことだった。無言で項垂れるフード。

「サルミネン子爵を始末する以上、それが世に広まれば少年はワタクシが魔族であると確信するでしょうし、そうなれば遠からず直接接触しに来るのは間違いありません。ですから、万が一強硬手段をとられた場合でも相手に不覚を取らぬよう、今のうちに魔術や魔法に磨きをかけ、戦闘術を鍛えておかねばならないでしょう」

「お嬢様の足手まといにならぬよう精進します」

 実際には、ロウは公爵令嬢が魔族だという疑いすら持っていないのだが……それを知らぬ主従は決意に燃え、気炎を上げるのだった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

処理中です...