異世界を中国拳法でぶん殴る! ~転生したら褐色ショタで人外で、おまけに凶悪犯罪者だったけど、前世で鍛えた中国拳法で真っ当な人生を目指します~

犬童 貞之助

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第三章 波乱の道中

3-8 壁に耳あり背後に少女あり

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 馬車での長旅を始めてから五日目、未明。

 日課である武術の鍛錬に加えアイシャとの模擬戦を終え、待ちに待った入浴タイムである。

「ふぃ~。生き返る~」

 ヤームルが魔術で創り出した簡易浴槽に魔道具で湯を張り、肩までお湯に浸かって疲れを溶かし出す。

 どうにもエスリウやマルトからの視線が気になる現状、魔法を使わずに済む魔道具は有難い存在だった。

「ふぅ。上がるか」

 二十分程かけてじっくり身体のりを解きほぐし、浴場を後にする。

 魔道具による温水は、俺が魔法で創りだすものより冷えやすい。

 というより、普通の水と同じように温度が冷えるというべきか。魔道具から常に温水を出してかけ流しにすると音が響くため、湯を張り終えると供給を止めるが……長く入っていると、どうしても湯の温度が冷えてしまうのだ。

 おかげで少し物足りない風呂となった。湯船があるだけ贅沢ぜいたくを言うべきではないのだろうが……。

(ロウは普段能力を存分に使って生活していますからね。どうしてもそれと比べてしまうのでしょう)
(贅沢し過ぎるのも考え物だな)

 寝床へ戻り、曲刀たちの手入れを行いながらの談笑(脳内)。今回の旅では魔法を全くと言っていいほど使っていないから、割と刃が損耗していくのだ。

 しかしながら、彼らは意志ある武器にして魔剣である。俺から吸い取った魔力を使って自己修復を行うことが出来るため、手入れは血や汚れを拭うくらいのものである。

(あ~そこそこ。いや、もうちょい下、刀身の中腹付近……あー)
(ふふ……こうして主に体を預け身を委ねるというのも、悪くないものですね)

 曲刀たちから妙な念話が飛んでくるが、ただ刀身を拭き拭きしているだけである。

 小刻みに振動しているギルタブはいつものことだから兎も角、積層構造の波紋を揺らめかせているサルガスの草臥くたびれたおじさん臭が凄い。

 仕事で凝りに凝った背中を子供に踏んでもらってるお父さんかよ。

 ──と、銀刀の柄頭つかがしらにはめ込まれた孔雀石くじゃくいしを磨き、完全に油断していた時。

「やっぱり、会話してるじゃないですか」

「どぅわぁ!?」((!?))
「きゃっ!?」

 耳元で可愛らしい声が聞こえ、あまりの衝撃に胡坐あぐらをかいた姿勢のまま一メートルほど飛び上がってしまう。

 思わずB級映画の超能力者バリの奇行を成してしまったが、自分でもビックリだ。

 そのまま空中で身体を捻ってぐるりと反転。

 着地して後ろへと向き直ると、浅葱色あさぎいろの猫耳少女が俺の奇怪な挙動に目を点にしていた。そりゃビビるわな。

「こんばんは、カルラさん。まだ真っ暗ですけど、どうかしましたか?」

 相手が動揺している隙に誤魔化してしまえと、素知らぬふりで挨拶を行う!

「……こんばんは、ロウさん。その剣さんたちとの会話はもういいんですか?」

 ──が、金色のジト目で鋭く切り返されてしまった。誤魔化せませんでしたかー。

 いや、観念するのはまだ早い。みにくくも足掻いて見せようぞ。

「今日も戦闘でお世話になりましたからね。こうして日頃の感謝を込めて手入れをしているんですよ。勿論、返事は返ってきませんが」

(ふふふ──)
(おい馬鹿! 今は黙ってろ!)

 おめーも黙ってろやこのタコッ!

「「……」」

 サルガスとギルタブの馬鹿なやり取りが聞こえたのだろう、ジッと至近距離でこちらを見据えるカルラ。負けじと無言で見つめ返す俺。

 五秒経過──カルラが放つ金のジト目の圧力が増す。
 十秒経過──猫耳少女の可憐な顔がズイとこちらに近付く。
 二十秒経過──もう無理。ギブアップっす。

 美少女のジト目は何故こうも精神を疲弊させるのか。

(単にロウが可愛い女の子に弱いだけだと思うが)
「わっ!?」

 俺が観念した気配を察知し念話を拡張したのか、サルガスの言葉に反応するようにカルラがびくりと震える。ピーンっ! と直立する尻尾が大変可愛らしい。

(ロウが女性に疑われた時点でこうなることは予期できていました。エスリウには露見しないよう努力してくださいよ?)

「疑われるに至る決定的な要因を作った、お前が言うか」
「こ、これって、念話ですか? 凄いです! 本当にお話していたんですね!」

 ギルタブの念話と俺の返答で確信したのか、カルラはやや興奮気味に語る。もはや後の祭りだが、この分だと無理くり誤魔化せたかもしれん。

(そうは言っても、遅かれ早かれ確証を得られていたと思うのです。なにせロウは思わぬところで抜けていますから)

 はいはいそうですねー。しかし、そう言うギルタブも相当抜けてると思うがな……。

「え? え? あ、もしかして、ロウさんも念話で会話してるんですか?」

(いや、ロウはそんな器用なことは出来ない。俺たちがロウの表層心理を読み取って会話しているんだ。……まあ、ロウは色々と規格外だから、その内念話も扱えるようになるだろうが。当然のように使いこなす様が目に浮かぶ)
(ロウのことは置いておくとして、まずは紹介を。私はギルタブ。今ロウが腰に佩いている黒刀なのです)
(俺はサルガスだ。ロウが手に持っている銀刀だな)

 主人を放置して自己紹介し始める曲刀たち。俺の中島太郎なかじまたろう流処世術並みの強制的な話題転換だな、おい。

「あ、ご丁寧にありがとうございます。わたしはカルラです。ロウさんがいつも身に着けてたし、知ってます、よね?」

(勿論です)(ロウがカルラの頭を撫でていた時から知ってるぞ)
「あう! そんな時から……。ひょっとして、あの時傭兵団の人が言ってた上等な曲刀って、ギルタブさんたちの?」
(きっとそうでしょうね。商店で誘拐されてしまいましたが、カルラがあの場に現れる前にロウが救出に来てくれましたので……ふふふ)

「あの盗難事件の事も、カルラさんを救出できたって意味じゃ商店を襲撃されてよかったとも言えるか」

 あの時、カルラを誘拐し隷属れいぞくさせていた傭兵団、「灰色の義手」のメンバーらが商店を襲撃していなければ、きっと今も彼女は捕らえられていたままだっただろう。

 ヤームルの祖父ムスターファが仕切る商店で、警備員にも死傷者が出た悲惨な事件だったが……。

 別の側面で見ればあの件があったからこそ、誘拐強盗を行う危険な傭兵団を速やかに殲滅せんめつし、囚われていた隣国の少女を解放することが出来たとも言える。

 事件が起きて良かったなどとは言えようはずがないが、人間万事塞翁ばんじさいおうが馬、か。

「あの時は、本当にありがとうございました、ロウさん。まだまだちっとも、恩返しなんてできてないですけど」
「前に言いましたけど、こっちの都合──ギルタブたちを取り返す目的の上での行動でしたから。あんまり重く考えなくて大丈夫ですよ」

 白い猫耳をへにゃりと曲げて訥々とつとつと語る様子が悶えるほど可愛らしかったため、ついつい少女の頭に手を乗せてしまう。

 触り心地は抜群である。ふわふわー。はぁ可愛い。

「ぁぅ……」
「──ハッ!?」

 危ないところだった。またも理性が吹き飛んでたぜ。

(ロウも懲りませんね。ロウが成人前に身体をバラバラに切り裂かれて死んでしまわないか、不安で仕方がないのです)

 こちらを解体してきそうな筆頭殿が、一体何をおっしゃっているのやら。

◇◆◇◆

 その後、話していく内にどんどんと主題が脱線していき、どうして曲刀たちの思念に気が付くことが出来たのかということにるいが及んだ。

「──わたし、猫人族と森人族の混血の中でも、どちらの性質も強く受け継いだ珍しい存在みたいで。それで、物に宿る表に出ていない魔力が『視』えたり、念話を『聴』けたりするみたいなんです」

 カルラに曲刀たちの存在がバレた時は動揺したが、彼女の特殊な生まれ故の力ということで、ひとまず安心できた。

 しかし、それなら普段俺が隠蔽している魔力も看破されているのでは? と思い、彼女に聞いてみる。

「ひょっとして俺が普段魔力を表に出さないよう身体強化してるのって、その『眼』でバレてます?」
「え? ロウさん、そんなことしてたんですか? 確かに、物凄い力だったり動きだとは思ってましたけど」

「あれぇー?」

 俺の問いに対して、カルラもまた問いで返す。こりゃ不味ったな! 墓穴掘ったパティーンですわ!

(いつものことだ。気にするもんじゃないぞ)

 サルガスの冷静な言葉が脳裏に響き、それもそうだなと考え直す。隠蔽した身体強化がバレたところでどうってことないか。ここは開き直っていこう。

「うーんと、カルラさんの視る力は、物の隠された魔力は見えるんですよね?」
「はい。それで、いつもお父さんとお母さんのお店で、魔道具の鑑定や査定をしてました」
「なるほど。でも、俺の戦いを見ていても、俺が魔力を纏っている風には見えなかったと」

「……はい。あ、でも、サルガスさんやギルタブさんが物凄く強い魔力を放っている時があるのは、何度か見ました。多分、他の人は見えていなかったんじゃないかな、と思います」
「物に受け渡した魔力は視えるけど、生体の隠された魔力は感知できない、か」

 詳しく聞いてみれば、彼女の持つ看破能力は物に限定されるようだった。これなら俺やセルケトの持つ、人族を大きく逸脱した膨大な魔力に気取られることは無いだろう。

 生物間の念話に関しては、俺自身が試すことが出来ない為判断しかねるが……。

「念話は魔道具を使ったものを聞いたことがあったんですけど、生き物の魔力は表面に出ている部分しか視えなかったんです。物だと、意識して目を凝らせば、内側の魔力まで視えていたんですが」

 俺の出した結論に頷いて補足する様に付け加えるカルラ。

 考えてみれば俺がわざわざ確認するようなことしなくても、カルラは実生活の中で、生物の内に秘めた魔力までは見通せないって分かっていたのか。

 質問を積み重ねていくようなまどろこしい真似しなくて、普通に聞けばよかったじゃん! ちょっと推理っぽく質問したのが馬鹿みたいだ。

(ククッ……お前さんは物事を難しく考えすぎる傾向があるからな)
(大きな勘違いというわけでもないですし、そう落ち込むものでもないですよ、ロウ)
「???」

 一人自爆したことについて煩悶はんもんとしていると曲刀にフォローされたが、俺の内心など読み取れないカルラにとっては脈絡の無い念話である。彼女は唐突な会話に可愛らしく小首を傾げていた。

「お前ら、俺の思念読み取ったってカルラさんには前後が分からないだろ。混乱するし無しだ無し……っと、相当話が脱線しましたが、カルラさん、一つだけいいですか?」
「えっと……はい、何でしょうか」
「俺が誤魔化していたことからも分かるかもしれませんが、サルガスたちはかなり特異な存在です。なので、できればこのことは、ヤームルさんたちにも秘密にしておいてもらえませんか?」

 脇へ脇へと話が逸れていたので、一度方向修正を図る。今すべきことは情報の封鎖である。

 ヤームルたちはともかく、エスリウやマルトに曲刀が意志ある武器であることを知られると、非常に面倒なことになる予感しかしない。

 元々、サルガスたちはバルバロイ襲撃犯から得たわけだし、ならば返せとなりかねない。

 そうでなくても、交渉の材料とされる可能性だってある。

 例えば「ロウさんはワタクシの手勢からその曲刀を奪ったのですから、こちらにも相応の返礼が欲しいところですね? うふふ……」みたいな。

(あ~エスリウなら言いそうだな、それ)
(彼女は隙あらばロウを絡め捕ろうとしていますからね。私たちの存在を知れば、弱みを握ったと強気で介入してくるかもしれません)

 曲刀たちも俺の考えに同意する。が、カルラが混乱するから俺の思念拾うの止めろって言っただろ!

「はい。意志ある武器なんて、わたしもお店で見たことありませんでしたし……ええっと、エスリウさんには特に秘密にしておきたいってことですか?」
「そんな感じですね。ギルタブの言葉は大げさですけど、公爵家のお嬢様がこの曲刀に興味を持ってしまい、万が一欲しいと仰られた場合断ることは難しいですからね。そういう意味で知られたくない方ではあります」

「な、なるほど。そういえば、エスリウさんって公国の大貴族様のお嬢様ですもんね……とっても良くしてくれてますから、すっかり忘れてました」

 対外的な理由を説明すると、カルラはすんなりと納得してくれた。公爵と言えば国の大貴族だし、俺が適当にでっちあげた理由でもそれなりの説得力を持つのだろう。

((……))

 曲刀たちが俺の言葉に呆れたような思念を飛ばしてくるが、当然無視である。

 俺とエスリウの微妙な関係まで説明する必要はないし、エスリウ相手だと断りづらいというのも事実だ。半分くらいは本当のことを話しているともいえる。つまりは没問題さガハハハ。

「──こんな真夜中なのに、話が長くなっちゃってすみませんでした」
「いえいえ! ずっと不思議に思ってたことが分かりましたし、ロウさんと色々話せましたし、こっちは全然大丈夫ですから!」

 カルラの力のことについて色々と聞いてしまったために、随分と時間が経ってしまっていた。これ以上彼女の睡眠時間を削るのは忍びないと、サクッと話を切り上げる。

「それではカルラさん、おやすみなさい」
「はい! あの、今日はお話しできて嬉しかったです。また機会があれば、お話させてください。えっと……おやすみなさい!」

 そう言い残し、ピューっと馬車へ駆けていくカルラ。ひゅんひゅんと振られる白い尾っぽを見送りつつ、何とか情報流失を防げたことに胸を撫で下ろす。

(お前さんは本当にマイペースだな)
やぶから棒だな。何が言いたいんだよ」
(ロウが女性の機微きびうといという話ですよ)

 何故肉体を持たぬ曲刀から、にぶちんだ的なことを言われねばならんのだ。子供の睡眠時間など食事の次に大切なものだろうに、訳分からん。

 いわれのない批判に憤慨ふんがいしながら曲刀たちに魔力を分け与えて寝床に突入し、寝具の中にいた砂色のさそりをデコピンで弾き飛ばしてそのまま就寝。おやすみなさい!
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