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「ちょ、ちょっと先輩、ふざけないで、くださ……」
さざなみ先輩はゆっくりと、僕の股間に指を這わせていた。
「ふざけてないよ」
そう言う先輩の目は、楽しそうに光っている。
「今日、オナニーしてないんだろ?俺が手伝ってやるよ」
「はいぃぃっ!?」
この夜何度目かわからない、間抜けな声が出てしまう。

「これも裸の付き合いの一環だ。お前の殻を破るためだよ」
「いやいやいや、それは絶対嘘ですよね!」
「男同士なら普通、温泉とかでは恥ずかしがらずに裸で入るし、オナニーの手伝いだってするもんなんだよ」
「いやいや!温泉のはそうでしょうけど、もう一つの方はおかしいですよ!?」
「恥ずかしがり屋の八神やがみが知らないだけだよ」

まったく取りつく島もない。
そうこうしているうちに、ボクサーパンツの前開きから先輩の指が入り込んできた。
「気持ち悪いとか、嫌ならやめるけど」
先輩がじっと見つめてくる。
「い、いえ……」
気持ち悪いか、嫌かといえば、そうではなかった。
恥ずかしい。
こんなこと、普通はしない。
そんな気持ちでの抵抗だった。

僕は彼女もいるし、これまで男性に恋愛感情や性的興奮を抱いたことはない。
巷で流行っているBL、ボーイズラブなるジャンルはもちろん知っていたが、触れたこともなく、どちらかというと気持ち悪いというイメージを持って敬遠していた。
ただ、今のこの状況は、決して嫌ではない。
それでも、こんなのは良くない、普通じゃない、という倫理観が強く働いていた。

そんなことを考えていると、ふっと部屋が薄暗くなった。
先輩が、ベッドサイドについているスイッチで調整したようだ。
薄暗い部屋で、憧れの先輩と二人。
改めて、非現実的な感覚が一気に押し寄せてきた。

ボクサーパンツに入り込んだ先輩の指が、まるで形を確かめでもするかのように、ペニスに沿って動く。
僕の抵抗が弱まったのを悟ってか、先輩は、僕の横に並んで座った。
僕は、ベッドの背もたれに枕を置いて座っている体勢のまま。
「八神さ、彼女いんでしょ。どんなセックスしてんの?」
耳元で囁くような先輩の声。
微かに吐息が耳にあたり、思わずぞくっとした。

「ふ、普通ですよ……」
「ふぅん……さすがにちゃんとやることはやってんだな、偉い偉い」
「うっ……!」
不意に、ぎゅっとペニスを握られた。
ペニスを刺激されながら、先輩の言葉でどうしても美羽みうとのセックスを思い出してしまう。

……やばい。
ペニスがむくむくと大きくなっていくのを感じる。
こうなってしまってはもうどうしようもない。
ダメだ、ダメだと焦るほどに、自分の身体の一部とは思えないほど勝手に暴れ始めてしまう。

「お?なに?彼女とのセックス、思い出しちゃった?」
また、先輩の囁き声。
「ぅ……」
「彼女のこと、思い出しててもいいよ。俺が、気持ち良くしてあげっから」
先輩の手が、ボクサーパンツの前開きから、僕の大きくなったペニスを取り出した。
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