異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央

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最終章 プリシータで商売人

部屋飲み

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「マリベル!部屋から出て行きなさーい!」

-----------------------------------------------

フォーコが、この街に来た初日に
仲良くなった冒険者パーティ
〈スパーダ〉という
Aランクパーティの中に
1人だけ居た女性、それがマリベルだ。

俺が初めて会ったのは、市場だった。
ひと言くらいしか話してないのに
俺の事を気にいったのか、
島に逃げて、無人島生活をしている時にも
フォーコに「リョウゴ様に会わせて」と
言ってたらしい。

俺は、興味無かったし、
そもそも覚えてなかったので、
今の今まで存在すら忘れて居たんだ。

その女が、今日ギルドで話し掛けてきて、
腕を絡ませ擦り寄って来たわけだ。

慎ましやかな胸だが、美人なので
まぁ、久々の女性との絡みだったのもあって
腕を絡ませたそのままの状態で
話をしていたのだ。うんうん。

ギルドでの用事も終わったので、
予定していた衛兵詰所へ行く為
ギルドを出たのだが、
何故かマリベルも着いてきた。

マリベルはこざっぱりした性格で、
裏表の無さそうな、
不思議な魅力のある女性だと思う
それに、積極的というか……
まぁ、悪い気はしないので
追い払う事もせず、直斗と3人で詰所に向かった

詰所では、襲撃事件の詳細を話して
衛兵さんには、今回捕縛した奴等の他にも
建物の影に9人くらいまだ居たのだと話してから


「御協力感謝します」


「いえいえ、ご苦労様です」


と挨拶をして詰所を後にした。
入口付近で俺の事を待っていた2人と合流して


「先輩お腹空きましたね、
何か食べに行きましょう?」


そう言った直斗に賛成して、食事をする事に。

しかしだ、俺は知っている。
この世界、料理が微妙なのだ……


(直斗、言っておくけど料理は口に合わないぞ)コソ


(なんとなくわかります。異世界あるあるですね)


「リョウゴ様?直斗くん?どうしたの?
2人でコソコソなさって。」


「いやな、いつも自分で料理して食うからよ
食堂の料理に慣れてないんだよな」


「マリベルさんは、どうします?
一緒に食事行きますか?」


「リョウゴ様は自分でお料理するのね~。
私なんて全く出来ないわ!自慢じゃないけどね。
お食事行くのなら、一緒に行っていいかしら?
私がいい所案内するわよ?」


「直斗、案内してくれるってよ
それでいいか?」


「は、はい!食事処なんて知りませんからね
案内してくれるなら有難いです」


「ふふふ。それなら任せなさい!
結構美味しいと評判が良いのよ」


(先輩、マリベルさんって美人ですね
性格もあっさりしてるっていうんですかね?
サバサバしてて、僕結構好きです)コソコソ


(お!何何?マリベルに惚れたのか?
くくくっ、まあ、美人だしサバサバしてて
気持ちのいい性格だよな~)コソコソ


(先輩!!惚れたとかじゃ無いです!!
人として好きって事ですから!)コソコソ




そんなこんなでやって来ました食事処。
味は…可もなく不可もなくって感じで
食べられた。
パンはやっぱりボソボソしてて不味かった……

エールを飲むか聞かれたが、「いや、やめとく」
断った。あれは飲み物じゃねぇよ!


食事中に「宿は何処に泊まってるの?」
と、聞かれたので

「いや、今日街に来たばかりで
宿はまだ取ってねぇな」


「なら、オススメの宿があるから
紹介するわよ?この店から少し離れてるけど
部屋が綺麗だし、値段も手頃なのよ」


「直斗?おい、寝るなよ!マリベルが
宿紹介してくれるってよ。
ベッド入ってから寝ろ!」ゴンッ!


「痛いぃ!先輩眠いですzzz
早く行きましょうよ………」


「くすくす。まだ子供ですものねぇ
お腹いっぱいになって眠くなったのね
それじゃあ行きましょうか」



食堂を出て、暫く歩くと「木漏れ日の宿」
と書かれた看板の宿に到着。

1泊1人銅貨8枚、素泊り。相場がわからないけど
まぁ、安いのかな?部屋を2つ取り、
直斗はそそくさと部屋に入っていった。


「マリベル、今日はありがとな」

……ん?何がありがとうなんだ?
いや、違ぇよ!くっ付いて歩いたのはお前か。
ま、飯とか宿とかは感謝するがな


「んで?お前の泊まってる宿は?
ココじゃないなら送って行くぞ?
外暗いから危ねぇぞ?」


「え!?送るですって!
私Aランクの魔法使いなのよ?
こ、この街では有名なの、
襲う人なんていないわよ…
それに!つ、強いのよ!」


「あ?んな事わかってるぞ?〈スパーダ〉の
魔法使いだろ?有名でも、お前女だろうが。
強くても、何かあるかわからんぞー。
グイ、そして俺の方が強い!ニッ」


「あ、あの…。だ、大丈夫よ?宿は…その…
ココだから!お、送る必要は無いわ。」


「ん?そうなのか?ならココで解散だな!
……お前顔真っ赤だぞ?風邪なら早く寝ろよ。
んじゃな~、俺は部屋行くわ」



と、カウンター前で解散したのにだよ?
俺が部屋の鍵開けた瞬間にな?
ピュンっと凄い速さで中に入り込んだよこの子。

そして、冒頭のセリフ
「マリベル!部屋から出て行きなさーーーい!」




「マリベルさん?何をしているんだい?
ココは俺の部屋なんだがな?ん?」


「も、もう少し話しましょうよ。ね?
そ、そうだわ!さっきの話しで出てきた、
ほ、ほら、いつも飲んでるお酒!
飲んで見たいなぁ~?って……
そ、それとお菓子?だったかしら?その……」


「ストップストップ。ははは!わかったよ。
酒とお菓子な。摘みとかも出すか~?
とりあえず、そこ座れよ」

(こいつ、警戒心無いのか?仮にも男の部屋だぞ?
ま、俺は大丈夫だけどな!あははは)


マリベルに強請られて、ビールとお菓子
摘みを出して「乾杯!」

ビールを1口飲んで
「美味し!これがお酒!」

菓子を食べ。スナップエンドウの菓子な。
「これは塩気が効いててお酒が進むわね」

摘みを食べて。ビーフジャーキーな。
「これは干し肉に似てるけど柔らかいわね」

そう言って飲んで食べて会話してと
結構楽しい時間が過ぎていった。

マリベルは酒が回ってきたのか、眠いのか
その場で コクンコクン  と揺れていて

危ないので声を掛けて
部屋に戻るように言ったら
いきなり立ち上がって
俺の方に歩いて来たと思ったら……

膝の上に座り込んで抱きついてきたもんだから
びっくりし過ぎて


「ブッッファーーー!」と盛大に酒を吹き出した。


「「……………………」」ポタポタポタ……


「降りなさい、マリベル」「いやよ」

「いやじゃないだろ」「いやったらいやよ」

「こんな事したら襲われるぞ」「…………」

「ふぅー。何かあったんなら話し聞くぞ?」

「じゃあこのまま聞いてよ」

「わかったわかった。で?」


(はぁ、このまま寝てくんないかな~
もうさ、ここまでされたら解るわけよ。
コイツが何を求めてるのか……チラッ……)


……まぁ、いっか!久々に頂きます!
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